群馬県知事様 2014年6月15日
群馬県都市計画課長様 人権平和・浜松
「記憶・反省・そして友好の追悼碑」の設置期間の更新を求める要請書
「記憶・反省・そして友好の追悼碑」は、群馬県での戦時の朝鮮人の強制的な労務動員による犠牲者を追悼する碑であり、群馬県立公園内にあります。この追悼碑の「設置許可取り消しを求める請願」が、群馬県議会の産経土木常任委員会で採択されました。この請願は、排外的な行動をおこなったり、過去の戦争での史実を否定したりする団体によるものですが、このような請願が採択されたことにとても驚いています。
このような請願によって、群馬県が碑を撤去するならば、群馬県は世界から歴史認識を問われることになります。それは「アンネの日記」を引き裂く行為を群馬県が認めるようなものです。世界史からみれば、戦時のユダヤ人への迫害も朝鮮人の強制連行もともに人道に対する罪であり、戦時の犯罪です。その歴史に学び、再発防止に努め、民族の友好をすすめることが大切です。日本人の拉致問題を解決するためには、日本が過去におこなった朝鮮からの強制連行という過去の清算が欠かせません。
「記憶・反省・そして友好の追悼碑」は、過去に学び、友好をすすめるという市民の思いを示すものであり、その設置を認めてきた群馬県の姿勢は高く評価されています。この碑は、群馬県が世界に誇ることができる追悼碑です。県は撤去ではなく、この事業を積極的に支援すべきです。
日本国憲法では人権実現のための不断の努力を求めています。追悼集会での発言は、人権実現にむけての市民による不断の努力を示す表現であり、発言内容は表現の自由として認めるべきものです。差別撤廃、権利要求の言葉を政治的発言とみなし、碑の撤去の口実にしてはいけません。
わたしたちは市民団体として、群馬県が追悼碑の設置期間を更新すること求めます。碑を撤去することは、あらたなファシズム、歴史修正の動きに群馬県が同調することです。それは群馬県民のみならず、日本の、世界の人々の平和・友好への思いを傷つけることになります。