2014.8.2浜岡原発の再稼働を許さない静岡県ネットワーク発足集会

2014年8月2日、浜岡原発を許さない静岡県ネットワーク発足集会が静岡市内でもたれ、400人が参加した。同ネットへの参加団体は、発足集会時点で41団体になった。

 集会の第1部では、主催者から、再稼働を止めるために交流会から運動体へとネットワークを結成したこと、県民の再稼働反対の声は過半数を超えるようなったが、原子力ムラも復活しているなかで、反対の声をいっそう強めていくことが必要との呼びかけがなされた。また、再稼働反対の県民世論を高め、広げていくこと、議会への働きかけを強めること、署名運動をおこなうことなどが訴えられた。さらに湖西市長の三上元さん、元東芝原子炉設計技師の渡辺敦雄さんが原発反対の意思を示した。

 集会での第2部では、自治体首長が原発再稼働に反対する意思表示を行った。

福島県の浪江町長である馬場有さんが「原発災害から住民の命を守る」という題で話した。馬場さんは、地震と津波により651戸が全壊し、死者が182人であったが、震災関連死が330人に上ることをあげ、心の被災状況の深刻さを示した。また、原発事故によって幸福追求権、生存権、財産権など憲法で保障されたすべての権利が奪われたが、賠償にあたって加害者の東電が謝ろうとしないとし、原因究明も事故の検証もできていないのに再稼働しようとする動きを強く批判した。さらに浪江は脱原発に向かっているとし、検察審議会による東電幹部の起訴相当の判断に関しても、「これは犯罪だ」とし、起訴して責任を追及すべきと語った。

静岡県の牧之原市長の西原茂樹さんは、原発から自宅までは3キロであり、風下にあたり、牧之原市は20キロ圏内に入るといった牧之原市と原発との地理的な関係から話をはじめた。西原さんは市長として永久停止の判断にあたり、おでかけトークで市民と原発を議題にしての話し合い、企業との原発に対する意見交換、市民の意識調査をふまえ、原発の問題点について市議会の討論、そのなかで「永久停止」が決議され、それをふまえて判断したという経過を話した。また、太陽光や風力エネルギーをすすめていること、「広報まきのはら」で永久停止の意義を宣伝していること、市民投票を保障していることなどをあげた。さらに、大飯原発福井訴訟判決にはこれまで言い続けてきたことが記されているとし、この判決への共感を語った。そして、県レベルでの討論会と対話による合意形成を呼びかけた。

伊豆の国市長の小野登志子さんは、原発を何箇所も視察したこと、そこで原発の危険性を感じたことを話し、伊豆の国市は文化財が多いこと、浜岡原発からの風下にあたること、使用済み核燃料の問題、新エネルギーへの期待などについて話した。

福島原発事故は市民の社会認識を変えた。住民の生命を守るという地方自治の立脚点からみれば、当然の行為であるが、現役の市長が、原発に反対する市民の前で、原発に反対する自らの思いと行動を公然と話すという時代を迎えた。
 
 各地の電力会社が再稼働の動きをすすめてきてはいるが、再稼働をすすめるものたちは、住民の生命を守らず、事故の責任もとらないものたちだ。今後の新たな事故によるのではなく、再稼働反対の声の高まりによって、彼らの野望を終わらせたい。