池田恵理子「政治に支配されてきた「慰安婦」報道とメディアの危機」
2014年11月30日、磐田市で平和の集いがもたれ、「女たちの戦争と平和資料館」館長の池田恵理子さんが「政治に支配されてきた「慰安婦」報道とメディアの危機」の題で講演した。集会には200人ほどが参加した。
池田さんは、「慰安婦」の存在を抹殺し歴史の偽造しようとする勢力が、大衆心理を操作している動きを示し、そのような「記憶の暗殺者」と対抗し、真実が報道されていくことの大切さを話した。
池田さんの話は、@戦時中から報道管制がしかれていた慰安所・「慰安婦」、A「慰安婦」問題は1991年、被害者の名乗り出から始まった、B政治介入を受けた「慰安婦」報道1990年代・2000年代のNHK番組から、C安倍首相が進めてきた世論誘導とNHK支配、Dいま日本人に問われていることの順にすすんだ。
報道当事者の体験談であり、わかりやすかった。戦時中から慰安所・慰安婦や強かんの記事が統制され、隠蔽されてきたこと、「戦場への出稼ぎ売春婦」という宣伝、兵士たちに慰安婦犯罪の感覚がなかったこと、それらが、いまの性奴隷否定、「慰安婦は商行為」論につながっていることがわかった。また、安部たちの歴史修正主義の強まりが国際的に問題とされ、各地での決議につながってきた経過も理解できた。さらに、安倍晋三たちがどのように「慰安婦」問題の偽造に向けて行動し、NHKに介入し、政治権力を握りながら、教育とメディアの支配をすすめているのかを知ることができた。 (T)