康宗憲講演会・豊橋
2014年12月7日、豊橋で康宗憲講演会がもたれた。康宗憲さんは1951年生まれの在日2世。ソウル大学在学中に拘束され、13年間収監されたが、1987年の韓国民主化のなかで釈放された。日本に帰国後、韓国問題研究所を主宰、現在は大学で教えている。
康宗憲さんは「東アジアの平和を考える」という題で、政治家の資質、東北アジアの現状、朝鮮半島の戦争と平和、朝鮮半島からみた日本の平和と民主主義、戦後日本への問いかけの順に話をすすめた。
康さんは、朝鮮半島での平和構築にむけての取り組みを紹介しながら、日本での歴史認識の後退と無関心、メディアと教育への支配の問題などを指摘した。さらに、日本が日米安保条約という軍事同盟から脱却し日米関係を正常化すること、北朝鮮の脅威という虚構を克服して日朝関係を正常化するという2つの課題を示した。そして、過去を歪曲する動きは成功しない、わたしも「行動する良心」でありたいと話を結んだ。
康宗憲さんには『死刑台から教壇へ 私が体験した韓国現代史』(2012年)という著書がある。ここには体験とともに韓国の民族・民主運動の現代史が記されている。おすすめの一冊である。(T)