7・21ピースサイクル、浜岡原発原子力館前で抗議

 2022年7月21日、ピースサイクルは浜岡原発に対し、廃炉を求める要請をおこなった。

毎年7月に行なっている浜岡原発の社員とピースサイクルの意見交換会の開催時間を、2日前の7月19日にコロナの感染状況もあり60分を40分に短縮することで、浜岡原発の社員と最終確認をした。

しかし翌20日の夕方、浜岡原発の社員から電話で、「県内のコロナ感染拡大が急激なため、明日(7/21)の意見交換会は中止にして、屋外で申し入れを読みあげて終了したい」旨の連絡があった。  

これに対してピースサイクルは、「急激なコロナ感染拡大の対策として、①室内で行なっている意見交換会を屋外の日陰で30分行う。もしくは、②7月10日に出している質問に対する回答を後ほど書面で回答する。のどちらかで対応願いたい」を提案した。しかし、中部電力は全く受け入れず、21日、屋外で中部電力の会社の不誠実な対応を、40分追及せざるを得なくなった。

ピースサイクルは、コロナ感染対策もあり、主に提案②の書面の回答に重点を置き、「即答は難しいと思うので例えば、本社に検討していくように上申していく」旨の返答を求めたが・・・。

社員 「回答はしない。頂いた質問、申し入れ等は上へ伝えておく」

ピースサイクル  「回答しない理由は?」

社員 「会社の方針」(何回聞いても、会社の方針しか言わない)

ピースサイクル  「上のどこへ伝えるのか?」

社員 「しかるべき部署」(何回聞いても、具体的な部署は言わない)                                                                                                       

結局、屋外で立った状態でピースサイクル10人、広報担当の社員2人で40

分話した。原発に反対する人間には真摯な対応をしない中電の方針が浮き彫りになった。最初から「本社に書面での回答を検討していくように上申していく」と言えば、申入書を読みあげて終了している行動になっていた。   

途中、ピースサイクルのメンバーが、「この場で質問の回答をしてほしい。そんなに時間はかからないから」と言ったが、原発の社員は「ここでは意見交換はしない」と不誠実な対応に終始した。

  

以下、申入項目

浜岡原発の永久停止・廃炉などを求める申入書

1,  中部電力は、浜岡原発の再稼働を断念すること。全炉を永久停止し、廃炉の方針を決定すること。2,  中部電力は、浜岡原発敷地内の使用済み核燃料を安全に保管すること。3,  中部電力は、タレントや社員を原発の再稼働のために使っている、テレビCMは放映しないこと。そのCMの宣伝費を電気料金の値下げに回すこと。4,  中部電力は、企業の社会的責任の観点から、市民の意見に真摯に耳を傾ける姿勢を持つこと。5,  中部電力は、東京電力の旧経営陣に対する13兆円の賠償命令(2022年7月、東京地裁判決)を重く受け止め、東電の旧経営陣のような責任回避をしないこと。

 

以下、質問項目

1、地震対策について

「プレート間地震では、陸側のプレートが持ち上がります。これが南海トラフで起きる場合、発電所の敷地付近で地盤が隆起することが想定されます。しかし、この地盤の隆起は、広い範囲にわたるなだらかなものであり、一部が大きく隆起するなどして構造物や機器に影響を与えるものではありません」(中部電力のホームページ)。

質問1 中部電力のホームページに上記の記載がある中で問題なのが、「しかし、この地盤の隆起は、広い範囲にわたるなだらかなものであり、一部が大きく隆起するなどして構造物や機器に影響を与えるものではありません」と断言していることである。この根拠になっている出典先を明らかにされたい。

質問2 プレート境界型地震については、耐震設計審査指針の項目などで、専門性のある説明が載っているものがある。一般市民が上記の中電のホームページを読んだ場合、断言していることから、「プレート間地震は心配ないんだ」という、誤解を招く記述になっているため削除されたい。

2、津波対策について      

「中電は2021年12月17日、南海トラフ巨大地震が起きた場合、浜岡原発を襲う津波の想定が最大22.5mとなり、現在の防波壁(22メートル)より50センチ高くなることを原子力規制委員会に報告した」 (朝日新聞デジタル)。「中電の増田浜岡原子力総合事務所長中部電力は、2022年5月20日、浜岡原発で想定する最大の津波の高さを22.7メートルとして、原子力規制委員会の安全審査に示すことを御前崎市と市議会に説明しました。増田浜岡原子力総合事務所長「滑り始める破壊開始点を約1000通り検討した結果、一番最高の値として22.7mという数字が出た」(SBS放送)。「中電は、昨年12月の原子力規制委員会の会合で、より厳しい条件で津波の高さを解析した結果、22.5mに達する可能性があると説明したが、原子力規制庁の担当者からは「巨大地震が発生する条件をもっと増やすべきだ」とか「過去の解析結果との比較が不十分だ」といった意見が出され、今後の審査で、想定が妥当か詳しく調べることになりました」 (NHK NEWSWEB) 。

質問3 上記の報道経過から感じることは、中電は単に原子力規制委員会の安全審査に合格して再稼働が出来れば良いとの考えが目的化され、仮に想定外の津波で原発事故が起きた場合、責任は誰が負うのか明らかにされたい。

質問4 100%の安全が保障されない状態で再稼働に踏み切ることは、憲法13条で保障されている人格権を侵害するおそれがあると考えるが、見解を明らかにされたい。(森)