2022・7・19総がかり浜松行動・アベ銃撃事件

2022年7月19日、浜松駅前で戦争させない九条壊すな浜松総がかり行動が取り組まれ、コロナ第7派の中、15人が参加した。
●参議院選挙により、改憲派は三分の二を超えた。改憲発動させない。
●統一教会と自民党との癒着を解明すべき。
●アベ国葬なんて、やめてほしい。国税で弔意を強制するな。
●安倍政権が何をやったのか、反省すべき。戦争法を作り、森友・加計・桜問題のように国政を私物化した。
●アベに勲章と位階を与える話を聞いて、この国は誰の国なのかと思った。


アベノツミ10条、勲章の内実

                           

安倍晋三元首相が2022年7月8日に銃撃され、殺された。かれには「従一位」の地位と「大勲位菊花章頸飾」(最高位の勲章)が与えられた。「国葬」にするという。かれは民主主義や立憲主義に反する政治をおこなったが、政府はそれを反省することもなく賛美し、市民には国税を使って弔意を強制する。第1次から4次に及ぶ安倍政権の約9年とは何だったのか、振り返ってみよう。題して、アベノツミ10条、勲章の内実。

1 「憲法改正」を主張し、米軍基地建設をすすめ、南西諸島ヘの自衛隊配備をすすめた。

安倍政権は、憲法9条を変え、自衛隊を明記し、国防軍とすることを目指した。アメリカの軍事戦略に服従し、兵器の爆買いを続けた。武器の輸出を「防衛装備移転」の名ですすめた。戦争の放棄、交戦権の否認をなきものにしようとした。しかし、「憲法改正」はできずに辞任した。沖縄県の辺野古基地建設中止の訴えを無視し、土砂の投入を行った。また、「台湾有事」を喧伝し、南西諸島への自衛隊配備をすすめた。沖縄を攻撃の拠点とし、戦場とする道を歩んだ。

2 安保法(戦争法)を制定し、自衛隊のグローバルな派兵ができるようにした。

秘密保護法制定、国家安全保障会議設置、集団的自衛権行使容認、日米新ガイドライン安保再改訂、共謀罪制定など、市民監視と海外派兵の道をすすめた。米軍を自衛隊が後方支援し、さらに共同で戦争をし、いつでも、どこでも海外派兵ができる体制を作った。旧来の政府解釈を閣議決定で変更し、実質的改憲をおこない、戦争国家ヘの道をすすめた。

3 原発再稼働をすすめ、「アンダーコントロール」と嘘をついてオリンピックを誘致した。

 福島第1原発事故後、原発輸出、再稼働推進の政策をとった。福島事故に対して、国として責任をとろうとしなかった。原発事故被害者への補償に真摯に対応せず、被害者ヘの十分な救済をおこなわなかった。さらに事故を隠蔽し、状況は「アンダーコントロール」と嘘をつき、オリンピックを誘致した。布マスクは効果がないにもかかわらず、市民に配布し、国税を浪費した。オリンピックの強行はコロナ禍の拡大を生んだ。

4 アベノミクスの名で新自由主義をすすめ、格差を拡大した。

 安倍政権の経済政策は新自由主義による規制緩和であり、国家戦略特区を利用した。水道民営化やデジタル導入は公共分野への民間資本の投資を進める政策だった。その利権のために関係企業から内閣へと人が派遣され、利益相反による政策がなされた。好景気をみせかけるために金融緩和がなされたが、財政赤字は増加した。労働者の権利も規制緩和され、非正規職が増加した。賃金は上昇しなかった。労働者でありながら労働者とみなさない外国人技能実習制度を拡充した。格差はさらに拡大した。

5 「侵略と植民地支配への反省」という認識を否定し、ヘイト団体の活動を助長した。

 戦後の日本国憲法を「戦後レジーム」と批難し、過去の戦争を反省しなかった。拉致問題を利用して政権を握り、高校無償化から朝鮮学校排除の決定をした。。2015年8月の安倍談話は1995年村山談話の「侵略と植民地支配への反省」という認識を否定する内容だった。日露戦争を賛美し、朝鮮半島への植民地支配には言及しなかった。そのような政府の行為はヘイト団体の街頭行動の活発化を招いた。

6 歴史否定主義の立場で「歴史戦」を語り、教育現場で統制を強めた。

 「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」の中心人物として活動し、歴史否定主義の立場をとった。「歴史戦」を主張し、南京虐殺、沖縄戦集団強制死、慰安婦強制動員、朝鮮人強制労働などの史実を否定する側で政治をすすめた。教育現場での統制を強め、教育基本法を改悪し、教育現場に免許更新制度、人事評価制度、教育長任命制を導入し、統制を強めた。大学で軍事研究が推進されるように仕組んだ。

7 韓国大法院判決を無視し、強制労働被害者の救済を拒んだ。

 2018年、韓国で強制動員企業に対して動員被害者の救済を求める判決が出ると、国際法違反と宣伝した。企業と被害者の話し合いをすすめるのではなく、韓国を敵視し、経済制裁をおこなった。明治産業革命遺産の世界遺産登録を推進し、明治期の産業化を賛美し、戦時の朝鮮人の徴用は強制労働ではないとした。産業遺産情報センターの展示は朝鮮人強制労働の存在を否定するものになった。ユネスコの平和構築の理念に反する形で、世界遺産登録を「歴史戦」に利用した。

8 「森友、加計、桜」など、利権のために政治を利用し、国政を私物化した。

 安倍晋三記念小学校の設立をねらう森友学園に国有地を値引きする、加計学園獣医学部の認可に便宜を図る、桜をみる会に支援者を招待して前夜祭で接待するなど、首相として自らに近い者たちに便宜を図った。安倍首相案件とすることで、利権集団に有利な政策をすすめた。私物化が問われる文書については隠蔽し、改ざんした。森友問題では、改ざんにより自死に追い込まれた公務員遺族の再調査の要求に応じなかった。

9 日本会議や統一教会などの右翼人脈を利用して、政権を運営した。

安倍内閣の閣僚には日本会議国会議員懇談会や統一教会と関係のある者が多かった。日本会議は「生長の家」や神社本庁などの宗教右派と関係が深く、過去の戦争を東アジア解放戦争とし、憲法改正、靖国公式参拝、男女共同参画反対などを主張している。統一教会は1997年に世界平和統一家庭連合へと名を変えたが、安倍政権下の2015年、文化庁は認証した。安倍政治の下、統一教会と関係を持つことで大臣や政務官に登用され、それが出世の手段となった。

10 メディア支配、官僚支配を強め、言葉・文化を壊した。

 安倍政権は、過去の戦争を美化し、改憲を策動した。閣議決定で正当化し、安保法を強行採決した。森友・加計・桜など国政を私物化し、文書の改ざんまでおこなった。それを批判的するキャスターを降板させるなど、報道に介入した。新聞記者と関係を結び、御用記事を書かせた。内閣人事局を発足させ、官僚人事を支配し、忖度体質を植え付けた。国会で嘘をついても恥じないような行為を繰り返し、国政への不信を招き、言葉の意味を壊した。政府による表現への介入や文化財を利用しての利益追求という政策は文化を壊した。

このように安倍政権は改憲を語り、国政を私物化し、公文書まで改ざんした。その政策は、民主主義と平和を破壊するものであった。日本の叙位叙勲の頂点には天皇がいる。人間に等級を付ける制度は差別である。民主主義が根本であり、君主制は無用だ。アベノツミを継承する者たちによるアベ国葬や改憲と軍拡に、さようなら。        (竹)