9・17渡辺敦雄講演「浜岡原発 永久停止ヘの道程と課題」

 2022年9月17日、静岡市内で渡辺敦雄講演会「浜岡原発 永久停止への道程と課題」がもたれた。
渡辺さんは30年余り東芝に在籍していた技術者であり、浜岡原発の設計にも関わった。今は浜岡原発の永久停止を呼びかけている。渡辺さんは次のように語った。

 廃炉と永久停止についてみておけば、廃炉はきれいにはなるが、放射性物質の拡散が起きるし、費用もかかる。永久停止は被ばくは少なく、廃炉よりも費用はかからないが、負の遺産として存在することになる。被ばくの危険を考えれば、早急な廃炉よりも、永久停止させ、放射線量が減少するのを待つ方がいい。
 浜岡原発を永久停止すべき理由は、そもそも原発は不要であり、コスト高であって、再生可能エネルギーで代替が可能である。テロや戦争による放射能汚染事故をもたらす。東海トラフ巨大地震によって地震と津波が起き、津波は22メートルを超えると想定される。浜岡原発は活断層の真上にあり、設備は破壊される。海水取水用配管は600メートルあり、地震で損傷する可能性が高い。津波により海水貯槽からの吹き出しが起き、構内にあふれる。原発事故により東海道などの道路・線路が寸断され、東西の経済が寸断される。
 米英では放射線量の低減を待ち、100年かけて廃炉をすすめる。なぜ日本は40年で廃炉をすすめるのか。住民や作業員を被ばくさせないための対策が必要だ。特に内部被ばくの恐ろしさへの理解を深める必要がある。永久停止させ、廃炉交付金の制度をつくらせる。永久停止のための雇用、ビジネスを創出する。永久停止・廃炉による雇用の確保はあると考えるべきだ。
 中電は浜岡3・4号機の再稼働をめざしているが、津波の高さを、現在の防潮堤よりも高いものを想定するようになった。しかし、防潮堤の再建設はできないだろう。ということは、中電は再稼働をあきらめたようでもある。世界で最も危険な浜岡原発の永久停止を求めたい。     (文責・人権平和・浜松)