3・19袴田巌さん応援大会

2023年3月19日、浜松市内で袴田巌さん応援大会がもたれ、160人が参加した。

この集いでは最初に袴田ひで子さんが再審決定に関し支援者にお礼を述べた。

 

角替清美弁護士は、裁判の経過を話し、2014年の静岡地裁の再審・釈放の決定ですでに勝負は決まっている。今回高裁は当たり前の決定をしたのであり、もうひっくり返せない。支援の力が今回決定をもたらした。弁護団は最後までがんばる、みなさんもご支援を!とよびかけた。

続いて、新聞記者の望月衣塑子さんが、検事による証拠の改ざん・隠蔽事件、審査会への報告書の偽造事件、獄中死後の無罪判決等の事例を示し、権力への監視の大切さを話した。 

望月さんの進行で、袴田事件に関し、元裁判官水野智幸さん、元検事市川寛さん、弁護士間光洋さん、刑法学者宮本弘典さんらが意見を述べた。

水野智幸さんは、被告人のことを考えず、秩序維持の一端を担っているという認識を持つ裁判官もいるのではないかと話した。市川寛さんは公判が始まってから発見されたという衣類についてまともな検事なら疑いを持つ。警察にだまされない検事であるべきと語った。 

間光洋さんは、袴田さんが留置された際の弁護士による接見は三回、計37分であり、起訴されるまで十分な弁護できていない状態であり、警察は証拠を開示すべきと話した。宮本弘典さんは戦時の思想的総力戦は考え方である裁判官による証拠説明の省略が袴田事件の一因とし、検察の持つ証拠の開示の必要性や検察にある秩序維持の志向の危険性を指摘した。

その後、応援歌が歌われ、各地からのメッセージが紹介された。

 

3・21静岡再審決定報告集会

 3月21日には静岡市内で袴田さんの再審決定報告集会がもたれ、150人が参加した。

 集会では小川秀世弁護士が、検察が特別抗告できなかった理由として、抗告の申立書に書く理由がないこと、抗告反対の声の高まり、差し戻された時からすでに負けがあきらかであることなどをあげた。

また冤罪映画を制作してきた周防正行さんが、人質司法、証拠隠し、調書裁判の三点から日本の裁判の問題点を指摘した。さらに袴田弁護団の弁護士が次々に登壇し、裁判を振り返ると共に、今後の闘いを展望した。

 
集会では袴田ひで子さんが、私が33才の時から、57年間、闘ってきた。再審開始をひたすら願ってきた。地裁決定まではニコリともできず、笑う気にもならなんだ。9年前に厳が出てきてから、ニコニコできるようになった。ニコニコのひで子に変わった。弁護団と支援者の皆さんのおかげです。世界から支援があります。厳は私の運命と思ってます。今も厳はむっつりしていますが、少し様子が変わったようだ。これからが正念場です。もうしばらくご支援を。再審開始となって、本当にうれしいと語った。

集会途中に厳さんも現われ、登壇した。厳さんは、龍をなくす、龍との闘いだ。皆さんの協力が必要です。よろしくお願いしますと発言した。

集会では、「春待ちわびて」(コバケン)や「袴田巌・無実」などの歌が紹介され、ボクシング協会のメンバーが「フリーハカマタ、ナウ!」とコールした。

集会終了後、会場をかえて、袴田さん再審決定を祝う会がもたれ、支援者と弁護団が勝訴にむけて意見交換をおこない、再審勝利を誓った。


みんなで声を!「袴田巌・無実」                  

大きな態度の警察 戦前と同じ

五点の衣類をねつ造し 犯人にしたてた

息子よ、チャンはやってないと 闘い続けた

生きる夢を描いて きょうも歩く

袴田巌 無実!無実!

再審開始 無罪!無罪!

不当な鉄鎖を断ち切って 自由を勝ちとろう

 

弟の無罪を信じて 面会に通った

雨の日、雪の日、いつの日も 解放を夢見た

生きていれば朝は来る 自由の光が

無罪のゴングを鳴らして 正義をえたい

袴田巌 無実!無実!

再審開始 無罪!無罪!

不当な鉄鎖を断ち切って 自由を勝ちとろう

生きて厳をふるさとへ 取りもどすと

つどい 語りあって 街角で訴えた

失われた星の光に 息吹をあたえて

無罪のゴングを鳴らして 自由を勝ちとろう

 

袴田巌 無実!無実!

再審開始 無罪!無罪!

不当な鉄鎖を断ち切って 自由を勝ちとろう