7/20 ピースサイクル・浜岡原発へ

2023年7月20日、ピースサイクルが浜岡原発に到着した。ピースサイクル浜松、神奈川など12人は浜岡原子力発電所会議室で原発の社員と約1時間にわたって意見交換をした。
 意見交換の議題は、1、岸田政権が原発の稼働期間を60年以上も可能にするなど、従来の原発政策を大転換したGX脱炭素電源法(原発回帰束ね法)が5月31日の通常国会で成立した問題。2、原発1号機・2号機の原子炉解体の問題の2点である。
 ピースサイクルは1週間前に下記の質問事項を浜岡原発にFAXした。それに対し原発の社員が口頭で回答した。口頭回答では、「長期管理計画(劣化評価、基準の適合など)については」の回答は、「治験の収集、点検により行っていく」。「中部電力は3号機・4号機の経年劣化をどのように考えているのか」の回答は、「点検により機器の状態を確認する」などであった。原子炉本体の経年劣化(老朽化)による危険性に本当に危機感を持っているのか疑問の回答であった。

ピースサイクル(PC) 参加者からの質問や意見

PC  「GX脱炭素電源法の説明を御前崎市としたのか、7月12日の御前崎市との意見交換で御前崎市は中電からの説明はないと言っているが」

原発社員 「担当部署が違うので分からない」

PC       「本日の議題にあるのだから、事前に担当部署に確認すべきである」

PC       「中電は12年間原発なしでやって来たのだから、何十年後のことを考えて原発なしの電力会社にすべきだ」

PC       「社内で、従来の原発政策を大転換した、GX脱炭素電源法に戸惑っている意見は出ていませんか」

原発社員 「出ていません」

 私が今回の意見交換で強く感じたことは、従来の原発政策を大転換であるGX脱炭素電源法に対して何らの意見表明もしないで、ひたすら政府の方針に従う中部電力という一企業に、生命を脅かされ続けられて良いのだろうか。12年前の福島原発事故で、政府も東京電力も責任を取っていないことから、浜岡原発の永久停止・廃炉の道筋を早急に決めない限り未来はないということである。     (M)

 

2023年7月20日

中部電力㈱浜岡原子力発電所 所長 吉田 博 様                    
                           ピースサイクル浜松 浜岡原発を考える静岡ネットワーク ピースサイクル神奈川ネットワーク

浜岡原発とピースサイクルの意見交換項目

1、浜岡原発3号機・4号機が再稼働した場合の稼働期間について

岸田政権は原発の稼働期間について、従来の停止していた期間を含めて原則40年としていたルールを、停止していた期間を含めずに60年以上運転できる仕組みに変更した。ちなみに停止していた期間を含めれば、3号機は1987年運転開始のため4年後に40年、4号機は1993年運転開始のため10年後に40年を迎えるが、原子力規制委員会の審査が長引けば長引くほど運転期間が延びることで、老朽化した危険な原発の再稼働に繋がることになることから、以下の質問に答えられたい。

質問1 中部電力は、GX脱炭素電源法(原発回帰束ね法)を、どう受け止めているのか答えられたい。とりわけ、長期管理計画(劣化評価、基準の適合など)については、どのように検討しているのか明らかにされたい。

質問2 中部電力は、浜岡原発3号機・4号機が再稼働した場合、何年の稼働期間を想定しているのか明らかにされたい。

質問3 原発の運転期間を原則40年と定めたのは、原子炉を作ったメーカーが停止期間を含めて部品や原子炉本体の経年劣化等を考慮したものだが、中部電力は3号機・4号機の経年劣化をどのように考えているのか明らかにされたい。

2、原発1号機・2号機の原子炉解体の問題について

 中部電力は、原子炉解体の作業着手を1年延期して2024年度からにすると本年3月に発表し、延期の理由を解体で生じる放射性廃棄物を効率よく安全に方法を検討するためとしている。廃炉計画は2009年に法律に基づいた申請を行って以降14年を経過しているが、中部電力は原子炉解体の作業着手を1年延期する理由を、「作業を進める中で放射能汚染の状況が詳しく分かるようになり、解体で出る放射性廃棄物の容器への詰め方を考え直す必要があると判断した」と述べている。

つまり原子炉本体の放射性廃棄物は、原子炉周辺の放射性廃棄物とは比べものにならないほど放射線による被ばくの危険性が高いためと推測されるが、以下の質問に答えられたい。

質問1 現在計画している、原子炉領域の解体作業に従事する下請け労働者の延べ人数を明らかにされたい。

質問2 放射線業務従事者の被ばく線量は法律で、1年で50ミリシーベルト、5年で100ミリシーベルトが上限と定められ、年間20ミリシーベルトを超えないように管理しているが、この他に中部電力として、原子炉領域の解体作業に従事する下請け労働者の被ばくを軽減する対策があれば明らかにされたい。

                    以上


2023年7月20日

中部電力株式会社社長 林 欣吾 様                  
                             ピースサイクル浜松 浜岡原発を考える静岡ネットワーク ピースサイクル神奈川ネットワーク

浜岡原発の永久停止・廃炉などを求める申入書

標記の件について、以下の申し入れを行うので真摯に対応されたい。

1, 中部電力は、浜岡原発の再稼働を断念し、3号機から5号機すべてを永久停止・廃炉にすること。           

2, 浜岡原発敷地内に保管中の使用済み核燃料などを、安全に管理できる場所を確保すること。

3, 中部電力は、原発の再稼働につながるテレビCMは取りやめて、CMの使用料を電気料金の値下げに回すこと。

4, 中部電力は、独占的利益を得ることを目的にしたカルテル事件を反省し、市民の意見を真摯に聞いて社会貢献する企業に生まれ変わること。

5, 中部電力は、原発の危険性を自覚して、市民の生命を預かっている企業の立場から、市民との対話ができる場を設けること。

 

以上