8・25 汚染水放出の中止を!


8/25浜松金曜行動



日本国首相様                                 2023825

                                          やめまい!原発・浜松

   

福島第1原発の汚染水の海洋放出の中止を求める要請書

 

 2023年8月24日、日本政府と東京電力は福島第1原発の汚染水(ALPS処理水)の海洋放出を始めた。私たちはこの放出の中止を求める。

 第1に政府・東電は「処理水」と宣伝するが、それは核燃料溶融部(デブリ)に接触した汚染水を処理したものであり、トリチウムのみならずストロンチウム90、ルテニウム106、プルトニウムなどを含む汚染水である。それを30年も海洋に放出することは放射性物質の海洋投棄であり、深刻な生態系破壊をもたらしかねかい。それは自然環境の破壊である。

 第2に政府・東電は「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」と言いつつ、一方的に安全を主張し、市民や漁民に十分な説明もないまま、放出を強行した。それは放出ありきの反民主的行為であり、主権者市民の権利を侵し、その尊厳を冒涜する行為である。

 第3に海洋放出への中国や太平洋諸国の国際的批判を受けとめようとせず、批判を反科学的な誤りのように喧伝していることである。30年も放出すると聞けば、周辺国が不安を抱くのは当然である。政府による海洋放出は新たな海洋汚染をもたらすものであり、世界の市民の生存権の侵害につながる。政府と東電による犯罪行為である。

 第4に政府は「全責任を持って対応」するというが、全責任など取れるものではない。いまだデブリ取り出しの見込みもなく、廃炉計画も見直しが求められている。福島第1原発事故の処理は100年先も続くだろう。事故の処理さえできずに、その責任は取られていない。なのにどうして海洋放出の全責任が取れると断言できるのか。発言自体が無責任だ。

 第5に海洋放出をめぐり、加害者を被害者とみなす偽りの宣伝がなされている。政府・東電は汚染水の海洋放出を行うのであるから加害者であるが、一部の新聞・学者は「風評加害者」なる用語で、海洋放出に反対する権利と運動を批難し、「風評」を広げて福島の復興を妨げるものと喧伝している。だが、この「風評」とは、放射能汚染の深刻な被害実態を隠蔽する用語である。

いまも政府・東電は福島第1原発事故による放射能汚染の責任を取らず、賠償を拒んで被害者に裁判を強いている。原発事故での加害の事実を認め、全被害者に賠償することから始めるべきである。海洋放出は新たな加害行為である。政府と東電は、福島第1原発事故の汚染の実態を隠蔽し、汚染水を「処理水」と偽り、反民主的・反国際的行為により、市民の「理解」のないままに放出を強行し、無責任である。

このような政府と東電による汚染水の海洋放出は今すぐ中止すべきである。