9・16大杉栄ら虐殺100年静岡集会

 2023年9月16日は大杉栄、伊藤野枝、橘宗一が憲兵隊で虐殺されて100年となる。この日の午前、静岡市の沓谷霊園にある大杉栄の墓碑の前で集会がもたれ、参加者が追悼の言葉を述べ、墓前に献花した。墓碑の前での発言には、この事件は甘粕による犯罪ではなく、国家権力による犯罪であり、その責任追及が求められる、軍による裁判は茶番であり、死因鑑定書によれば虐殺であることはあきらかである、事件は決着していないというものもあった。

 墓前での集会に続いて、午後、甥の大杉豊氏による講演があった。大杉さんは甘粕を憲兵隊の特高課長とし、軍法会議が偽装されたものであり、軍による組織的殺害を甘粕個人によるものにすり替えたと批判した。そして、大杉の思想と行動を「生の拡充」を起点とする社会革命の試みとし、その思想を個の尊重をふまえた反権力、相互扶助、自主自治とまとめた。
 集会でのおだやかな発言の背後に、おじの大杉栄の実像に迫ろうとする意思と同じ甥である橘宗一虐殺への強い怒りを感じた。 
                            (T)