2006年1月22日NO!イラク派兵・御殿場行動

県内各地から60人が集まり、イラク派兵第9次派兵に反対の声をあげました。
静岡・三島・藤枝・浜松の市民団体や労働組合からのアピール、神奈川からの連帯あいさつののち、市内をデモ行進しました。
 その後20人で板妻駐屯地へ行き、派兵反対の要請をおこないました。板妻から9次派兵の群長がでます。基地内には無事の帰還を求める大きな黄色い旗が翻っていました。
 箱根の山々は雪の稜線を描き、前日の残雪と寒波の中での行動でしたが、派兵反対の想いを駐屯地前で示しました。全国各地から要請文が届きました。

御殿場・板妻駐屯地イラク派兵要員の自衛官のみなさんへの要請書 

2006122

                        人権平和浜松  NO!AWACSの会

 板妻など各地からイラクへと派兵されようとしている自衛隊員のみなさん!わたしたちはみなさんに、イラクに行ってはいけない、とここに呼びかけ、要請します。

 今回のイラク戦争はアメリカによる侵略です。戦争の口実とされていた大量破壊兵器はなく、イラクと「テロ組織」とは無縁であることがあきらかになっています。日本政府はこの戦争を支持し、「人道復興支援」の美辞麗句でイラク派兵をすすめましたが、その誤りもあきらかになりました。日本政府がこの誤りを認めず、さらにみなさんをイラクに派兵しようとしていることに、わたしたちは強く抗議しています。

イラク戦争は国際法に反する犯罪であり、皆さんがそれに加担する必要は全くありません。不当な命令には拒否する権利があります。いまからでもおそくはありません。みなさんは「イラクには行かない」ときっぱりいうことができます。

自衛隊員のみなさん、みなさんは免許や就職のために入隊された方が多いでしょう。アメリカの劣化ウラン弾や燃料気化爆弾まで使う戦争を支援することは契約外です。みなさんは、イラク南部での米軍の陸上輸送ルートの確保と宣撫のために、「人道復興支援」の名で配置されているにすぎません。隊内で、この戦争は間違っている、派兵も間違いだと発言してください。戦場に向かわせておいて、「プライド」を語るもののウソを見抜いてください。

板妻第34普通科連隊はハワイで米軍の指導下で、市街戦訓練もおこなってきました。また富士には市街戦訓練場がつくられ、米軍とともに海外での市街戦闘をおこなう訓練がすすめられてきました。しかし、日本には交戦権を禁じた憲法第九条があります。そのため、イラクに派兵されても米軍と共同しての戦闘は今もおこなわれていません。それは9条がみなさんの生命を今も守っているということです。上官の中には改憲に加担する人がいるかもしれませんが、第9条こそみなさんの命を守る法律です。公務員には法を守る義務があります。隊内から断固として9条擁護の声をあげてください。

かつて、静岡の歩兵第34連隊はアジア各地への戦場へ派兵されました。侵略の戦場へと民衆を動員するために、軍神橘中佐が宣伝されてきました。この34連隊の名を受け継ぐ板妻駐屯地にはいまも橘中佐を賛美する像が置かれています。しかし、みなさんは、かつての天皇主権の軍隊と同質の軍事賛美が今もおこなわれるということ、それは営内での人権侵害につながるということを充分に理解していると思います。このような戦争の賛美に反対することがみなさんに生命を救います。駐屯地からいつわりの宣伝物を撤去しようではありませんか。

自衛官のみなさん、みなさんが銃口を向ける相手には、民族・宗教が違っても、親があり、子があり、兄弟姉妹がいます。サマワは戦闘地域ではないと派兵をすすめるものたちはにこやかに語りますが、イラク全土が戦闘地域です。みなさんが銃口を向ける相手は、民族は違っても同じ人間であり、みなさんの兄弟姉妹、親子です。米軍が多くの子どもを含む市民を殺し、収容施設などで市民を虐待していることは広く明らかになっています。そのような米軍を支援してはなりません。

わたしたちはみなさんの派兵に反対します。その声が、たとえみなさんがイラクに無理やりに派兵されても、みなさんを米軍の殺戮行動と同じ行動へと駆りたてず、かつ早期の撤兵を勝ちとる力であると確信します。みなさんは軍服を着てはいますが、わたしたちの兄弟姉妹です。みなさんの血を以て、利権を得るものたちをこそ、わたしたちは強く糾弾します。

この戦争自体が犯罪です。そのような戦争を支援するための誤った命令には、抵抗できます。それは自衛官を含めての市民の権利です。イラクに行くことは殺しあう関係へとみずからを追いやることです。わたしたちは派兵の中止と撤兵をもとめつづけます。

イラク戦争開戦前には1500万人の市民の反戦デモがあったことを思い出してください。帰還米兵のなかからは反戦を呼びかける兵士もあらわれています。

派兵対象隊員のみなさん!わたしたちはみなさんに呼びかけます。イラクに行くな!派兵は拒否できる!兄弟姉妹を撃つな!民衆に銃口を向けるな!

何度でも呼びかけます。イラクに行くな!派兵は拒否できる!兄弟姉妹を撃つな!民衆に銃口を向けるな!と。隊員のみなさん!戦争に反対し平和を求める市民・労働者と固く団結しましょう。

 

9次イラク派兵群長小野寺靖様           2006124日
                           富士を撃つな!実行委員会

9次イラク派兵群長への要請書

 2006122日の派兵壮行会の際、旭日旗を背景に「静岡を代表しての派遣に誇りを持って任務をおこなう」と群長が会見する記事が、翌日の静岡新聞に載りました。それを読み、要請書を送ります。

 群長は「第1に安全確保を重視」するといいますが、第1の安全はイラクに行かないことです。米軍の始めた無法な戦争に加担することによって、日本全体が戦時国家となり、自衛官に反戦を呼びかけるチラシを配ることが犯罪視されるようになっています。イラク派兵は自衛官の人権を侵すのみならず、市民の人権を侵害しています。群長が会見した日に、サマワ市街ではイギリス軍が交戦しています。サマワでは外国軍隊を占領軍とみなす動きがより強まっています。サマワはすでに戦闘地域です。非戦闘地域への派遣を決めたイラク特措法から見ても派兵は中止すべきです。

 群長は派兵準備司令を受けて、「光栄に思う」と言っています。戦場に行くことを「光栄」とすることには同意できません。復興支援であると政府は言っていますが、アメリカの軍事支配とイギリス軍の軍事防衛下での作業は、宣撫工作としての事業にほかなりません。「国際貢献」の美名で派兵を継続することは姑息なやり方です。非武装の別の国際援助事業を強めるべきです。自衛隊がイラクに出て行ってもたいした支援にはなりません。派兵の本質がイラク南部から北部にかけての陸の兵站線の軍事的確保にあることはあなた自身よくご存知でしょう。

 首都圏防衛の部隊のイラクへの派兵についても、群長は「疑問や動揺を感じなった」といっています。あなたは「首都圏防衛」を任務とする第1師団の34普通科教導連隊長ですから、疑問や動揺を感じないとしたら、それは長として見識・能力がないということにはならないのですか。おそらく内面ではさまざまな疑問を持っているのでしょうが、この間そのような気持ちを隠蔽して、派兵の積み重ねがあるのです。本当のことをきちんと言うべきと考えます。第1師団の派兵はおこなわずに東北から東海の部隊へと派兵がすすみましたが、その理由は第1師団が首都圏防衛のためにあるからと、報道されていました。第1師団の派兵自体に疑問を持ち、それを上申することも任務のひとつではないですか。

 群長は、サマワは全般的に安定していて「不安はない」とも発言しています。先に述べたように市街戦が始まっています。多くの県民が不安を感じています。隊員の「生きて帰ってきます」との壮行会での発言は不安を払拭するためのものにほかなりません。不安はないという群長のもとで、隊員の安全が本当に確保できるのですか。

「撤収については、何ら指示は受けていない」と発言していますが、報道されているように、すでに政府は撤収に向けての検討をはじめています。陸自が米軍と共同の戦闘をおこなってこなかったのは、米軍に対しての陸自のある意味での抵抗といっていいでしょう。戦争の口実のウソが明らかになっている今日、群長は撤収を具申すべきです。それが隊員の生命安全を守ることになります。死者を減らす行為が武器を持つものの努めではないですか。世界の市民がその決断を支持するでしょう。

群長はムサンナ県の反対する方々にも理解を得るように努力するとも発言しています。イラクの外国軍を占領軍とし、反対することは正当な自衛行為です。日本は出直して、本当の意味での復興支援策を再検討すべきです。これまで派兵してきましたが、まだイラク人と調節交戦してはいません。交戦前に撤兵することが、第1に求められているのではないでしょうか。

群長は板妻のイラク兵要員全員が「希望者」であるといます。しかし、希望と記すような誘導があるのではないでしょうか。「熱望していた」「ぜひ行きたかった、自分の安全は心配していない」「クールに任務を達成」と人前で語るほどまでに隊員はコントロールされているよう思います。

最後に、静岡県を代表する部隊として「誇り」を持って任務に就く、「安心して応援していただきたい」と発言しています。あなた方はスポーツの選手団ではありません。軍事組織を県の代表として、県民が選出したことは一度もありません。派兵は応援するような対象ではありません。殺し殺しあわされる関係へと県民でもある自衛隊員がおいやられた時に、主権者であるわたしたちができることは、派兵の中止と即時の撤兵を求めることです。それが群長をはじめ自衛隊員のみなさんの生命と守ることになると思います。

かつての戦争では、静岡歩兵34連隊から多くの部隊が、アジアの「共栄のため」「解放のため」の美名で派兵されました。そしてアジア各地の戦場で多くのアジア民衆を殺害し、またみずからも死体の山を築きました。そのような美辞麗句で派兵された兵士の生命は、鴻毛よりも軽くあしらわれたのです。軍神橘中佐は戦争動員と戦争賛美の象徴でした。今再び静岡から、不安はない、派遣は志願してのもの、復興支援・国際貢献だから、と自衛隊員のみなさんが派兵されようとしています。

わたしたちは板妻などからの派兵の中止を強く要請するものです。群長ぜひ、真実を見極め、本当の気持ちを、派兵の中止を具申してください。

富士を撃つな!実行委員会

平和と人権のための市民行動・NO!AWACSの会