2008年5月26日、静岡県に対して以下を申し入れました。清水合同、ユニオン仲間、中部地区労、県共闘、平和市民ネット、平和と人権のメンバーが参加、40分交渉しました。「3日間の米艦乗組員の行動がまだ決定していない」との県の回答にはビックリしました。納得がいかないので、30日の入港時に「抗議文」を手渡したいと通告しました。5月30日には入港に抗議しました(参加者の報告)。
 

                      2008年 5月26日

静岡県知事  様  静岡県港湾局長 様 
     
             清水合同労働組合
  ユニオン仲間(清水)
                    静岡県中部地区労働組合会議   静岡県労働組合共闘会議
                 9条を世界へ!平和市民ネットワーク 平和と人権のための市民行動                                           
                        NO!AWACSの会浜松

    米艦ブルーリッジによる清水港使用の中止を求める要請書

 2008年5月30日から6月1日にかけて、米第7艦隊旗艦のブルーリッジが清水港を使用しようとしています。これは1990年代後半からの日米の軍事的一体化をすすめる動きによるものであり、今回で6回目の米艦の清水入港になります。

 わたしたちはこのブルーリッジの清水港使用の中止を求めます。

 揚陸指揮艦ブルーリッジは横須賀に拠点を置く米第7艦隊の旗艦です。ブルーリッジは1979年から横須賀に配備され、湾岸戦争やイラク戦争に参加し、第7艦隊を指揮してきました。ブルーリッジ指揮の下で第7艦隊駆逐艦が発射したトマホークや空母から出発した艦載機の爆撃によって、多くの民衆が殺されてきました。そのような戦争の指揮を執ってきたブルーリッジの清水港の軍事利用は、市民の平和的生存権を侵すものです。

 ブルーリッジは『友好親善』を寄港の口実としていますが、それはグローバル戦争にむけての、日米の軍事的一体化にともなう米艦の民間港湾の軍事利用にほかなりません。米艦側は『友好親善』を語っていますが、興津埠頭は立ち入りが禁止され、寄港に反対する平和を求める市民の声は米兵から遮断されています。

 2008年2月にブルーリッジは小樽港に入港しました。この入港は、小樽市が民間船舶のバース利用があるために拒否したにもかかわらず、日米政府が小樽市や民間会社に圧力をかけ、予定民間船舶を排除しておこなわれました。この入港は、佐世保に原子力空母ニミッツが入港し、石狩・博多・鹿児島・長崎に米イージス艦を入港させるという動きの一環でした。空母ニミッツを中心に日本列島の港湾の軍事利用がおこなわれたのです。この動きは「ミサイル防衛」を口実にしての日米の軍事的一体化とつながっています。

 アメリカは西太平洋に、横須賀の空母キティホーク攻撃群とともに、もうひとつの空母攻撃群を展開させています。今回は、空母ニミッツ攻撃群を展開させて軍事訓練をおこなってきましたが、佐世保は横須賀と並ぶ空母の展開拠点となり、この展開にあわせて各地の民間港湾が軍事利用されてきました。2007年2月に清水にイージス艦ラッセンが寄港したときは空母ドナルドレーガンの動きに対応したものであり、2006年5月に清水にイージス艦シャウプが来たときは空母エイブラハムリンカーンの動きの一環でした。

 

 今回の旗艦ブルーリッジの清水港の使用はこのような空母群の移動に伴うものです。ニミッツ空母群は2007年4月から9月までイラク・アフガン戦争に動員され、2008年1月から5月までは西太平洋地域に派遣されてきました。米軍のグローバルな即応展開がおこなわれていますが、ブルーリッジの清水の港湾使用はこの2空母群の展開の一環です。5月21日から26日にかけて高知・宿毛港をニミッツ空母群のイージス艦オカーンが、徳島・小松島港を同群のフリゲート艦ルーベンジェームズが利用していますが、これらの艦の寄港はハワイから佐世保を経ての利用であり、民間港湾の軍事利用にむけての行動です。

 今回のブルーリッジの清水寄港は、グローバル戦争にむけて日本の港湾を軍事利用し、平和である海を戦争の海へと変えていくという軍事行動の一環であり、民衆の平和的生存権を侵害するものです。私たちはここにブルーリッジの清水寄港の中止を強く求めます。