2006年3月プルサーマルに関する要請 県と中電へ
静岡県知事 石川 嘉延 殿
静岡県企画部エネルギー対策室長 望月 勝広 殿
静岡県防災局原子力安全対策室長 對木 富士雄 殿
2006年3月1日
プルサーマルに関する申し入れ書
浜岡原発を考える静岡ネットワーク
代表 長野 栄一
これまで私たちは再三にわたり、中部電力プルサーマル計画に関して住民としての要請や意見を静岡県に対して出してきましたが、それらが反映されることなく計画は着々と進められていく情勢となりつつあります。
昨日2月28日には、御前崎市・
浜岡原発に関しては、シュラウドのひび割れ事件の後もさまざまなひび割れが確認され続けており、県民としては不安がつのっています。最近発見された制御棒の被覆材料ハフニウムのひび割れに対しても、当該制御棒を挿入し40万KWもの出力低下の状態で運転することを断行していますが、これについても前例のない判断でありその安全性については確認されたものではありません。このように、「安全を第一に」という立場を逸脱した姿勢はさらに信頼性を欠くものです。
県として、原発の立地を容認した責任上充分な監督・指導をするべきです。
県民のいのちと財産を守るため、以下の項目について要請します。
1.
県民が納得できる形での「プルサーマルに関する公開討論会」を、各所で開催すること。
2.
安全協定の見直しが完了するまで、プルサーマルの国への申請をしないことを、中部電力に対して要請すること。
以上
中部電力株式会社 川口 文夫 殿
2006年3月1日
プルサーマルに関する要請書
浜岡原発を考える静岡ネットワーク
代表 長野 栄一
貴社が計画しているプルサーマルは、宣伝されているような資源の節約や必要性はなく、多くの課題を背負っているものであることを、これまで指摘してきました。特に、ウラン燃料でさえ処分に困っていることに加え、MOX燃料の処分について全く先が見えていないことは大きな不安材料です。さらにコスト面でも損失が多く、BWRでの運転実績が少ないことから安全性にも問題があります。国際公約で余剰プルトニウムを持たないことを実行するのならば、原子力による発電をやめるべきです。
全国のどこの原発サイトでもプルサーマルの実施が難航している中、浜岡原発においては東海地震が必ず到来するという特殊な立地条件にあることを、格段に留意しなければならないはずです。ひとたび事故が発生した場合の被害は、放射能災害という広範囲で長期的な災害となることが明らかであり、これに地震災害が複合する可能性は大きく、取り返しのつかない事態となる恐れに対し、住民として日々大きな不安を持っています。
昨日2月28日には、御前崎市・掛川市・菊川市・牧之原市の協議会において、貴社のプルサーマルの国への申請に関して容認の態度が示されました。安全協定の見直しもせず、住民への説明も不十分なまま、国へ申請することは住民無視の姿勢でありとうてい納得のいくものではありません。私たちは行政主催の公開討論会などにより、住民の民意を反映させた上での判断を要請してきましたが、それも実現されておりません。県民・住民の意見を充分聞き取る姿勢が何より必要であると考えます。
よって、次の項目について要請します。
1.
安全協定の見直しを行うこと。
2.
行政主催の公開討論会等による住民の理解を得られるまで、国への申請をしないこと。
以上