200845日掛川
「東海地震と浜岡原発、そしてプルサーマル」集会

200845日、掛川市内で浜岡原発を考える静岡ネットワーク主催の講演会が小出裕章さんを講師にもたれた。小出さんは「原発は危険、浜岡原発は最高に危険、プルサーマルはさらに危険を増やす」という題で、浜岡原発とプルサーマルの危険性を解説し、「原子力発電に夢はない」「原子力は自滅するが、止めないと大きな事故になる」と市民の声で原発を止めることを呼びかけた。


          

講演で印象に残った内容は以下である。

1957年にアメリカの原子力委員会が、大事故が起きれば最大で70億ドルの財産損害を生むと想定し、損害賠償のためにプライスアンダーソン法ができた。日本でも1961年に原子力損害賠償法が制定された。東京電力は自分の給電範囲内に原発を作れなかった。日本の原子力安全委員会は、2000年度に『原子力安全白書』で「安全神話」を批判している。浜岡原発は東海地震の想定震源域の中心にあり、マグニチュード8から8.5の地震は広島原爆1000発から5000発分に相当し、危険である。プルサーマルには実績と呼べるほどのものはなく、再利用できるプルトニウムはわずか。経済効率も悪く、毒性も強い。プルサーマルはやればやるだけ危険であり、やればやるだけ破綻する。長崎型のプルト二ウム型原爆は、原子炉でウランを燃やし、プルト二ウムを再処理することで作った。原子炉の出発は軍事利用である。高速増殖炉でプルト二ウムを利用しようとする核燃料サイクルの計画は破綻し、45トンものプルト二ウムをため込んでいる。これは長崎型原爆を4000個もつくることができ、世界の脅威になっている。この余剰プルト二ウムを始末するためにプルサーマル計画がたてられているが、人々の安全が犠牲にされている。原子力発電所では、100キロワットを得るためには300キロワットのエネルギーが必要で、このうち3分の2は海に放出されていくから、「原子力発電所」ではなく「海暖め装置」である。原子力発電所の建設では三菱・日立・東芝が利益を得てきたが、日本での建設が止まると、中国などへの建設を進めている。いまや原子力の凋落は決定的である。(以上要約)

 20042月末に周辺4市が浜岡原発でのプルサーマル受け入れを容認し、県も受け入れを表明した。しかし、原子力発電の自滅と凋落に歯止めをかけることはできないだろう。原発が地震や事故で止まるのではなく、原発を市民の知性と良識で止めよう。            

T