中部電力社長様                   2005年10月2日

静岡県知事様                    人権平和・浜松     
                 



中部電力による浜岡でのプルサーマル計画と事故時の通報基準の改悪に抗議し、

                           安全協定の見直しを求める要請書

 2005年10月1日から、中電は事故時の公表基準を変更しました。この変更
は、排気筒からの放射能流出については速やかに知らせる、とはあるものの、火災事
故(注・誤作動時)などについては「速やかに知らせる」から「夜間時は翌朝」、「微小な
漏えい」は公表対象からはずすということがらを含むものです。これは通報基準の改悪
です。原子力発電の事故についてはいかなるものも速やかに公表すべきであると考え
ます。全事故に対して速やかな公表こそ求められています。

 9月、中電は「中部電力では2010年から浜岡原子力発電所4号機でプルサーマルを
実施することといたしました」と、一方的にプルサーマルの実施を新聞広告で発表し
ました。しかし、1号炉は2001年11月に配管爆発破断事故を起こし、今も動か
すことができずに実質的に廃炉に向かっています。他の炉でもデータ改ざん発覚、
ジュラウドひび割れ、放射能漏れ事故、労働者被曝が続いています。さらに東海地震
が起こるといわれるなかで、浜岡原発での重大事故の危険性が憂慮されています。も
んじゅ爆発事故・東海村事故・動燃爆発事故など重大事故がつづいている核燃サイク
ルこそ見直すべき状況のなか、国と中電はプルサーマル実施に固執しています。その
ような核燃サイクルのもとでのプルサーマル実施政策は、地域に核汚染をもたらしか
ねないものであり、即中止すべきであると考えます。

 原子力発電については、本来地域住民や自治体の意見を充分に聞いてから発表すべ
きです。一方的な、地域住民を見下す新聞に対して、ここに強く抗議します。自治体
との安全協定に「事前了解」の項目がないのは中電・静岡県のみです。これまで、中電
は地域に金をばら撒き、住民対して一方的な行動をとり続けてきました。中電は30
年余にわたり、浜岡で原発推進を強行する基盤をつくってきましたが、三重では住民
のたたかいによって原発建設は阻止されています。原子力発電に関する施設設備の変
更については、行政・住民に対する充分な説明が不可欠です。今すぐに「事前了解」
条項を入れる方向での話し合いをはじめるべきです。

 以上の趣旨に沿って、中電・県が以下について行動するよう要請します。

1 中電は全事故について速やかに公表すること、県は中電が事故隠しをおこなわな
いよう要請すること

1 中電はプルサーマル実施を中止すること、県は中止を要請すること

1 中電・県は、安全協定に「事前了解」事項を入れること

1 浜岡での原子力発電の停止、現存原子炉の停止に向けての作業をはじめること