静岡県知事様 2004年8月15日
浜名湖園芸博協会長様 人権アクション浜松
昭和天皇自然館の閉館などを求める要請書2
前回、以下の項目で要請したところ、いくつかのことがらがわかり、その後協会から「回答」が来ました。その回答はきわめて不十分なものであり、その後の調査を踏まえ、再度要請項目への回答を要請します。
6月人権アクション要請項目
秋篠を名誉総裁とした経過を提示すること。
会期中天皇族への出費があるのならば、その額を提示すること。
天皇族を頂点とする運営は主権在民に反するものであり、秋篠は辞任すること。
今後の花博開催において天皇族を役員としないよう規定すること。
昭和天皇自然館設立までの経過を明らかにすること。特にその発案経過と展示内容の決定過程について明らかにすること。
この館の建設にかかった費用と会期中に館の運営にかかわる費用を明らかにすること。
天皇裕仁を賛美するこの館を閉鎖すること。
当面、「大元帥としての教育が目的でしたが」とする記述を、「大元帥としての教育が目的であり、その教育を受けて戦争を指導した」と書き直すこと。「エコロジスト昭和天皇」と呼ばれたとする記述を消し、天皇の戦争責任を問う声があったことを記すこと。裕仁を「崩御」と神として扱う記述をやめること。その他「御親筆」等過度の敬語についてはすべて書き改めること。
この館は会期終了にともない撤去すること
航空自衛隊の日を設定した理由を明らかにすること。発案責任者を示すこと。
ブルーインパルスの飛行依頼経過を明らかにすること。
3自衛隊の軍楽隊の行進を設定した理由を示すこと。
今後は自衛隊関係の企画を設定しないこと
池田大作展問題への見解をあきらかにすること、8月の展示は中止すること。
天理教、PLの行進についてその出場経過を明らかにすること。
花博協会は政教分離について運営上の見解を示すこと。
学校への強制動員の指示を撤回すること
7月の要請交渉でわかったこと
天皇館は仮設の建設物である。跡地は県の都市公園となる。
公園として残るのは運河より東の部分。文化創造館やステージは常設の建設であり残るが、仮設系の建物は壊す方向にある。天皇館の今後は未定。
協会の職員は約120人・嘱託は20人。内訳は県からの派遣が75人、市町村からが27人、残りが民間企業から。委託業務の警備や清掃ほか、花博内での営業関係者など計2500人が働いている。
天皇族は、秋篠が開会式と参観に2回、高円妃が一度訪れた。後一回訪問する予定。警備は自然体でやってほしいといわれている。
7月末の協会からの「回答」
「浜名湖花博は「花・緑・水〜新たな暮らしの創造〜」をテーマに潤いに満ちた真に豊な暮らしづくりを国内外に情報発信するものであります。来場者の皆様にはユニバーサルデザインなどに配慮した快適な環境で花博を楽しんでいただけるよう、多くの県民の参加、協力を得て、花緑の様々な展示や各種イベントなどを開催しています。
こうした展示や各種イベントなどの企画・選定等にあたりましては、開催テーマにふさわしく、かつ来場者に楽しんでいただける魅力的なものであることを基準として、公正に行なっており、特別な目的や意図を持って企画・選定等をしているものではありません。
開幕以来、既に300万人を超える多くの来場者が訪れ花博を大いに楽しんでいた
だいておりますが、今後とも、来場者の皆様に喜びと感動を与えることができるよう
努力してまいります。」 (静岡県企画部長・静岡国際園芸博覧会協会事務局長)
8月の当会調査から判明したこと
この経過を見てわかるように、県・協会からの回答は、具体性がまったくなく、「公正」「特別な目的・意図はない」といっているにすぎません。当会が直接、関係者に問い合わせたところ、以下のことがわかりました。
花博の造成・テーマ館建設等にかかった経費は約40億円。
花博全体の運営費は約160億円。県は約30億円を助成している。協会への県からの出向職員は協会職員の7割ほどとなる。(県による)
天皇館の展示内容は協会が決定した。天皇館の展示責任は屋内展示課にある。花博協会から電通に委託され、電通が内容を企画し、協会屋内展示課が内容の検討をした。(県・屋内展示課による)
「昭和天皇の植物研究は花博と一致する部分がある」「植物研究だけを考えると花博にふさわしい」「植物研究以外には触れない、触れると趣旨が異なってくる」とし展示内容が決まった。(屋内展示課による)
天皇館の建設費は7050万6450円。(施設管理課による)
県からは花博にいくように「お願い」を関係部署におろしている。(県による)お願いが関係部署では指示として扱われる。
スズキ自動車から
学校行事としていくので子どもには強制となる。小学校では7月に入っての行事となり、子どもの健康管理が大変だったところもある。高校では入場は無料、バス代は花博関係から補助金が出た。(保護者による)
8月13日から26日までの池田大作展は開催する。作品そのものは「花と緑」であり宗教色はない。(催事部による。担当者の言葉から政教分離についての理解が薄いと感じた。)
マーチングについてはマーチング連盟と各団体に声をかけた。担当は花博の催事部。催事部の担当者は自衛隊・宗教団体の楽団も「音楽」として依頼した。(催事部による。その音楽の志向や趣旨については考えようとしていない。当会の要請文ついてはその内容等知らなかった。)
よって再度要請します。
6月の前回要請諸項目について、当会調査での判明点を踏まえて、文書で誠実にひとつひとつ回答されることを要請します。回答できない項目についてはできない理由を示してください。特に、昭和天皇自然館建設にあたっては、天皇を賛美しようとする人々の「特別な目的・意図」が建設立案の過程で入り込んでいると考えます。どのような経過で建設に及んだのかここでぜひ明らかにしてください。なお、花博のようなイベント自体不必要とも考えます。今後は中止を提案してください。