5・1浜松ベアテ・シロタ・ゴードンさんの講演

 

2005年5月1日、勤労会館でベアテさん(82歳)の講演会があったので聞きにいった。600人が参加した。ここではかの女の話を聞いて感じたことをまとめておきたい。

 @ベアテさんは5歳から15歳まで日本にいたが、封建的家族制に服従し、無権利な女性たちの姿を見た。このイメージが、家族生活での個人の尊厳と男女平等という条項につながった。

Aかの女はのちアメリカの学校で学ぶが、そこで学んだことを社会に還元するという視点を内面化した。また女性を大切にする視点も確立した(社会性とフェミニズム)。

BGHQ民生局の極秘指令で憲法草案作成作業をおこない、各国の憲法を調査し、女性の権利や社会福祉についての草案を記した。日本政府は天皇制に固執し、この男女平等の条項に対しても『日本の文化に合わない』と反対した。

C憲法は押し付けられたものではなく、望んでいた権利を獲得したのである。

D書かれたものが実際に生活の中に生かされていくことが大切であり、権利の実現には長い年月が必要だ。今日本の女性をみると、かつての女性のように服従していない。女性たちの姿を見ると女性の権利が生きていることを感じる。

E当時草案作成時、わたしは22歳だったが、6ヶ国語を理解し、世界を歩いていた。『22の小娘』なんかではなかった。

かの女の発言は、社会的連帯と女性の権利実現の視点にたっての、80年余の体験からのものであり、権利を基礎にしての社会批判であった。その発言は、天皇制を『国柄』とし「権利ばかりが記されていすぎる」といって「憲法改正」を語り、憲法の人権理念を侵害しようとする者たちへの鋭い批判となっていた。            (T)