日本国首相様 2006年8月15日
人権平和浜松
ＮＯ！ＡＷＡＣＳの会
８・１５首相靖国参拝に対する抗議要請書
本日首相は靖国神社に参拝しました。わたしたちはこの行為に強く抗議し今後の首相や閣僚の参拝の中止を要請します。
靖国神社は過去の侵略戦争での戦死者を神として祀るものであり、戦争遂行のための国家神道による精神的柱でした。民営化された今も過去の戦争を正当化し、死者を英霊として賛美顕彰し、さらに戦争犯罪人をも祀っています。
今回の首相の参拝は、過去の侵略戦争と植民地支配を正当化する歴史認識を内外に示すものであり、それは更なる戦争の準備につながるものです。また、憲法の政教分離に反することは、裁判で確定したところであり、首相として遵守すべきです。
過去の戦争を正当化する行為に加担し、憲法と参拝違憲判決を無視し、アジアからの批判を顧みることなく、参拝を繰り返す行為はおおきなまちがいです。首相は戦争責任をこそ、その行為と制度で示すべきです。
靖国では戦争と死が賛美されています。わたしたちが求めるものは平和と生です。靖国の論理とはまったく逆です。過去の植民地支配と侵略戦争によって日本人を含めアジアの民衆の死者は2000万人を超えました。たくさんの死者と遺族を生んだのです。そのなかには、戦争遂行神社であり、今もそれを正当化する神社への呪詛が強くあることを首相は知るべきです。わたしたちはその呪詛の声を理解します。そして、この神社への参拝行為を強く糾弾し、新たな戦争準備と派兵への抵抗を決意するものです。
２００６年８月１５日 東京・反「靖国」行動
８・１５午後に、東京で首相の靖国参拝に抗議し、国家による「慰霊」に反対する２００人ほどのデモがおこなわれたのだが、次のような風景が繰り広げられた。
日の丸の団扇を振り上げて「靖国万歳」を叫ぶ、「英霊を冒涜するな、反逆者は帰れ」「日本から出て行け」と叫ぶ、宣伝カーから「殺せ！殺せ！」「腹切れ！腹切れ！」の大音響で怒鳴る、数本の旗竿を掲げて反靖国デモへの介入を試みる、数人でデモ内に突入して蹴り上げる、その都度、これらの天皇主義者を規制するために警察官が走り回る、多数の右翼宣伝カーを規制して機動隊車両が横付ける・・・。このような風景がこの国の現実であるわけである。
靖国神社に近づくにつれこれらの行為が激しくなる。靖国は今も天皇主義右翼のよりどころである。この神社に国家として賛意を示すものが首相の８・１５参拝である。この日首相小泉は朝駆けの参拝をおこなった。また、参拝者は「２５万人」という。
デモ前には
さて、集会では、当たり前のことを言うのに勇気がいるというこの現実を問うべきであり生きている意味が問われること、沖縄での「援護法」を適用するために靖国に取り込まれてきた歴史への反省、靖国は国家的なカルトであり、それに厚生省・国家が関わっていることの誤り、靖国神社は戦争を正当化し、いまも戦争動員の装置であること、精神性への想いなき者が政治していることへの怒り、戦争責任を取らなかった裕仁はＡ級戦犯を批判できないこと、被害だけでなく加害責任を問う平和運動の重要性などが語られた。
靖国は戦争へと多くの人間を動員して死を強いた。さらに死者をも奪い続け、遺族をも「靖国」に組み込んできた。そのような風景を見せつけられてきたからこそ、呪詛を含んだ「靖国」への批判意識が形成されてきたわけである。しかし、親族に死を強いたものにひれ伏す行為は今も続いている。このような「靖国」を克服し得ないところに、この地の精神的な貧困があるといわなければならない。 （竹）