プラウシェアー〜トライデントそしてAWACS〜
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トライデントプラウシェア2000(TP2000)
『イザヤ書』には「人々は剣を打ちて鋤となし、その槍を鎌となさん。国は国に対して剣をかざすことなく人々は戦に備えることなからん」とある。鋤は英語で「プラウシェアー」という。“剣を鋤へ”は平和運動のスローガンのひとつでもある。
核ミサイルを装備した原子力潜水艦トライデントを「プラウシェアー」にしようとする
反核グループがトライデントプラウシェアー2000(TP2000)である。
1999年6月8日、このグループの3人の女性が、スコットランドのゴルツ湖にある原潜施設に入りこみハンマーでコンピューターシステムなどを破壊した。10年の刑を覚悟しての「非武器化」の直接行動だった。この行為に対する判決がスコットランドのグリーノックという町の裁判所で99年10月21日に出た。
判決は核兵器は国際法違反であり、行動は核使用という巨大な犯罪を防ぐための正当な行為であり、無罪とするというものだった。
この判決は21世紀にむけての歴史的判決であった。
TP2000の資料から、TPの思想や行動スタイルについてまとめておこう。帝国の戦争マシーンと抵抗しつづけるためにも。
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非暴力直接行動と市民的不服従
行動の基底にあるのは市民的不服従と非暴力直接行動の精神である。積極的な非暴力をかかげ、非武器化の行動派、公開・安全・論理明解・責任をもっておこなわれる。この行動の倫理としては、地球的市民権の行使と市民としての責任の自覚がある。
非武器化の諸行動は積極的な非暴力直接行動として、人の命は尊重される社会の実現をめざしておこなわれる。それは市民的不服従の表現でもある。
国際法に違反する核の撤去を政府がおこなわない場合は民間による「補正」行為をおこなう。そうすることで地球市民としての責任を果たすのである.基地への侵入は市民として権利の行使であり、責任をはたす行為なのである。
核による殺りくの脅威は道徳に根本から反するものであり、このような無責任な国家暴力とたちむかい、この犯罪行為(非合法行為)を中止させることは正義の実現である。
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地球市民による非武器化と責任の行使
非武器化には道徳的合法性があり、その行動は国際的な正義の実現である。真の犯罪者
こそ審判をうけるべきだ。世界共同体の責任あるメンバーとして、地球市民として、体制による人間性への犯罪をとめていこう。
核が違法であることを知り、それを防止する行動をとらないならば、それは潜在的犯罪であるし、不正への加担となる。
財産への損害(=核への攻撃)が重大な犯罪を防止するための手段としてあるのなら、その行為は虐殺の防止のためであり、合法・正当である。
極悪な大量殺りく兵器を廃絶し、武器を創造的な生活に役立つ資源につくりかえていく。政府がやらないのなら市民がそれをおこなう。生命の尊重に敵はない。行動メンバーの氏名は公開する。非武器化は生命を守り、正義を実現する行動である。爆弾ではなくパンを。
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AWACS・プラウシェアー
3人の女性のひとり、アンジーゼルダーさんが3月、来日した。かの女のスピリットを感じたかったので話を聞きにいった。
アンジーさんはTP2000の活動を、スライドを示しながら話した。96年にイギリスからインドネシアへと輸出される予定たった戦闘機をハンマーでこわして阻止し、無罪をかちとった経験もある。
スライドには基地のフェンスを切る市民、基地前道路の封鎖、基地前コンサート、スコットランドの踊り、フェンスをのぼる神父、座りこみ、横断幕、フェンスに鎖で体を固定する姿、基地内建物へのペンキでの表示、などがあった。
そこには生命の尊重を基礎にして核兵器配備に反対し、国家犯罪とたたかう市民の姿があり、生き生きとしていた。TP2000の表現から学ぶことは多い。
戦争マシーンとそのシステム化がすすむ今、“AWACSプラウシェアー”の運動をたやしてはならない。
憲法9条を犯す非合法国家こそ問われるべきだ。
空の司令塔として使われ、殺人の指揮をおこなうAWACSに反対するNO!AWACSの行動は合法的正義であり、地球市民の道徳的責任をはたすものである。
ひとつひとつの行動のつみかさねが解放領域を拡大していくと考える。
(竹内)