2000年5月25日
浜松市教育委員会様                 
浜松市立有玉小学校長様

                                 NO!AWACSの会
                                   浜松市民ねっと
                     
要請書

 私たちは平和・人権・環境をテーマに活動している市民グループです。有玉町の市民から「小学校の遠足で自衛隊の広報館に行ったようだが、親として軍用機を子どもに学校教育で示すのは困る」という相談がありました。有玉町上空は自衛隊機の進入路であり、AWACS配備後、騒音は倍増しています。市民のなかには浜松の実戦基地化への批判の声があることは消すことのできない事実です。
 当会で調べたところ、5月17日、有玉小学校の5年生の遠足で4グループほど(約20人)がグループで浜松広報館をおとずれたようです。
 私たちは広報館を遠足の対象としないよう昨年秋にもうしいれたところです。広報館は子どもたちに軍服(戦闘機服)を着用させるコーナーがあったり、シュミレーションで戦闘機体験をさせたり、軍機グッズを販売したりしています。それらは子どもたちを戦争や軍隊にならすものです。旧軍のゼロ戦や旧軍人の像(「雄風」)などもおかれ、過去の戦争を批判したり、現代の軍拡を批判する展示はひとつもありません。私たちはこの像の展示をこの一年間批判しつづけてきました。私たちはこのような広報館へと小学校の遠足がくまれたことに抗議するとともにこのような事態が2度とおこらないように学校側が対応をとることを求めます。
 私たちは子どもたちが戦場に送られないような社会と教育をねがいます。「平和で民主的な人格の育成」は教育の使命です。
 「子どもたちを再び戦場に送らない」は教職員の共通のおもいではないかと考えます。子どもたちに戦争や軍隊を「かっこいい」とおもわせてはいけません。平和を創造し生命の大切さを感じることのできる人間づくりをすすめてほしいと思います。
 以上要請します。





(中日新聞5月26日朝刊より)
浜松広報館への児童訪問避けて
                   市民団体が要請


 浜松市内の小学校の児童が体験学習の一環として航空自衛隊浜松基地(浜松市西山町)の浜松広報館を見学していたことが分かり、市内の市民団体が二十五日、同校と市教委に対し、遠足などで同館を訪れることがないように要望した。
 要望したのは平和や人権などをテーマに活動している「NO!AWACSの会」と「浜松市民ねっと」。
 同校や市教委によると、今月十七日、小学五年生の児童四人ずつ、四グループが体験学習の中で市博物館などとともに浜松広報館を訪れたという。同校では、児童が自分たちで見学先を決めて、公共施設や自然探索地などを訪れる体験学習を実施しており、二十四グループのうち四つが同館を訪れた。訪問先は担当教員も了解していた。
 両市民団体は、「広報館は子どもたちに軍服を着用させたり、シュミレーションで戦闘機体験をさせていて、子どもたちを戦争や軍隊にならすもの」などと主張し、教育活動で広報館を訪れることがないよう要請した。
 要請を受けた同校の校長は「今後は慎重に対応したい」と説明。市教委指導課は「保護者の願いを尊重した上で、体験学習の目的が達成できるような場所を選ぶよう学校側に伝えた」と話している。