防衛庁長官様
浜松基地司令様
警戒航空隊司令様
浜松広報館長様
2000年10月
浜松基地隊員様
要請書 N0!AWACSの会浜松
日米新ガイドラインにより日米の共同作戦体制が日々強化され「周辺事態」という実戦にむけての訓練がつぎつぎにおこなわれるようになりました。今年4月から実戦運用された浜松基地のAWACSはついに8月末の空の日米共同訓練に参加しました。今後、日米共同訓練があるたびに米軍カデナ基地のAWACSのように浜松の空自のAWACSも訓練に参加することになるようです。AWACSの情報収集から戦争が始まり、AWACSから空爆が指揮されることにもなりかねません。AWACSは日米共同訓練に参加させてはいけません。
私たちは皆さんによびかけます。憲法は戦争を否定し、交戦権を否定しています。
周辺事態という名の戦争への参加は誤りであり、絶対に参加してはいけません。自国の法を守らぬ軍事組織は無法の集団であり、国際社会での信頼はえられません。司令は、「国体」や「神の国」を語る政府の下で、まちがった戦争に隊員を参加させてはなりません。
AWACSの飛行にともない騒音地域は拡大し、市民からの苦情や不安の声はたかまっています。空の司令塔として実戦の中枢を担うAWACSを歓迎する市民はほとんどいません。かつて浜松は陸軍の空爆・毒ガス戦・特攻作戦の基地でした。浜松の工場は軍需工場となり1945年の大空襲では3,500人以上の市民が空爆で殺されました。陸軍航空部隊の隊員も天皇の政府の命令で、アジア各地を空爆し、人間を殺し自己も命を失っています。このようなことをくりかえしてはいけません。私たちは軍拡よりも軍縮を強くもとめます。AWACSの飛行は中止すべきです。
9月末浜松市議会は、市民の不安や反対の声をふまえて、空中給油機の導入配備に「慎重」を求める意見書を全会一致で採択しました。決議では、空中給油機の導入・配備に市民が不安を持ち、「大きな社会問題」となるとしています。自衛隊が他国の領域を攻撃する能力をさらにつよめる空中給油機の導入を市民は望んではいません。空の司令塔や空のタンカーの配備は求めてはいないのです。対地攻撃機であるF2やパトリオットの教育や訓練を浜松基地ではおこなっています。このようなハイテク兵器を用い、アメリカ軍と一緒になってアジアの人々を殺していく行為はやめてください。
昨年の基地祭で反対の声を無視して、ブルーインパルスの曲技飛行の再開を基地側は強行しました。そのとき基地側は、T4の性能はよく「絶対安全だ」といいました。しかし松島基地近くで7月2機が墜落しました。原発近くの飛行禁止区域を飛んでいた事実が明らかとなり、宮城県民から抗議され、飛行ができていないではないですか。もう2度と浜松の空で「ブルーインパルス」の飛行をしないでください。
空自の浜松広報館では、子どもたちに飛行用軍服を着用させ、写真をとらせて「カッコイイ」と思わせて宣伝し、戦闘機のシュミレーションであそばせ、「きみはベストガイだ」などと戦闘意欲をあおっています。このような形で戦闘を賛美し、子供たちを戦場へと招待するような館は平和への感性を奪うものです。子どもたちには「命が宝」の感性を育てるべきです。このような館の展示は即時中止し、戦闘を賛美するような館を閉鎖すべきです。
浜松基地内の資料館では、天皇制国家による過去の侵略戦争で基地から出撃して戦死した人々を「国土防衛に忠誠を捧げ」た人としています。このことは基地が今も過去の戦争を反省しないで、隊員に「教育と広報」をつづけていることを示しています。
現在、政府は「ガイドライン」「メカニズム」「周辺事態」などとたくみに言葉を操って戦争の準備をすすめています。愚かな政治指導者の用いる美辞麗句に操作され、戦争に動員したり、動員されたりすることはもうやめましょう。戦争や差別のない社会をめざし、市民と共に考え平和にむけて行動をしましょう。司令は隊員の人間の尊厳を大切にしてください。
記
○AWACSの飛行を中止すること
○日米共同作戦へのAWACSの参加を中止すること
○空中給油機の導入・配備計画を中止すること
○ブルーインパルスの飛行を中止すること
○子どもたちに戦争を賛美する浜松広報館を閉鎖すること
○自衛隊を海外へと派兵しないこと
○周辺事態法による出動を拒否し、現行憲法を守ること