01・11月25日浜松で国際平和集会
ちょうど呉・佐世保・横須賀から日本海軍がインド洋へと参戦に向けて出港した日
だった。
以下参加ゲストの発言を要約する。集会ではNO!NO!バンドが「ノー空爆歌」「ソウル
からピョンヤンまで」「レッサンピリリ」「花」「イマジン」などを歌った。政府へ
の抗議文を採択して集会は終わった。
朴秀浩さん(韓国)
私は1995年に明洞聖堂で籠城闘争をして解雇されましたが2000年にやっと
復職し今韓国通信労働組合の代議員をしています。
日米は帝国主義の動きを強めていると思います。韓国は日本に侵略されて植民地と
され、その後アメリカ帝国主義による分断政策により朝鮮戦争となり民衆がたくさん
死にました。光州事件でもたくさんの民衆が軍によって殺され、今真相究明がすすめ
られています。歴史体験から韓国民衆は戦争を嫌っています。
アメリカの要請を受けて韓国は動いています。韓国内ではアメリカ人と喧嘩すると
必ず韓国人が罰せられました。アメリカは朝鮮戦争下、老斤里で民衆を殺しましたが
それを認めず歪曲しています。米兵が殺人事件を起こして米軍機でアメリカへと逃亡
したこともありました。
アメリカは韓国人を殺しても犯罪者とみなさず、韓国人を獣のようにみています。
以前アメリカ駐韓米軍の司令官の報告書に「韓国人はネズミだ」といった表現もあり
ました。米軍基地からオイルが流失して環境を破壊しても中に入って調査することも
できません。
このようななかで韓国人は「アメリカを一番親しい国」という思いから,「米帝国
主義」として敵視するようになりました。
9.11のテロでなくなった民衆を哀悼しますが、「攻撃ですっきりした」という
人もあります。
アメリカをとのように見、アメリカ帝国主義をどう考えるべきかという問いがあり
ます。アメリカが報復戦争にたったとき、約130世の団体が反戦署名をして反戦運
動に立ちあがりました。ベトナム戦争では韓国も参戦しました。この韓国で「共産主
義」のレッテルを貼られることを厭わず、韓国において米帝と規定し、躊躇すること
なく反戦運動をはじめたのです。
労働運動と反戦運動は切り離さず一緒にやるものです。私の勤める韓国通信では民
主労組ができ団結しました。しかし今、7万8千人から4万人に人減らしが勧めら
れ、構造改革により更に1万人が職場を奪われようとしています。首切りのモデルと
され他の職場ではもっとひどい首切りがおこなわれて行くでしょう。この問題につい
てはこの後の交流会(ティプリ)でゆっくり話したいと思います。
ケサールパンディさん(ネパール)
1980年代のネパールは独裁政権で、当時高校生だった私は民衆運動に参加し3
年間投獄されました。多党制となり釈放され大学に行きました。平和の定義に国際的
な基準はなく、私にとって平和とは民主的な世の中であることです。その意味で私に
は平和はなかった。
アフガニスタン戦争を見ると、ブッシュは世界平和の維持を語り、「平和を破壊す
るものをなくすために攻撃をしている」といいます。超大国アメリカが世界を支配し
ベトナム・イラク・ユーゴ・アフガンと攻撃を繰り返してきました。病院も学校もな
い状況で長い年月民衆は傷つけられてきたのです。わたしたちにとって、「平和」の
定義とは民衆自身が規定するものです。
アメリカの戦争目的は自らのリーダーシィップを確立し、市場を支配しようとする
ことにあります。攻撃を正当化するためにテレビで宣伝をしています。
超大国の支配が内戦を生み、内政がテロリズムを生むこともあります。マレーシア
のマハティールは反政府勢力をテロリストといい、反対派は彼をテロリストといいま
す。宗教的文化的理由で戦争が起きることもあります.パレスティナや東ティモール
では自由と平和を求めての闘いが続いてきました。
平和をどのようにして得るのかが課題だと思います。アフガンへの攻撃に対してデ
モがあっても政治家は耳を貸そうとしません。
今日浜松基地の広報館を見てきました。展示館では子どもに戦争への動機付けをす
るものでした。子どもがたくさんいて戦争に使うもので遊んでいました。政府は精神
的に戦争への準備をさせています。親や子どもはおもしろいと思っているのかも知れ
ませんがそれは違う。これと同じことが世界各地でおきています。政府の民衆への戦
争キャンペーンに対する民衆の動きが大切です。
アメリカや日本は金持ちですがネパールは最貧国の一つです。国民の50パーセン
トが働けない状況です。貧民・識字・医療への財政支出は数パーセント、しかし軍事
費は11、7パーセントに及びます。日本とアメリカはとてつもない金額をかけて軍
備に費やしています。もうそのようなことはやめなくてはならないと思います。民衆
の力こそが状況を突き破ります。戦争と人権抑圧に反対して団結しましょう。
ジョーさん(アメリカ)
アメリカは世界平和への障害となっています。ここではアメリカの嘘、9/11以
後アメリカがどう変わったのかについて話します。
アメリカの政府やメディアはいいます。
「アメリカのアフガン攻撃は成功している」「北部同盟がカブールをとって良かっ
た」「アメリカは人道主義の方法でアフガン攻撃をしている」「テロに対する戦争
だ」「空中戦をしている」「連合軍によるアフガン攻撃だ」「アメリカの表現の自由
は一番」「アメリカはイスラムを尊敬している」「アメリカのメディアは公平」「ア
メリカは国際協力している」「9/11はイスラエルのパレスチナ政策と関係ない」
と。
しかしこれらは嘘です。テロリストは一人も逮捕していません。北部同盟は92年
から96年の間5万人を殺し捕虜を拷問しました。彼らは戦争犯罪者です。アフガニ
スタンには餓死の危機がありました。攻撃により更に危機はふかまり、市民は飢えて
死にます。今回の攻撃は虐殺なのです。テロリストはサウジアラビアやフロリダにた
くさんいるのに攻撃していません。そらの上での戦いはありません。アメリカとイギ
リスだけが攻撃しています。軍事独裁のパキスタンの方で戦争の真実が報道されてい
ます。アメリカのメディアは愛国心をあおっています。アメリカが国連への未払金を
払ったのは9/11以後でした。
イスラエルによる人権犯罪がアラブ人によるテロの原因になることは明らかです。
9/11以後のアメリカの変化についてみてみると、ラディカルなグループはべつ
として大きなNGOや労組などの社会運動の動きは抑えられています。イスラム教徒が
アメリカ内で差別的暴力の犠牲者になっています。刑務所内での暴行もおこなわれて
います。政府のスポークスマンは言動と行動に注意するようにと言い始めました。
マスメディアは中東に対する攻撃を支援する報道をおこないジャーナリストは暴力
的な発言をしています。
「拷問をすればもっと早く犯人を見つけられる。今は殺すか殺されるかのときだか
ら、平和主義者を黙らせろ。」「アフガン人はタリバンを作った。わたしたちは市民
をターゲットにしない方が良いが、アフガン人がその犯罪的な政府を倒さないなら彼
らは餓死するだけだ。」「21世紀のパールハーバーへの反応は簡単で早いほうがイ
イ。奴らを殺すのだ。眉間に弾を撃ち込んだり、木っ端みじんに爆破したり、毒も
使って。これらのミミズが暮らしている国は爆弾でバスケットボールコートにするの
だ。」「彼らは我が国民を5000人も殺したのだ。もしわたしたちが殺さなければ
かれらはまたわたしたちを殺す」「ルールなしでテロリストと闘わねばならぬ。戦争
にチャンスを(Give war achance)」「われわれの目的は裁判での
訴えではなく,敵の破壊だ。」など。
このような発言が紙面に登場しています。
政治犯に対する新たな厳しい法も作られています。独房へと120日から一年間の
留置が可能となり、弁護士との接見を看守が聴くことができ、弁護士との電話は盗聴
できるようになりました。9/11の事件が起きると左派の政治犯は独房へと移動さ
せられました。
アメリカは警察国家になっています。移民が大量に逮捕され尋問され、拷問を認め
るようになり、私生活への監視を強め、弁護士とその顧客との盗聴を可能にし、テロ
リスト容疑者を軍事裁判にかけるようになりました。「国内テロ」の犯罪カテゴリー
を作り、その容疑をかけられると憲法で守られず秘密の内に裁判されることになりま
す。アメリカがファシズムになろうとしているという批判も出ています。
アメリカは戦争によって更に危機を迎えています。今回の戦争はアメリカ人への戦
争でもあるのです。
スティーブンさん(イギリス)
わたしはこの戦争にとても怒っている。空爆はイイといっているものが多いよう
だ。9/11の飛行機の中に親しい音楽仲間の友人がいて亡くなった。しかしそれを
理由にアフガン人を殺すことが正しいとは思わない。イギリスのデイリーミラー紙は
「この戦争は嘘っぱちだ」の見出しを掲げた。先週末には10万人のでもがイギリス
でおこなわれた(警察は2万といっているが)。トニーブレアは戦争犯罪人だ。彼は
サッチャーを母としたいようだ。イギリスはモラルの国という。空爆はモラルではな
い。あまりにも多くの血と死体が積み上げられている。ブレアを追い出し、戦争を止
める。わたしたちは成功する。