10・2浜松基地問題についての要請

浜松市長様                                 2002年10月2日                                                          NO!AWACSの会

           浜松基地問題についての要請書

 2002年7月、定例の浜松市基地対策協議会代表委員会、浜松基地周辺対策協議会がもたれ
ました。席上、浜松基地に対するさまざまな意見が出されていますが、住吉自治会が騒音測定数
値の公表を求めたところそれを拒否するなど、浜松市の対応には市民の側にたつ姿勢がみられませ
ん。よってここに、浜松基地問題に関して要請します。

 ・浜松基地に対してよる8時〜朝7時までの飛行を中止するよう要請すること
 ・騒音の拡大による騒音被害地住民からのヒアリングを早急におこなうこと。 
 ・その被害実態をまとめ、新たな騒音被害地図を測定し補償すること。

 ・騒音測定値を関係自治会に公表し、市民が自由に閲覧できるようにすること
 ・基地周辺にひろがる防衛庁管理地の実態について公表すること
 ・基地周辺フェンスにつけられた隠蔽用パネルの撤去を要請すること
 ・基地から流入する汚水を科学的に分析し、データを示し基地に汚水処理を要請すること
 ・空中給油機問題について導入と配備に反対する意思表示を早急におこなうこと
 ・旧陸軍の遺構である「長池」に由来を示す碑を建立し、朝鮮人労働、中国などアジアへの爆撃、
 毒ガス戦研究などの歴史を市民に伝えること

 ・ブルーインパルスの曲技飛行の中止を要請すること。

02.10.2 浜松市との基地問題交渉報

02年10月2日市市民生活課との交渉がもたれ、会員6人が参加した。今回の交渉は、7月
の当会の申し入れ、同月の基地対策協議会代表委員会、基地対策周辺協議会での資料を踏ま
えておこなった。  

会からの事前の請求により、市側は騒音と夜間訓練の2つの資料をおくってきた。騒音資
料は市環境部が発行した冊子からのコピー、夜間訓練は浜松基地からの提供資料だった。騒
音資料には2000年の基地周辺4地点の騒音測定値の平均値しか示されておらず、被害実態
を示しえるものではなかった。とくにもっとも騒音の被害の多い降下地点での測定はまった
く行われていない。また夜間飛行での騒音資料もない。 

環境政策の第一歩である騒音被害地各地での実態調査はおこなわれていない。そのため騒
音被害地の調査資料は基地周辺の4地点のみの資料があるのみであり、騒音被害が最も大き
いところの資料が市にはないのである。低周波被害についての調査もまったく行われていな
い。基地周辺対策協議会の席上、騒音地域の拡大により自治会から当該地域での騒音状況の
資料の公開を求める声が出ているが、市側は公表しようとしない。市民の騒音被害実態を把
握する立場から、早急に最大の被害地を含め、各所での騒音被害調査を行い公表すべきであ
ると、要請した。

なお市側はWECPNL70以上を騒音地域とするよう要請しているとのことであった。
 市の資料によれば、左浜町64、伊佐地町75、有玉西町77、小池町68であり、有玉
西が環境基準値75(U地区)を超えている。浜松市はV地区の被害状況を早急に示し、市
民に公表すべきである。市は騒音基準値達成率を4地点の測定から1箇所が基準値を越したた
め、75パーセントとしているが、最大の被害地の数値を示さずに、4地点のみを測定し、こ
のような率を出すことは無意味である。環境被害実態の詳細なデータこそ求められている。

浜松基地から提示された夜間飛行訓練の表には、訓練日程の予定日については記されてい
るが、実施日については記されず、実施日数のみが記されていた。夜間飛行の終了時間につ
いてはまったく記されていなかった。これには市側も不満を示していた。夜間飛行が10時
近くまでおこなわれることもあるが、この資料からはまったく知ることができない。

これにたいし、実施日と飛行終了時間の公表を再度基地側に求めるように要請した。

基地からの汚水流出問題については、基地側は業者に依頼して毎月、汚水を測定し、定期
的に保健所も立ち入っているという。しかし、その測定値は示されていない。基地対策協議
会代表委員会では東神田川への流出汚水問題が出されている。汚水の実態をつかむために、
基地側に汚水の測定値を公表することを要請すべきであると申し入れた。

さらに空中給油機の導入配備問題については、市長が早急に市民の反対の声をふまえて、
反対の意思表示を行うことをもとめた。

3年前のブルーインパルスの曲技再開の際には、実施日前の訓練で基地横の瑞穂小学校上
空で轟音をひびかせてジェット機が飛来したため、多くの子どもたちがおびえた例などをあ
げ、基地祭でのブルーインパルスの曲芸飛行にたいし中止の意思を示すように要請した。

うるさいときにはうるさいといわないと、「市民生活上何も問題はございません」と市は
いうことになるようだ。市は基地に対してさらに資料を求めるとともに、専門の調査委員会
をつくって独自に騒音等の詳細な調査を行うべきである。(T)