200496

静岡県知事様               NO!AWACSの会浜松

 

   県総合防災訓練での自衛隊との連携の中止を求める要請書  

       

2004年9月1日の県の訓練の特徴は県と自衛隊との連携がいっそう強化され、浜松基地との連携がはじめておこなわれたことです。広域訓練として陸海空の自衛隊が1200人も参加し、浜松基地からは300人が参加して広域搬送訓練がおこなわれました。県の訓練の拠点が御殿場におかれ、首相が視察にも来ました。自衛隊との連携は強化される一方ですが、このような訓練への自衛隊の参加が、最近の有事法制のもとでのあらたな国民動員につながる危険性を感じています。

今年の自衛隊参加の具体的な例をあげると、東部の小山町では消防本部が自衛隊に協力要請し、自衛隊トラックを使って物資輸送をおこない、自衛隊車両も使って市民を避難させました。三島市では「参加型防災訓練推進モデル校」とされた三島南高校での訓練に陸上自衛隊(御殿場の34普通科連隊の18人)が参加し、生徒とともに訓練をしています。

中部の静岡市では安倍川の河川敷に広島県呉の海自艦「しもきた」(強襲揚陸艦)のホーバークラフトが上陸して、陸海自160人と合同しての訓練がおこなわれました。中川根町では陸自のヘリで市民を県外へ搬送しました。陸自の大型車両を使って富士川の高速道を利用して物資を搬送する訓練もおこなわれました。

西部の佐久間町・森町・浜松市・袋井市では浜松基地へとヘリを使って市民を移動させました。浜松市では陸自第12旅団(信越の部隊)と浜松基地の災害派遣隊が天龍川の河口敷からは浜松基地内へとヘリで市民を移送しています。さらに浜松基地から福岡空港・入間基地へとC1輸送機で「重傷患者」とされた人を移動しました。舞阪町では市民を自衛隊ヘリで新居町に運び、新居町では浜松基地のヘリ2機を使って市民を輸送しました。

このように陸海空自衛隊が大規模な形で訓練に参加するようになっています。地震に立ち向かい立ち直っていくなかで、大きな力となるのは一人一人の市民と市民が築く地域のコミュニティーの力であるといわれています。また大切なことは、家族以外に自分自身のことを気遣う人々が多く存在することであるといわれます。災害時で発揮される市民の共同性の形成が求められているのであり、軍事組織である自衛隊の大規模動員は必要とはされません。

県が今後の訓練においては、自衛隊との連携強化について見直し、その規模を縮小し、中止にむけて検討することすることをここに求めます。