日本国首相様                       2004年12月9日

                     人権平和浜松・
                     NO!AWACSの会浜松

  イラクへの自衛隊派兵延長と
  新防衛大綱策定に抗議しその撤回を求める要請書

2004年12月9日政府は臨時閣議でイラクへの自衛隊派兵の延長を決定しました。また、10日には新防衛大綱と次期中期防計画決定しようとしています。わたしたちはこの派兵延長と新たな軍拡計画に抗議しその撤回を求めます。

 アメリカは国際法を無視してイラク戦争をはじめました。しかしその戦争の口実とされた大量破壊兵器はありませんでした。にもかかわらず、アメリカは11月にファルージャ再攻撃を始め、病院破壊、非戦闘員の殺害、捕虜の射殺、メディアの排除、赤十字車両の支援拒否、クラスターやナパームの使用などの戦争犯罪を繰り返し、イラク民衆を虐殺しました。イラク戦争への米兵の任務拒否行動も生まれ、米軍はそれを軍法会議で処分できない状況さえ生まれています。12月8日クウェートでの米国防長官と米兵との対話集会では兵士からの抗議の声が渦巻いたといいます。アメリカの侵略戦争を支援し自衛隊を派兵することは誤りです。即時撤兵すべきです。

わたしたちは12月8日に中国での旧日本軍遺棄毒ガス兵器による中国人の被害状況を示す映画の上映会を持ちました。そこには、2003年東京地裁で中国人被害者が勝利し、日本政府の責任が問われると、日本政府は被害者への賠償を拒否して控訴する様が示されていました。その映像は日本政府のいう「人道復興」の実態をよく示しています。まず、政府は過去の責任をとり被害者に賠償すべきです。それなくして政府は「人道」をアジアで語る資格がありません。

派兵を繰り返す中で政府は、国内での治安管理強化や入国者への指紋採取などをねらうなど生活空間の軍事化をすすめています。また自民党は防衛庁防衛部の自衛官を使い改憲案を策定するといった活動をしています。これらの、戦争参加をすすめて民衆への管理監視を強め、軍事部門の直接関係者に憲法改悪の作業を行わせるような行為は、人権・平和を基調とする憲法への破壊・違反行為であり、許されないことです。

 さらに、新防衛計画大綱関連での軍拡においては、MDの日米共同開発・生産、そのための武器輸出、新型長距離輸送機導入、新型戦闘機、イージス艦増強などが示されています。まさにこれらの軍備は、米軍とともに海外へと展開し共同作戦を展開するためのものです。

 今回の派兵延長と軍拡を隠すかのように「北朝鮮への経済制裁論」が盛んにメディアで流されています。今大切なことは、かつて侵略をすすめて戦争犯罪を繰り返した歴史を顧み、東アジアでの平和的関係を展望した交渉の継続が必要です。朝鮮問題を口実とした軍拡・戦争政策は中止すべきです。

 すでに、浜松からは2004年1月から10月にかけて7次にわたり30名ほどが派兵されてきました。わたしたちはこれらの派兵に抗議し即時の撤兵を求めています。

 なお、今回の派兵延長に抗議し浜松市民の平和行動として、12月11日18時15分、JR浜松駅前の先の戦争での空爆で生き残った「市民の木」から、NO!WARデモをおこない平和への意思表示をします。浜松を再び戦争の拠点とすることに断固、反対します。