2005年1月30日ブラジル・ポルトアレグレ
世界社会フォーラム(WSF)反戦会議速報 
     (ネットのメールから)

ハーバート・ドセナ(「フォーカス・オン・ザ・グローバル・サウス」)

「選挙」の正統性は拒否された。
反戦運動は3月19−20日に
イラクでの戦争を終わらせる大規模な抗議行動を呼びかける

[ポルトアレグレ−ブラジル 1月30日]
イラクで選挙が行われた今日、1月30日、全世界からやってきた反戦運動体は、きたる3月19−20日にイラクでの戦争に反対するグローバルな行動デーを呼びかけた。
 この呼びかけは、今年は10万人以上が参加した反グローバリゼーション運動と反戦運動の活動家の年次会議である世界社会フォーラムの一部である反戦集会の決議である。
 この集会の主要オルガナイザーの一人であるフォーカス・オン・ザ・グローバル・サウスの代表ウォールデン・ベロは、「このかん浮き沈みはあったものの、この集会は反戦運動の復活を示している」と語った。
 反戦集会には、イラクをふくむ33カ国から約300人の反戦活動家が参加した。参加者のほとんどは、2003年2月15日の世界的な大規模な反戦デモを支えたグループの人たちであった。
 1000以上の組織が加盟する米国最大の反戦連合である「ユナイテッド・フォー・ピース・アンド・ジャスティス(UFPJ)」のメデア・ベンジャミンは、「私たちは2005年を戦争を終わらせる年にすることを決意する」と語った。
 ロンドンで100万人が参加する大規模なデモを組織した英国の「ストップ戦争連合」のクリス・ニネハムは、「世界的世論は私たちに有利だ。いまや戦争に反対する世論は2003年2月15日よりも多い」と指摘した。
 最新の調査では、デモはイラクをふくむ29カ国で予定されている。この呼びかけがここ数週間のうちに反戦ネットワークの中で広まるにつれて、さらに多くの諸国が参加することが期待されている。
 また反戦活動家たちは、イラクでの選挙の影響についても、それがたいしたものではないと評価した。「こうした隠密裏になされる選挙にはまったく正当性がない」「世界はこうした術策にはだまされない」とベロは語った。
 参加者の中には、はるばるバグダッドからやってきたシェイク・ジャワド・カリシがいた。スンニ派とシーア派、イスラム教徒と世俗活動家をふくむ、占領に反対するイラクの政治グループの広範な連合のリーダーである彼も、この選挙を拒否した。カリシは現在、イラクで最も影響力のあるリーダーの一人とみなされている。バグダッドのカダミーヤ地区のシーア派宗教指導者である彼は、1920年代のイギリスの占領に対するレジスタンスを指導したイラクのヒーローの息子である。
 カリシは語った。「ジョージ・ブッシュは、すでに投票日の以前から選挙結果を決めていた」「この選挙はイラク民衆のためではなく、ジョージ・ブッシュのための選挙だ」。
 カリシはバグダッドで得た情報にもとづいて、イラク人の非常に多くが選挙ボイコットを決めている、と主張した。彼は、モスル、ディヤタ、ラマディなどの5つの州では有権者の90%以上が選挙ボイコットを決めており、他の7州でもボイコット率は約70%に達した、と述べた。
 カリシは、選挙があっても暴力は終わらないだろうと考えている。「暴力はイラクが占領権力から解放されたときにのみ終わるだろう」、とカリシは述べた。
 「暴力は続くだろう。暴力を誘発しているのは、おもに占領軍だからだ」とベロが付け加えた。戦争で10万人のイラク人が殺されたが、そのほとんどは連合軍によって殺されたのだ、と彼は指摘した。ベロは「占領軍はいっそうの抵抗に直面するだろうし、そうなれば民衆はいっそうの残虐行為を受けるだろう」と述べた。