2005年2月5日9時に豊川基地に以下を要請しました。
豊川・金沢・久居などから守山に集合し、5日には守山で隊旗授与式がおこなわれ、第1派200人が小牧から派兵されました。
2005年2月イラクへと派兵される自衛隊員のみなさんへの要請書
2005年2月5日
ピースサイクル東海 NO!AWACSの会浜松
陸自第5次イラク派兵要員とされ、今日、駐屯地から出発しようとしている皆さんに、イラクへの派兵の中止をここに求めます。
自衛隊員のみなさん!
アメリカは湾岸戦争以来、経済制裁や空爆によって多くのイラク民衆の生命を奪い、さらに世界の民衆の反戦の声を無視してイラク戦争を始めました。しかし、アメリカが戦争の口実とした「大量破壊兵器」は結局見つかりませんでした。イラクとイスラム原理主義との関連もありませんでした。戦争の口実はまったくの嘘でした。イラクの大地はウラン弾で汚染され、貴重な文化財が散逸しました。日本政府は、「人道復興支援」という口実をつけて派兵していますが、その派兵の本質はアメリカによる占領の支援です。それはアメリカによる戦争犯罪の支援でもあります。皆さんがイラクに行く必要はありません。
自衛隊員のみなさん!
政府はサマワを「非戦闘地域」といっています。政府の詭弁は、もしみなさんが危害を加えられてもそれを「非戦闘行為による」とし、皆さんが発砲しても「非戦闘行為」とするでしょう。憲法を踏みにじり、法律を作ってもそれを適当に解釈する政府の姿勢が、国際的に信用されるでしょうか。イラクの自衛隊はまだ発砲していません。それは日本国憲法第9条があるからです。わたしたちは憲法第9条の改悪を許しません。改悪されれば、みなさんが世界各地で発砲するように仕組まれるでしょう。それは日本の名誉にはなりません。
自衛隊員のみなさん!
みなさんが自衛隊に入隊した理由の多くが、資格の取得や経済的な理由であると思います。皆さんの父母は働く民の一人ひとりであり、みなさんの軍服の中にはその民衆の心が息づいているはずです。こんなことでいいのかという思いが人一倍あると思います。政府による戦争によって、みなさんの生命が使い捨てられてはなりません。1億円をもらっても失った生命は戻りません。派兵は自衛隊入隊時の契約とは関係がありません。国際的に非難されている大義なき戦争に参加する必要はありません。
自衛隊員のみなさん!
1月30日にイギリス軍のC130がバグダッド北方で撃墜されました。この機は米兵を輸送していました。日本のC130もイラクで米兵や物資を輸送しています。日本がアメリカの占領統治に加担していることはあきらかです。3月末にサマワの治安維持はオランダ軍からイギリス軍にかわります。民衆の憎悪はいっそう増加するでしょう。みなさんの部隊が警備担当者を増やしていることは、それを知ってのことでしょう。イラク人は日本人に好意を持ってきましたが、派兵がその感情を壊しているといいます。派兵を中止することこそが、真の友好と勇気ではないでしょうか。
自衛官のみなさん!
ぜひ派兵を取りやめてください。たとえ派兵されても即時の帰還を求め続けてください。わたしたちはこの地で派兵の中止と撤兵を求め続けます。群長はカンボジアPKOを体験し、故・奥参事官の知人といいます。国際的経験や判断力があるならば、このような派兵を中止することこそ指揮官としての本領の発揮ではないでしょうか。それが本当の友好と隊員の生命を守ることになると思います。派兵ではなく非軍事での協力をすすめてください。
以上要請します。
陸上自衛隊第10師団師団長様 2005年2月5日
有事法制反対ピースアクション
自衛隊のイラク派遣中止を求める申し入れ書
私たちは、自衛隊はイラクに行かないでほしいという一心でこれまで行動を続けてきました。先月16日には、この守山駐屯地を人間の鎖で包み込み、以降連続15日間の座り込みを続け、何とか隊員のみなさんに私たちの思いを届けようとしてきました。にもかかわらず、本日、この地から第5次派遣隊がイラクへ出発しようとしていることに対し、私たちは憤りを禁じ得ません。
派遣地サマワでは、自衛隊宿営地を狙った攻撃がすでに9回に達しており、先月28日には、自衛隊宿営地を狙ったとみられる迫撃弾6発が見つかりました。いつ隊員に犠牲者が出てもおかしくない状況が続いているのです。今月2日にはサマワ中心部で銃撃戦が行われ、死傷者が出ています。これのどこが非戦闘地域だと言えるのでしょうか。「現に戦闘行為が行われておらず、かつ、そこで実施される活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」と定めたイラク特措法に違反することは明らかです。法の定めを無視して、隊員たちを危険地帯に送り込むことは、決して責任ある判断とは言えません。
第5次派遣隊がサマワに到着する頃には、自衛隊の10倍以上の供給能力を持つ浄水装置が稼動を始め、自衛隊の主要な任務であった給水活動が終了すると報じられています。給水が必要なくなれば、派遣隊員の大半が、駐留を自己目的とした警備活動につくことになります。これでは何のための派遣かわかりません。本末転倒とはまさにこのことです。資金援助で浄水設備を作ったように、自衛隊が行かなくともイラクの人々のためにやれることは、ほかにいくらでもあるのです。
自衛隊派遣の継続を決めた小泉首相は、イラク攻撃開始以来、国際世論を無視して率先してアメリカへの追従を続けてきました。自衛隊派遣もその中で強行されたものです。しかし、イラク攻撃がまるで大義のないものであったこと、米軍による占領支配をイラクの人々が望んでいないことは、もはや誰の眼にも明らかです。それを無視し、アメリカの顔色を伺いながら自衛隊を派遣し続けるなどというのはとんでもないことです。最近の世論調査でも国民の6割が派遣継続に反対しています。
自衛隊員が殺されることも、自衛隊員によってイラクの人が殺されることもあってはなりません。地元から、若い隊員たちが戦地へと派遣されていくことを、私たちは黙って見送るわけにはいかないのです。今からでも遅くはありません。取り返しのつかない事態になる前に、派遣を中止し、自衛隊をイラクから撤退させることを要請します。
2005年2月5日有事法制反対ピースアクション
以下を東京の仲間が防衛庁に提出しました。
日本国首相様 防衛庁長官様 2005年2月5日
人権平和浜松 NO!AWACSの会
陸自第5次イラク派兵計画の中止と即時撤兵を求める要請書
1月27日、政府は「第五次イラク復興支援群」の編成命令を出しました。わたしたちはこの命令の撤回とイラクからの即時撤兵をここに求めます。
今回の編成計画では第10師団の守山・春日井・豊川・久居・岐阜・金沢・鯖江や近畿・中国四国などから約490人が派兵されます。給水活動は縮小され、給水は隊員むけに限定され、警備要員をふやすといいます。
一方、アメリカはイラクなどへの米軍派兵経費として800億ドルの追加支出を計画し、イラクの占領を実質的に継続しようとしています。アメリカによるイラク戦争や対「テロ」関連での支出は3000億ドルを超え、さらに05年の財政赤字は4200億ドルを超えることになります。また、イギリスはサマワのあるムサンナ州に820人を展開させ、兵站支援や治安維持をおこなって、オランダ軍の代わりをする予定です。
それは、自衛隊がイラクへの侵略戦争をはじめたアメリカ・イギリスと一体化し、その戦争と占領を支援している姿をいっそう明らかにすることになります。
他方、日本国内では、過去の侵略史の隠蔽や朝鮮半島有事にむけての動きが強まっています。自民党議員がNHK番組から「慰安婦」の証言や昭和天皇の責任を追及する場面の削除に関与したことがあきらかになり、昭和天皇を生物学者や平和主義者として賛美する天皇記念館の建設もすすんでいます。また、拉致問題を口実に戦争政策の第一歩としての「経済制裁」をすすめる動きが強まっています。
本来、北東アジアの平和のために、過去の日本による戦争犯罪を反省するとともに、米ソ対立による朝鮮の南北分断の中でうまれた戦争とそれに伴っておきた犯罪を解決する志向を持つべきです。しかし現状は、アメリカの戦略を補完して中国・朝鮮を敵視し、韓国政府の統一への模索にも反するような動きが強められています。これはきわめて危険な状況です。日本政府は、過去の戦争を正当化し、アメリカの戦略の下で仮想敵をおいて軍拡をすすめる政策を転換すべきです。よって以下を要請します。
一 第5次の派兵命令を撤回し、イラクからの撤兵をすすめること
一 過去の戦争犯罪を直視し、アジアの戦争被害者への個人賠償をすすめること
一 経済制裁の策動を中止し、対話による日朝関係の正常化をすすめること
一 メディアへの介入・検閲を中止すること