写真は2005年10月22日の北熊本基地前でのものです。
                      撮影Kさん(東京)



防衛庁長官様 日本国首相様         2005年10月29日

陸自第8師団司令様 浜松基地司令様

派兵隊員様              人権平和浜松、NO!AWACSの会

 

陸自第8次・空自第8期イラク派兵計画の中止と
          イラクからの撤兵を求める要請書

 10月22日、熊本からイラクへと第8次第1派が派兵されました。またさらに11月からは空自の第8期派兵が計画されています。わたしたちはこの派兵計画に抗議し、その中止を求めます。

今回の熊本からの派兵状況をみると、当日、北熊本基地前には機動隊が配置され、空には監視のヘリが舞い、朝から右翼の何台もの街宣車が「自衛隊派遣支持!」と街で叫び声をあげ、イラク派兵反対を求めて九州各地から集まった労働者・市民を威嚇しました。また、16日には戦車など150両が街頭を行軍し、黄色いハンカチが飾られた部隊もありました。平和を求め戦争に反対することが、権力と右翼によって抑圧され、戦争を肯定することが賛美される時代を示す風景が広がっています。法を無視しての派兵が更なる無法を生んでいるのです。

さて、熊本県荒尾市の、三池争議で右翼に殺された労働者久保清さんを追悼する碑の横には「やがてくる日に」という詩が刻まれています。そこには、「歴史が正しく書かれるやがてくる日に 私たちは正しい道を進んだといわれよう 私たちは美しく生きたといわれよう  私たちの肩は労働でよじれ 指は貧乏で節くれたっていたが そのまなざしは   まっすぐで美しかったといわれよう まっすぐに 美しい未来をゆるぎなく みつめていたといわれよう はたらくものの その未来のために 正しく生きたといわれよう 日本のはたらく者が怒りにもえ たくさんの血が 三池に流されたといわれよう 」とあります。

 いま、イラクでも多くの血が流されています。その血はアメリカによる侵略によるものです。自衛隊の「復興支援」とは米軍支援を隠すためのことばです。川内の陸佐は「派遣隊員に指名されて光栄」といっています。それは本当に「光栄」なことでしょうか。第8次群のキャッチフレーズは「真心・絆・希望」といいます。本当の「真心・絆・希望」とは戦争をやめ撤兵することではないでしょうか。未来を見つめ、正しく生きたと胸張って言うためにも、派兵を中止すべきです。派兵隊員の皆さんはイラクに行く必要はないのです。

 英国防省のイラクでの世論調査では、米英軍への攻撃を45パーセントの人々が正当であるとし、99パーセントが治安回復には役立たないとしています。多くの人々が撤兵を求めています。サマワでは英軍への攻撃事件もおき、サマワのサドル派の10月の礼拝集会では、「友好と称してイラク人と関係を持とうとする日本人には、わたし自身が自爆攻撃をする」という発言さえ現れています。まさにサマワは「戦闘地域」となり、撤兵すべきときにあるにもかかわらず、日本は派兵を繰り返し、さらに、米軍のために高速輸送艦まで購入するとまでいいはじめています。

久保清さんの1961年の墓碑には次のような一節があります。「あなたの死を悲しみ  命をかけたあなたの志を受けつぎ 働く者の真の解放まで どんなに辛くてもたたかい抜く決意を固めました。その日は昭和35329日。かわいい啓二君、由美子ちゃんをのこした あなたは享年32才」。米軍の後方支援に参加することではなく、このような想いにこそ「真心・絆・希望」があるのではないでしょうか。殺す側に立ってはならないのです。

熊本の地からは、軍隊ではなく、働き生活する市民を幸せにするようなメッセージが発信されるべきでしょう。国際法と人倫に反するアメリカによるイラク戦争への支援をすぐに止め、撤兵に向けての行動をとってください。それが、政府・自衛隊幹部の仕事です。隊員の皆さんはイラクに行ってはなりません。皆さんが派兵を断わることは正しい道を歩むことであり、皆さんには断る権利があります。わたしたちは平和な未来をみつめ、皆さんに呼びかけ続けます。真理を見抜くまなざしをもち、正しい道を歩みましょう。

浜松からは空自第8期の派兵が今後もおこなわれる予定です。基地司令においては派兵の中止を具申するよう強く要請します。