日本国首相様 防衛庁長官様         2005年10月11日

浜松基地司令様                 NO!AWACSの会

                        人権平和・浜松

  浜松基地へのパトリオット(PAC3)の導入の中止と

ミサイル防衛計画(MD)の撤回を求める要請書

 

政府・防衛庁はMD計画によるPAC3の配備を計画し、2006年から2010年までに計18基を、第1高射群(入間・霞ヶ浦・習志野・武山)・第2高射群(芦屋・築城・高良台)・第四高射群(岐阜・白山・饗庭野)・浜松(高射教導隊・第2術科学校)などに配備する計画です。その費用は約2600億円といいます。

この計画によれば、浜松は新型パトリオット(PAC3)の教育・整備の拠点とされ、各地へとMD対応要員を派遣する場となります。それは、浜松を再び戦争・派兵の拠点とすることです。わたしたちは、この計画の中止とMD計画の撤回をここに要請します。

旧型のPAC2は飛行ミサイルの近くで爆発して落とすというものでしたが、PAC3はミサイルに体当たりして落とすというものです。そのアメリカでの実験の詳細は公表されず、実験でも失敗が目立つものです。発射機にはPAC2は4基が装填されましたが、PAC3は細めの形態となり16基が搭載されます。

イージス艦ミサイルと地上のPAC3を中心とするMD計画は防衛的なものではなく、米軍の先制攻撃(侵略)と一体となったシステムです。MD計画は日米の軍事的結合と共同作戦体制をいっそう強め、集団的自衛権の行使となるものです。増強された米軍のイージス艦は日本各地への寄港をくり返すようになりました。日本のイージス艦への情報はアメリカの軍事衛星からの情報が伝達されるといいます。またAWACSもMDに組み込まれることになります。MDはアジアでの軍事的緊張をいっそうもたらすことになります。

このMD計画の進行のなかで、2005年7月自衛隊法と防衛庁設置法が変えられました。それにより弾道ミサイル迎撃手続きが簡素化され、現場指揮権が強化されました。また、統合幕僚監部・統合幕僚長がおかれて軍服組の権限も強められました。このことは米軍との統合作戦本部での連携の強化をも意味します。日本の戦争国家化がさらにすすんだのです。

また、三菱重工はロッキードマーティン社から2005年中にライセンスを受けて生産を開始し、PAC3をアメリカから2年間購入したのち、2008年度からは自国での生産品の導入を狙っています。今年の7月には日米政府のライセンス合意がおこなわれました。日本製のMD部品がアメリカ経由で他国へと武器輸出されていく可能性もあります。MD導入はアメリカの軍需産業の圧力を受けてのものです。このMDには1兆円をこえる税金が投入されようとしています。MDは軍事費を増加させることになります。

浜松基地にはかつてはナイキが、さらにパトリオットが導入されました。さらに今回、新型パトリオットが導入されようとしています。わたしたちはこのように繰り返される導入と基地の強化に強く抗議し、関係者が導入の中止とMD計画の撤回をすすめることを求めます。以上ここに要請します。