2006年 2・11集会
会場
講師 井上二郎さん「小泉首相靖国神社参拝違憲判決について」
2006年の2・11集会では弁護士の井上二郎さんが講演した。井上さんは、大阪での小泉首相靖国神社参拝違憲訴訟を担い、2005年9月に高裁で違憲判断をかちとり、それを確定させた。大阪での裁判は日本と台湾の原告で構成されていることである。
井上さんは裁判の概要を述べ、台湾での植民地支配の被害を紹介した。そして、判決が形式的には敗訴だが、違憲の憲法判断を引き出したことを示し、その判断を確定させた経緯を話した。
最後に質問に答え、無宗教であっても国家が戦争死者の追悼に関与することを批判した。この視点には共感した。戦争をおこなおうとする国家であるからこそ、戦争死者を顕彰する儀礼をおこない、戦争死の悲しみを名誉の名にすり替えていくからである。国家が死を名誉として宣揚していくことの危険性を見抜き、国家による生の疎外や収奪に敏感であるべきだろう。
(T)