日本国首相様 浜松基地司令様            20061221

              人権平和浜松  NO!AWACSの会

        浜松基地からの第21派イラク派兵に抗議し

          隊内での隊員の人権の確立を求める要請書

 20061219日浜松基地から、空自イラク派兵第11期後段要員としての隊員4人の見送り式がおこなわれました。すでに浜松からはのべ100人を超える隊員がイラクへと派兵されてきました。わたしたちはこの派兵に強く抗議し、イラクから全自衛隊員の即時撤兵を求めます。浜松を派兵の拠点にしてはなりません。

 1215日、防衛省設置関連法案が成立して、自衛隊の本務に海外派兵が導入されました。それを受けて西元・元統幕議長は新聞のインタビューで、恒久派兵法の制定や武器使用基準の緩和を求め、自衛隊の「自衛軍」化と自衛を正当化することができる「軍事法廷」の設置を求めています。それは自衛隊が軍として海外で行動するための整備づくりをすすめることを示す発言です。このような動きは日本の戦争国家化をすすめるものであり、おこなってはならないものと考えます。

 イラクに派兵された陸自の経費は740億円にのぼるといいます。サマワに要塞のような基地を作り、多くの装備品を調達したことが多額の経費につながりました。このようなことに税金を使わず、世界の貧困の克服や教育・医療に直接使われたなら、多くの市民のためになったでしょう。空自は米軍の後方支援に組み込まれ、戦場であるイラク北部へと定期便を出して米軍支援活動を展開しています。「復興支援」は米軍支援の隠れ蓑にほかなりません。

アメリカ政府もイラクからの撤退を考え始めています。空自も撤退に向けての取り組みを進めるべきです。司令が撤兵を具申することを求めます。

 報道によれば、浜松基地の術科学校で上官によるいじめ・暴行があり、昨年11月に暴行を受けた隊員が自殺したといいます。隊員は「人間性を失っていて生きていけない」と反省文に記していたといいます。このようないじめ・暴行は人格権の侵害であり、このような行為は氷山の一角ではないでしょうか。このような行為が、戦争態勢が強化され、イラク派兵がおこなわれるなかでいっそう強められてきているのではないでしょうか。

戦争は人格を破壊します。政府が、米軍支援を「人道復興支援」などと偽り、バグダッドへの空輸を「非戦闘地域での活動」と偽ることは、憲法に反するのみならず、人間として間違っています。そのような政治によって戦地に投入されること自体、自衛隊員の人格が否定されているということです。

基地司令においては、イラクからの撤兵をすすめるよう具申し、また、隊内での自衛隊員の人格権の確立をすすめ、上官による暴力暴言や私用使いような人間の奴隷化を廃絶することを求めます。

首相においては、イラクからの撤兵と隊内での人権侵害の廃絶と人権侵害に対する救済機関の設立を求めます。