<えー!わたしたちの町に パトリオット!?>

 入間市と狭山市にまたがる航空自衛隊入間基地に、ナイキ、PACUに
続き、またもや迎撃ミサイルパトリオット(PACV)が配備されるって
ご存知でしたか?実際には米軍の指示のもとでの武力行使になるのです。

 どこかからミサイルが飛んでくる?そのために必要?
 でも、でも、上空で爆発した破片はどこへ落ちるの?
 教室?校庭?道路?屋根?畑?
 それとも、私たちの体に?   集会とデモをします。

 <防衛庁に電話して、広報Nさんとお話しました。>

Q 本年度中に航空自衛隊入間基地にパトリオットが配備されると聞きま
  したが。
A 少しお待ちください。(4分待たされる)はい、そうです。

Q パトリオットは迎撃ミサイルということですが、迎撃ということはつ
  まり戦争になるかもしれないということですか。
A そうですね。また、戦争に入っていなくても、ある国が先制攻撃でミ
  サイルを発射した時にも撃ち落とすために迎撃ミサイルを発射します。

Q 発射するときには市民には知らせるのですか。知らせる方法を教えて
  ください。
A 短時間ですので、事後の報告になります。

Q そうすると市民は退避できないことになりますね。
A そうですねえ。

Q 迎撃ミサイルは撃ち損ねるということはないのですか。もし、そうな
  ったら撃ったミサイルはどこかで爆発するのですか。
A (しばらく待たされた後)その場合は、なるべく被害の出ないところ
  で自爆させるようになっています。

Q 迎撃に成功しても、飛んできたミサイルと迎撃ミサイルの両方の破片
  は上空から降ってくると思うのですが。農作業中の人もいるでしょう
  し、近くには学校もあります。市民はどうやって身を守ればいいので
  すか。とても怖いのですが。
A うーん。そうですねえ、怖いと思うでしょうねえ。(答えは無し)

Q パトリオットミサイルは入間基地だけでなく、首都圏の周りの数基地
  に配備されると聞きました。首都圏を守るために、配備されたところ
  に住む私たちは捨石にされる形ではないでしょうか。いったい何を守
  るんですか。
A 首都圏の機能です。しかし、私が市民だとしたら、うーん、捨石…、
  そう思われても仕方が無いですねえ。

Q やはり武器ではなく、外交努力で解決していく努力を是非お願いした
  いと思います。

2007年3月末、PAC3入間配備の際には基地前で座り込みの抗議行動がありました


[抗議声明]

航空自衛隊入間基地へのPAC3配備に抗議する
グループ武器をつくるな!売るな!
2007年4月2日

安倍晋三内閣総理大臣 殿
久間章生防衛大臣 殿

 3月30日、航空自衛隊入間基地に、地元埼玉をはじめとする多くの市民が反対
の声をあげているにも関わらずPAC3配備が強行された。3月27日の衆議院安全保
障委員会で、久間防衛大臣は「昨年八月以降、狭山、入間、所沢市と埼玉県に
(配備を)説明し、基本的に地元の理解を得られていると感じている」と語っ
た。とんでもない。強力なレーダー波の人体への影響や移動展開時の道路封鎖な
どの交通制限、迎撃による落下物被害の問題など、地元住民の強い懸念に対する
責任ある回答は今に至っても一切なされていない。

 ミサイル防衛(MD)の推進は、横田への日米共同作戦司令部の設置など米軍・
自衛隊再編の要の一つとされているが、沖縄など各地の再編関連自治体および住
民に対しても同様の態度で臨むつもりなのか。防衛大臣の主観的な「感じ」を根
拠に「理解を得られている」と判断し、地元住民の反対の声を無視して PAC3配
備を強行したことは、民主主義に反するものと言わざるを得ない。

 しかも今回の配備は、北朝鮮の核開発問題の解決に向けてアメリカが金融制裁
解除に歩み寄った直後に行われた。日本政府はPAC3配備の理由として「北朝鮮の
弾道ミサイルの脅威」を挙げているが、米朝の外交交渉により北朝鮮の「脅威」
なるものは除去できるのである。

 アメリカはイラク戦争などで先制攻撃に踏み切ってきた。PAC3をはじめMDは、
それに対する反撃を封じ込めるものであり、先制攻撃を受ける恐怖を今まで以上
に北朝鮮に抱かせ、軍拡に駆り立て、外交による平和的解決の可能性を損なうも
のだ。また、日米によるミサイル防衛の潜在的対象は中国だとも言われており、
米中、日中の緊張激化の火種になりかねない。MD配備は、既に多弾頭化などのミ
サイル軍拡競争を招いており、中国による衛星破壊実験といった事態も生じている。

 しかも、アメリカが日本周辺でのMD態勢を強化する理由は、グアム、ハワイ、
米本土に向かう弾道ミサイルを日本周辺上空で撃ち落すためだ。アメリカに向か
う弾道ミサイルを自衛隊のミサイルで迎撃することは、憲法で禁じられていると
される集団的自衛権の行使に踏み込むものだ。それを突破口に、集団的自衛権の
行使が、海外での「対テロ戦争」にも広げられる恐れがある。

 次世代海上発射型迎撃ミサイルの日米共同開発などは、日本の先端民需技術を
アメリカが吸収するためのものだともいわれる。一方、アメリカの先端軍需技術
などが漏洩しないように「軍事秘密一般保全協定」(GSOMIA)の締結が求められ
ている。その先にあるのは、「スパイ防止法」の制定だ。

 このようにミサイル防衛は数々の問題を有しているが、そもそも実際に弾道ミ
サイルを迎撃ミサイルで撃ち落すことができるのか、専門家からも疑問視されて
いる代物だ。「成功」とされる実験も「やらせ」に等しいと言われている。得を
するのは、一発だけで数億円とされるPAC3ミサイルを製造するロッキード・マー
チンや、2008年度配備分からのPAC3のライセンス生産を行っている三菱重工な
ど、軍需産業だけだ。

 軍需産業に支払われる購入費は国家予算、即ち納税者の税負担で賄われる。入
間などへの前倒し配備のための購入費だけでも76億円という補正予算が組まれ
た。次世代海上発射型迎撃ミサイルの日米共同開発費などを含め2007年度のMD関
連予算は過去最高の1826億円に達した。完全な迎撃など不可能であるにも関わら
ず、未完成品を配備し、更新し続けるMD開発は無限のプロジェクトであり、納税
者の負担は天井知らずだ。

 軍需産業からすれば、MDは「打ち出の小槌」ということだ。だから、日本の財
界にも、軍事技術の日米共同開発の推進によって先端技術開発力を高めようとい
う動きが浮上している。宇宙の軍事利用を可能にするための宇宙基本法制定の動
きや、武器輸出規制の緩和を求める声も強まっている。こうした動きは、日本に
もアメリカのような「軍産複合体」を生み出す道に通じている。軍産複合体は
「脅威」を捏造し、先制攻撃を仕掛け、戦争で肥え太るものであることは、イラ
ク戦争が物語っている。その一方で死傷するのは、兵士であり、何よりも民衆で
あることも、イラク戦争が実証している。

 私たちは、以上の理由により、PAC3の入間基地への強行配備に強く抗議する。
そして、日本政府・防衛省に対して、ミサイル防衛の推進をやめ、PAC3 を入間
からただちに撤去することを求めるものである。

 

PAC3ミサイルの3月29日、入間基地への搬入を許さない!
   核とミサイル防衛にNO!キャンペーン

  〜入間市長・狭山市長は配備反対の表明を!〜  
 
 3月23日午前、ミサイル防衛(MD)用の地上配備型迎撃ミサイルPAC
3の「緊急対処要領」が閣議決定されました。「緊急時」を名目として部隊
指揮官に迎撃=武力行使権限を丸投げするものであり、建前としてきた「文
民統制」を事実上投げ捨てるものです。
 
 航空自衛隊第一高射群の本部である入間基地(埼玉県)に初配備されるP
AC3は、他国にミサイル発射の「兆候」が見られた場合、発射機やレーダ
ー装置などの装備を都心に移動させることが想定されています。展開場所と
して防衛省のある市ヶ谷駐屯地や練馬駐屯地が最有力とされ、皇居前広場や
日比谷公園なども候補地として検討されています(3月22日、産経)。首相
官邸や国会、中央省庁や皇居など国家中枢を最優先に防衛するというMDの
本質を露骨に示すものです。
 
 第一高射群の山内賢二司令によれば、テキサス州の米陸軍基地でPAC3
の運用を学んだ自衛隊員約20人がミサイル運用の中核を担い、現在、基地の
出発準備訓練と展開場所に到着後の迎撃準備訓練を重点的に行っているよう
です(2月28日、読売)。発射機5台を含む装備全てを積んだ移動車両は約30
台になるとのこと。軍事的パフォーマンスそのものであるPAC3部隊の移
動展開は、「反撃されても大丈夫」と人心を操作することで、米軍による
「やむを得ない」先制攻撃を認知させていく危険な仕掛けとなるものです。
 PAC3配備はまた、軍需産業が利益をむさぼるプロセスの出発点でもあ
ります。07年度配備分までは米ロッキード・マーチン製ミサイルが、08年度
分からは三菱重工がライセンス生産したものが配備されます。
 報道によれば、入間基地への搬入日は、3月29日。06年10月、米軍PAC
3の嘉手納基地搬入のための陸揚げに座り込みで抵抗した沖縄の人々の闘い
に続いて、地元入間の人たちによる搬入抗議行動が予定されています。

 現在、ブッシュ政権の進めるMD網構築への反発が東欧を中心に広がって
います。3月17日にはチェコ西部の米MDレーダー施設設置予定地近くのト
ロカベツ村で住民投票が行われ、設置反対が圧倒的多数を占めました。また、
ロシアは東欧のMD基地を攻撃対象にすると明言し、対抗軍拡を推進しつつ
あります。MDがグローバルな軍拡競争を誘発していることは明白です。
 入間などPAC3配備地は、迎撃作戦の出撃拠点となることで、相手国か
らの攻撃対象となるリスクを一方的に押しつけられるのです。それは、練馬
駐屯地の陸自第一師団が入間基地のPAC3の警備訓練を既に行っているこ
とにも明らかです。住民の安全に責任を負うべき自治体首長はMDの危険性
を見抜き、配備拒否の声を挙げるべきです。
 MD配備の最先進地である日本の市民の奮起が求められています。私たち
は、入間基地へのPAC3搬入の中止を要求します。そして、既成事実化に
屈することなく、MD導入への異議申し立てを継続します。