日本国首相様 防衛大臣様 2007年5月17日
NO!AWACSの会、 人権平和浜松
辺野古・新米軍基地建設のための海域調査への
海自掃海母艦「ぶんご」の投入の中止を求める要請書
政府・防衛省は、辺野古での新米軍基地建設のための海域現況調査(事前調査)をおこなうために海自掃海母艦「ぶんご」を投入した。それは沖縄民衆の軍事基地建設反対行動を威嚇し、基地に反対する沖縄民衆に日本国家が銃口を向けるという許すことのできない蛮行である。わたしたちはここに「ぶんご」の即時撤退を求め、基地建設事業の中止を求める。
辺野古での米軍の海上基地建設構想は民衆の命を張った行動によって阻止され、現在では米軍が沿岸での新基地建設をねらっている。だがこの新たな米軍基地は、グローバルな米軍再配置の中で、アジア攻撃にむけての一大統合基地になるものである。それゆえこの基地建設への沖縄民衆の反対の声はいっそう強まっている。
このような状況の中で、政府・防衛省は、海自掃海母艦「ぶんご」を送り込み、基地に反対する民衆に対し、その艦艇と掃海ヘリをもって威嚇しようとしている。さらに民衆の阻止行動に対抗し、艦員をも潜水させて調査を支援するというのである。また艦艇には掃海群司令や幕僚も乗船しているという。
このような作戦行動は、日米による新同盟とその基地建設のために、自衛隊が主権者民衆に銃口を向けることになる行為である。それは主権者の人権・平和の声を軍事的暴力で威嚇・封殺しようとするものであり、公権力の濫用にはかならない。このような自衛隊員による民衆弾圧行動につながる派遣は即時、中止すべきである。
政府は、教科書検定によって沖縄戦での集団強制死における軍の関与を削除した。だが「琉球処分」をはじめ、沖縄の植民地化・皇民化は軍事的圧力によるものであった。沖縄戦は軍事的支配のもとでおこなわれ、自死を前提に手榴弾まで配布された。それは沖縄の大地と民衆を抹殺することを前提に天皇制を維持しようとするものであった。今また政府は、教科書を歪曲し、平和と人権を基調とする沖縄民衆の反基地の闘いを、掃海母艦を以って押さえつけようとしている。
けれども、政府が今なすべきことは、戦争の史実を伝え、人間の尊厳を確立し、基地の削減・撤去をすすめることであり、民衆に軍事的圧力を加えることではない。もし「美しい国」を語るのであるのならば、沖縄でいう「命どう宝」を原点にするべきであり、民衆威嚇に向けての掃海母艦派遣など論外である。
わたしたちは、政府・防衛省が海自掃海母艦「ぶんご」を即時撤退させ、基地建設を中止することを要請する。