2007年5月19日 イラク特措法延長反対・防衛庁行動

519日、防衛庁前でイラク特措法延長に反対して、「人間の壁」行動が取り組まれ、100人が参加した(主催・ワールドピースナウ)。門前で要請書を読み、参加者がイラク特措法延長反対や辺野古での米軍基地建設反対を訴えた。ちょうど掃海母艦「ぶんご」が辺野古での調査行動に派遣された時であり、この派遣への抗議の声も高まった。

参加者は、「イラクでの自衛隊の支援は米軍支援、イラク特措法にすら違反している」「岸内閣はデモへの自衛隊治安出動を断念したが、安部内閣は辺野古の米軍基地建設のためにおこなった」「海自は民衆に銃を向けるな」「このひどい流れを止めよう」「行動する権利の行使を!」などと訴えた。北九州・広島・大阪・名古屋からの参加者も連帯のアピールをした。

その後、市ヶ谷駅の近くの公園で集会が持たれ、防衛省にむけてのデモがおこなわれた(主催・新しい反安保行動をつくる実行委員会)。防衛庁前では、名古屋・浜松・広島・大阪・東京からの要請書が読まれた。デモや要請行動に警察がさまざまな規制を加えた。憲法破壊がすすむ中での表現の自由への侵害に対して、実行委員会はきちんと抗議し、平和への意思表示をおこなった。

参加しての第1印象は、戦争は外国に対してではなく国内民衆に対して始まるということだった。今ある権利を行使して、この現実を変えていくことが求められている。 (T)

以下は、浜松の要請書と5月21日の防衛省への全国からの賛同による要請書

 防衛省の皆様                  
2007519

                        NO!AWACSの会、人権平和浜松

 

 イラクからの撤兵とMD計画・PAC3配備の中止を求める要請書

 

 防衛省と自衛隊員のみなさんに要請します。

 空自からはイラク派兵によって、すでに122400人を超える隊員が派兵されています。浜松基地からも100人を超える隊員が派兵されました。20075月、政府は国会で昨年7月以降の空自の空輸150回中、125回が米軍等の多国籍軍の要員・物資輸送であることを認めました。空自の支援実態は戦闘地域への飛行と米軍等の軍事輸送となり、「復興支援」とは異なる、文字どおりの兵站支援となっています。自衛隊には輸送積荷の正確なチェックはできていません。隊員のみなさん自身が、この派兵がイラク特措法に反する実態となっていることを知っていると思います。アメリカでは兵士自身によって本国への帰還への呼びかけが始まっています。イラク首相も空自は今年中に必要なくなると発言しています。今こそ撤退に向けての行動を、みなさん自身ができるところから、はじめるときです。

 また、空自のC130のメンテナンスのために石川島播磨や川崎重工の労働者が派遣されています。イラクでの空輸実態のみならず、この労働者派遣の実態も追い隠されています。戦争は真実を隠すのです。C130が攻撃されていたとしてもその実態は隠されたままでしょう。破損部品はひそかに交換されるとみられます。またC130 の空色の機体は浜松基地で塗装され、浜松基地がC130の派兵を支えています。わたしたちはC130のイラクからの帰還を強く求めます。隊員のみなさんも同じ思いではないでしょうか。

アメリカはグローバル戦争をすすめ、宇宙空間を支配し、ミサイル防衛(MD)網を整備して先制攻撃をおこない、情報戦・諜報戦をすすめ、グローバルな攻撃態勢に向けて軍事的再編・再配置をおこなっています。そのため、日本でも日米統合司令部の編成をすすめています。とくにMDをテコに日米の軍事的一体化をねらっています。その一環として、2007年に入り、入間基地にPAC3の配備をおこない、さらに浜松基地などへの配備を計画しています。隊員はアメリカに行ってミサイル発射の訓練をしていますが、このようなミサイル軍拡は中止すべきです。MDの実行は集団的自衛権の行使となります。このMD計画と一線を画すことが、アジアでのミサイル軍拡を止めていくことになります。MDは先制攻撃の盾であり、その配備は現憲法体制に反するものです。自衛隊のみなさん、ぜひMDの中止にむけて行動してください。

20074月下旬から空自の警戒情報の米軍への提供が始まったことが報道されています。これは米軍との軍事的一体化を象徴する出来事です。ここには浜松基地のAWACSの情報も含まれます。1990年代末のAWACS配備の時には「米軍への情報の提供はない」といっていましたが、日米の共同訓練をすすめるなかで、ついに一体化しました。この情報を集約しているのは米軍横田基地です。米軍再編・日米一体化により、自衛隊内の独立性を維持しようとする志向は失われています。このような情報提供は集団的自衛権行使につながります。この米軍との一体化は本当に必要なのでしょうか。みなさんが、情報提供を止める態勢に向けて行動することを求めます。

さらに日米の軍事秘密保全協定(GSOMIA)の締結がすすめられています。MDによる情報共有が軍事の秘密保全を呼び込み、その法整備にまですすもうとしています。それによって、民衆の知る権利はいっそう制限されようとしています。しかし、自衛官のみなさん、民衆の知る権利こそ、不当な政府の戦争行為を抑止し、みなさんの生命を守ることになるのです。

2007年の5月、海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」が幕僚や群司令を乗せて沖縄辺野古の米軍基地建設作業現場での支援に向かいました。この行動は、新米軍基地に反対する沖縄民衆への軍事的威嚇であり、民衆に銃口を向ける行為です。みなさんは、基地建設に反対する民衆に敵対することが「自衛」行為と考えるのでしょうか。沖縄戦では沖縄民衆10数万人が死を強いられ、その後沖縄はアメリカの戦争の出撃基地となってアジアへの加害を強いられてきました。そのようななか、沖縄を命が大切にされる平和な島にしたい、新たな米軍基地はいらない、ジュゴンの生きる海を守ろう、という行動は、現憲法の精神に合致する正当なものです。みなさんはこの平和行動を軍事力で押しつぶすのですか。「ぶんご」はすぐに撤収し、基地工事は中止すべきです。みなさんはその撤収を決断できるのです。自衛艦を派遣して自国民衆に銃口を向けるようなことをしてはなりません。

 今、安部政権は教育支配とマスコミ操作によって憲法改悪をねらい、国民投票法・教育関連三法改悪・米軍再編特措法などの制定をすすめています。また集団的自衛権行使を合法化しようと策動しています。けれどもみなさん、イラクで陸自の米軍と一体化した戦闘行動を止め、空自による米軍の武器弾薬輸送に歯止めをかけているのは、現・憲法第9条です。9条が、そして平和を求める市民の声が、みなさんの生命を守り、みなさんの撤退を早め、みなさんの銃口がアジアの民衆に向くことをとどめているのです。自衛官は公務員であり、現憲法を守る義務があります。武力の行使と戦争を放棄した現憲法の意義をいまこそ、再確認しようではありませんか。

わたしたちは主権者として、美辞麗句で皆さんを戦場に送り込もうとする憲政破壊政権を容認できません。このような憲法破壊のありようは民衆の平和を求める声によって必ず一掃されるでしょう。

ここで、皆さんに呼びかけ、要請します。

 アフガン・イラクからの撤兵を!

 C130のイラクからの帰還を!

 労働者の戦場派遣の中止を!

MD計画とPAC3配備の中止を!

空自の警戒情報の米軍への提供の中止を!

掃海母艦「ぶんご」の沖縄からの撤収を!

日米の軍事秘密保全協定(GSOMIA)締結の中止を!

隊内からこそ、憲法9条擁護の声を!

5月21日辺野古実行委員会主催防衛省行動

掃海母艦「ぶんご」の辺野古派遣に抗議する、辺野古実主催の防衛省行動が5月21日午後6時半から、防衛省正門前にて取組まれた。沖縄のヘリ基地反対協からも参加。


内閣総理大臣  安倍晋三 様
防衛大臣    久間章生 様
防衛施設庁長官 北原巌男 様

掃海母艦「ぶんご」の辺野古派遣に抗議する!米軍再編促進特措法を廃案にせよ!

 5月11日に横須賀基地より呉基地を母港とする掃海母艦「ぶんご」が沖縄・辺野古へ派遣され、18日、大浦湾にあらわれたその「ぶんご」から「出動した」海上自衛隊員(ダイバー)が、米軍基地建設のための周辺海域の現況調査(事前調査)に協力し、作業を進めた。
 私たちは、防衛施設庁・防衛省のこうした行為に対し強く抗議する。
 そもそも、この環境現況調査は環境アセス法の手続きを無視し環境破壊をもたらす違法行為であるが、民間業者の進める現況調査に、なにゆえに軍事組織である海上自衛隊が協力・参加することが許され、認められるのであろうか。しかも自衛隊員の身分の者がというだけでなく、大砲(76ミリ砲)を搭載した軍艦そのものが「出陣」しているのだ(おそらく通常の戦闘装備=武装をして)。これは、米軍の新基地建設に反対して丸腰(非暴力)で阻止行動を続けている辺野古住民およびその支援者に対する明白な脅しである。
 「ぶんご」派遣の根拠について、18日の記者会見で久間防衛大臣は、「官庁間協力」と語っているが、「官庁間協力」などといったあいまいなもので、軍艦の派遣まで可能とするのはどうみても異常なことである。軍事組織が無原則にその活動範囲を拡大し運用されることは許されざることである。どのレベルで誰が判断したのか。その責任は厳しく問われねばならない。

 他方で、米軍再編を「円滑に促進」するべく、「米軍再編促進特措法」が今国会で審議され近日中にも、与党の数の力によって可決成立させようとしている。この法律は、在日米軍再編(米軍基地機能強化)に異議をとなえる地方自治体及び地域住民に対して、「交付金」という札束で顔を張り、日米両政府の軍事政策を強要することを目的としている。地方自治体・地域住民への事前の説明・相談なく、日米の首脳(首相・防衛大臣、大統領・国防省)によって頭越しに決めた政策を押し付けるためにだけつくられた法案である。

 辺野古沖の新基地建設を中核とする今回の在日米軍再編は、そもそも現行安保条約の枠組みさえ大きく逸脱している。本来であるならば、少なくとも安保条約改定という手続を踏んで、その過程で国会審議を通じ主権者の判断を仰がなくてはならないはずである。だが、今回の在日米軍再編の進め方は、地元への説明も含め主権者の声を聞くという手続をいっさい採らず、反対の声を力(数の力による立法、あげくは軍艦派遣による威圧)によって踏みつぶそうとするものである。
 われわれはそうしたあなた方のやり方を決して許すことはできない。
 以下、申し入れる。

一、掃海母艦「ぶんご」を直ちに撤収させよ!
一、防衛施設庁・防衛省は、「ぶんご」派遣決定と実行に至る経緯、及びその法的根拠を主権者であるわれわれに明確に説明せよ!
一、米軍再編促進特措法を廃案にせよ!
一、在日米軍再編を中止せよ!

2007年5月21日

新ガイドラインに異議あり!北九州行動会議/
ピースリンク広島・呉・岩国/
ピースサイクル広島ネットワーク/
関西共同行動/
不戦へのネットワーク/
有事法制反対ピースアクション/
NO!AWACSの会/
人権平和浜松/
新しい反安保行動をつくる実行委員会/
市民の意見30の会・東京/
ピープルズプラン研究所/
アジア平和連合(APA)ジャパン/
ほっかいどうピースネット