第20回浜松空襲集会2007年6月 



2007618日、平和遺族会が主催して遠州教会で集会が持たれた。集会では憲法研究会案の日本国憲法への影響を示す映像を見た後、話し合いがもたれた。映像は鈴木安蔵に植木枝盛や吉野作造の影響が刻み込まれ、民権の思想が地下水脈となってこの国の憲法に影響を与えていることを示すものであった。

 話し合いでは、空襲体験が語られた。市川さんは519日の空襲で家屋が破壊されたこと、6月18日の空襲では北田町の知人一家が全滅したこと、艦載機によって上島付近で攻撃されたことなどを語った。伊藤さんは静岡での空襲体験を語り、619日に疎開していた実家の蔵が消失したことや清水への艦砲射撃の状況を語り、人々が亡くなった状況を語った。93歳の伊藤さんは最後に、「日本がどんなにひどいことを外に向かってしたのかの方が恐ろしいし恥ずかしい、そういう国にならないようにすること、よその国にひどいことをすることのない国であってほしい」と語った。

 集会では、憲法を改悪して戦争をする国を作り、子や孫が戦争で殺したり殺されたりするようになりつつあることへの危惧や、「けしからん北朝鮮」という煽動に乗せられてはいけないし原罪意識も大切といった想いなどが語られた。

 高齢な20人ほどの集まりであったが、反戦平和の基本的な視点が提示された場となった。映像や話を聞いていて、この国の戦後史を「甦る民権」というテーマで見直すこともできるように思った。被害をきちんと被害として認識し、その尊厳を回復し、被害をもたらした戦争の責任を問うことのできる社会とすることを、今からでもはじめていくしかないと思う。                                (T