ピースサイクル浜松行動2007年7月25日
7月25日、ピースサイクル浜松による浜松市と浜松基地への要請行動がおこなわれた。浜松市には平和行政の確立を求め、非核平和都市宣言、航空自衛隊浜松基地の撤去、AWACSの廃棄、PAC3(新型ペトリオットミサイル)配備反対、中部電力浜岡原子力発電所プルサーマル計画反対などを要請した。話のわからない市民生活課長にはきちんと話を聞く理性的な態度を求めた。
浜松基地にはNO!AWACSの会の行動監視の経緯を文書で示すこと 、 情報保全隊調査の全資料を公開すること
、請願権侵害行為を謝罪すること、 市民運動への監視を中止すること 、分類による名誉侵害について謝罪すること、自衛隊内での人権啓発教育をおこなうこと、自衛隊はイラクから撤兵すること、AWACSの朝鮮監視飛行を中止すること、PAC3浜松配備計画を中止すること、日米一体化をすすめる米軍再編を中止すること、軍縮と対話による東アジアの平和にむけての独自外交をすすめること、などを要請した。対応について理解のかける渉外担当には「さわやか行政サービス」の社会的意義を示した。
2007年7月25日
浜松市長 鈴木康友 様 ◎ ピースサイクル浜松
◎ 人権平和浜松
◎NO!AWACSの会浜松
平和行政の確立を求める要請書
私たちピースサイクルは、自転車を使って全国を走る平和運動です。毎年6月から8月にかけて、沖縄をスタートし、8月6日のヒロシマ、8月9日のナガサキに向けて、日本全国をサイクリングしながら核兵器の廃絶をはじめ平和・環境・人権に関することをアピールしています。
浜松市は、2005年7月1日近隣の12市町村合併で新・浜松市が誕生しました。また、今年の4月に政令指定都市へと移行しました。浜松市に合併する前までは、12の市町村のうち6つの自治体で、平和都市宣言を実施していましたが、合併と同時にこれらはすべて無効となり、あらためて80万都市にふさわしい「平和都市宣言」を行う必要があります。いま世界のあちこちで戦禍がたえません。
政府は、「教育基本法」改悪をはじめ「防衛省設置法」「改憲手続き法」「イラク特措法延長」など次々と悪法の強行採決をはかりました。さらに、明文憲法までの間、政府の憲法解釈を変えることによって集団自衛権行使に道をひらこうとしています。
市長は非暴力不戦の精神にたっての自治体運営をおこなう意思を政府と市民に対して示すべきである。いまこそ自治体が誤った政府の動きを抑える平和力を示すときである。市長は、市民の命と暮らしに直接責任を負う立場として、国の問題ではなく「当事者」としてこれらの法案の廃案に向け尽力されるようお願いします。
航空自衛隊浜松基地には、98年のAWACSの配備、T4練習機の追加配備、さらにPAC3(新型ペトリオットミサイル)配備など、市政と市民の利益にならない基地の増強が続いています。私たちは、軍備拡大でなく自治体による平和のための外交努力であり、平和行政の取組が必要だと考えます。
市長は、今こそ市民の平和的生存の立場にたって市の行政を展開していただきたく、以下の要請を行います。
記
1 浜松市長は、非核平和都市宣言をしてください
2 浜松市長は、航空自衛隊浜松基地の撤去を国に対して要請してください
3 浜松市長は、AWACSの廃棄を市民とともに訴えてください
4 浜松市長は、PAC3(新型ペトリオットミサイル)配備に反対の意思表示をし てください
5 浜松市長は、中部電力浜岡原子力発電所のプルサーマル計画に反対の意思表示を してください
日本国首相様 防衛大臣様 2007年7月25日
浜松基地指令様 ◎ピースサイクル浜松
要 請 書
私たちピースサイクルは、自転車を使って全国を走る平和運動です。毎年6月から8月にかけ沖縄をスタートし、8月6日のヒロシマ、8月9日のナガサキに向けて、全国をサイクリングしながら核兵器の廃絶をはじめ平和・環境・人権に関することをアピールしています。
6月6日、自衛隊の情報保全隊による300を超える市民団体、政治党派、などのイラク反戦運動への情報活動の実態の一端が明らかにされました。
ここには浜松のNO!AWACSの会が要請書を送付しそれをネット上で記したことや防衛庁前でNO!AWACSの会の要請書が手渡されたことなども記載されていました。請願権は憲法が保障する権利であり、その権利を守るために請願法では請願は誠実に受け取り、不利益な取り扱いをすることがないようにと規定されています。しかし今回の情報保全隊の調査と記載は、政府機関が特定の政治的意思で請願行為を差別選別するものであり、請願の権利の自由を著しく侵すものです。
ここに今回の権利侵害に対して強く抗議し、このような記載の経緯を文書で示すこと、全資料を公開すること、請願権侵害行為を謝罪すること、市民運動への監視を中止することを求めます。
政府の軍事組織が市民のさまざまな活動をS・P・NL・CVなどと選別する行為をおこなうことは、特定の政治的判断によって思想信条で市民を差別することであり、人権を侵すものであり、あってはならないことです。事件の再発防止にむけ、自衛隊においては、市民の人権擁護に関する啓発・研修をおこなうべきです。浜松基地でも近年、女性自衛官へのセクハラ、いじめによる自殺事件などが起きています。このような事件の再発防止にもなるでしょう。
現代のグローバル戦争の特徴は、宇宙支配、予防先制攻撃、情報戦・諜報戦などにありますが、情報保全隊の活動はこの情報戦・諜報戦にほかなりません。それは対外戦争をすすめる中で自国の市民のなかに敵を想定する行為であり、現憲法の人権・平和の条項に反するものです。まさに、憲法に反して自衛隊をイラクに派兵する政府の行為が、自衛隊の諜報部隊をして市民運動を監視し、それらの活動の思想信条を調査するという人権侵害の行動へと追い込んだのです。イラク派兵を進めた政府の責任は重大です。
辞任した久間大臣は「反対運動から隊員や家族を守るため」と弁解しましたが、憲法第9条の存在と派兵反対の声が、派兵地域を限定し隊員を直接的な戦闘から守っているのです。この憲法を改悪し隊員を戦場に送り込もうと画策し、隊員の生命の安全を犯そうとしているのは政府自身ではないですか。大臣は発言を撤回し、全関係団体に謝罪し、再発防止に努め、イラクからの撤兵を進め、今後は一切の海外派兵を中止すべきです。
イラク戦争にともなう自衛隊の海外派兵がねらわれるなかで、2003年秋の空自総合訓練では、浜松基地に反戦団体が潜入することを想定して銃を持っての治安訓練がおこなわれました。このような教育を受けている自衛隊員にとって反戦・平和団体は「敵」になります。このような意識を隊員に刷り込んできた自衛隊の責任は厳しく問われなければなりません。
2006年10月末には、浜松基地前でイラク派兵中止などの要請書を手渡す際、基地側警備隊が要請団を取り囲む過剰な警備をおこない、請願権を侵害する威圧を加えました。警衛隊は要請団が集まったバス停近くで情報を収集し、基地正門前での要請を始めようとすると、戦闘服や迷彩服を含む警衛隊10人ほどが「安全確保」を名目に、基地正門から外に出て要請団に密着してきたのです。それが威嚇的過剰警備であり、請願権の侵害であると抗議すると、担当官は警衛隊を基地内へと戻しました。この事件から自衛隊が市民団体を敵視する傾向を強めていることを感じました。
私たちは、浜松を再び戦争の拠点としてはならないと考え、自衛隊のイラク派兵に反対してきました。今も同様であり、イラクからの撤兵を求めます。自衛隊員には派兵に反対する市民の声を聞く権利もあると考えます。
今回の事件は、政府・自衛隊による人権侵害です。以下の要請を行いますので、誠意ある回答を求めます。
記
@ NO!AWACSの会の行動についての記載の経緯を文書で示すこと
A 情報保全隊調査の全資料を公開すること
B 請願権侵害行為を謝罪すること
C 市民運動への監視を中止すること
D 分類による名誉侵害について謝罪すること
E 自衛隊内での人権啓発教育をおこなうこと
F 自衛隊はイラクから撤兵すること
G AWACSの朝鮮監視飛行を中止すること
H PAC3浜松配備計画を中止すること
I 日米一体化をすすめる米軍再編を中止すること
J 軍縮と対話による東アジアの平和にむけての独自外交をすすめること