日本国首相様 防衛省大臣様 2007年8月15日
浜松基地司令様 人権平和浜松
NO!AWACS の会
空自第13期イラク派兵(浜松第24派・25派)に抗議し
イラクからの撤兵を求める要請書
空自第13期イラク派兵要員として、2007年7月6日、浜松基地から2人が派兵されました。さらに8月10日には浜松基地で3人の見送り式がおこなわれ、8月20日には小牧基地からイラクへと派兵される予定です。私たちは、浜松を再び派兵の拠点にすべきではないと考え、この浜松からの第24・25派にあたる派兵に強く抗議し、イラクからの即時の撤兵を求めます。
この1年間の空自によるバグダッドへの空輸では、米兵中心に1万人を輸送し、国連用の空輸でも米兵が乗降するなど、米兵の空のタクシーとなっている実態が報道されています(中日7・23)。現地では、ミサイルの脅威情報による運行中止や輸送機のセンサーの警報作動が日常化し、昨年秋にはC130が機体を急旋回させ、ミサイルらしき白煙を確認したとも報道されています(産経7・26)。
イラクでの空輸は「人道復興支援」ではなく、戦闘地域への米兵輸送という軍事支援になり、イラク特措法にも反するものとなっています。派兵は即中止すべきです。
浜松基地のAWACSは米軍との共同訓練を繰り返しています。最近の動きをみても、4月末には沖縄での日米共同訓練に参加し、AWACSが嘉手納に展開中の第27遠征戦闘飛行隊のF22という侵攻作戦用の戦闘機をも管制指揮したとみられます。6月には沖縄周辺で米軍の空中給油機からF15への給油訓練を管制指揮しました。これらの沖縄での訓練はアジアへの侵攻につながるものです。7月にはアラスカでの共同訓練(レッドフラッグアラスカ)に参加し、F15の米軍機からの給油を受けての移動がおこなわれ、AWACSが管制指揮しました。
さらに7月6日におこなわれた弾道ミサイル共同訓練では、AWACSをデータ送信の中継役として日本海空域に飛行させ、日米イージス艦のLINK16からの情報を防衛省や空自・海自司令部に送らせました(朝日7・11夕)。来年1月にはMD共同実働訓練まで計画されています(読売7・5)。AWACSを組み込んでのMD日米共同作戦態勢づくりがすすんでいます。
このような日米の共同作戦態勢を強化し、民衆を監視するために、GSOMIA(日米軍事情報包括保護協定)が8月10日に締結されました。この協定は、日米共同作戦にむけて軍事的一体化をすすめ、民衆の知る権利を侵害するものです。そのような問題のある協定を外相と駐日大使の署名で発効したのです。「国会承認は必要としない」とし、協定では「国家安全保障のための保護を必要とする情報」を保全するために守秘義務を強制し、保安検査まで実施するというのです。
国民を監視する態勢はできるだけなくすように政治をすべきです。しかしGSOMIA締結は米軍から情報を受け、その戦争を進めるために国民を監視する態勢づくりであり、あってはならないものです。このような動きは国民の思想調査にまで及ぶでしょう。政府は自衛隊員の思想信条をも「情報保全」の名で監視することをもくろんでいますが、これは現憲法に反する行為です。
7月末の参議院選挙では政府与党は惨敗しました。「国民を顧みない政治」にNO!が突きつけられたのです。戦争を想定して「憲法改正」を声高に叫び、「私の内閣」と語って政治を私物化する政権に未来はありません。これ以上日米共同作戦態勢を強化する必要はありません。朝鮮半島での戦争状況の終焉と平和協定の締結をすすめ、グローバルな平和的共同を展望すべきです。アジア人同士を殺し合わせて、利権を得るという政治はもう要りません。
テロ特措法の延長をめぐって参議院で第1党になった民主党は否定的です。アフガンでの戦争は国際社会の意向を無視したアメリカの侵略であるからです。アフガン攻撃をおこなう米軍への海上自衛隊による給油もまた中止すべきです。テロ特措法の延長中止を望んでいるのはインド洋の自衛隊員自身です。それによって日本への帰還ができるからです。イラク特措法によって米軍のタクシー役を強要されている空自隊員も同じ気持ちでしょう。自衛隊の上層部も同様でしょう。ブッシュ政権の終焉も近づいています。対立を煽って戦争を進める政策を放棄し、新しいグローバルな平和構築に向けての政策を探求するときです。よって以下を要請します。
イラク・アフガンからの自衛隊の撤兵をすすめること
ミサイル防衛計画による日米の軍事的一体化を中止すること
PAC3の配備計画を中止すること
AWACSの日米共同作戦への投入を中止し、AWACSの廃棄に向けて検討すること
基地司令は撤兵にむけて行動すること