武力で平和はつくれない11・3市民集会、11・4防衛庁抗議行動 東京
11月3日午後、武力で平和はつくれない11・3市民集会が東京の日比谷野音で持たれ、全国から4000人が参加した。主催は平和フォーラムや許すな!憲法改悪市民連絡会など市民団体が作る実行委員会。集会ではアフガン・イラクからの撤退や教科書書き換えへの批判が相次いで出された、集会後、デモがおこなわれ、市民に反戦平和を呼びかけた。
この集会の先立つ11月2・3日には第44回護憲大会が都内で持たれ、3日にはさまざまな分科会が持たれた。
分科会での議論から感じたことは、日本近代の民権・護憲運動においては天皇制批判と朝鮮認識が運動の弱点であったこと、戦争を止めるにはこの弱点の克服が求められること、現在を戦時としてとらえ、恒久派兵法制定の動きを実質的な改憲としてみなし阻止すること、本質を見抜く力としての歴史認識が大切なこと、奴隷精神を克服し、民衆が歴史を獲得する時代へと地域から運動をつくること、などだった。
11月4日には新反安保実行委員会の呼びかけによる防衛省抗議行動が取り組まれた。防衛省へのデモがおこなわれ、大阪・広島・名古屋・浜松・神奈川・東京からの要請書が手渡された。
防衛大臣及び防衛省職員・自衛隊員の皆様 2007年11月4日
NO!AWACSの会(浜松)
イラクからの自衛隊の撤退と新テロ特措法制定の中止を求める要請書
11月1日、政府防衛省はテロ特措法の期限切れにより、補給艦ときわと護衛艦きりさめに撤収を命令し、海上自衛隊のインド洋・ペルシャ湾からの帰還がはじまりました。また航空自衛隊の米軍支援輸送も10月31日の横田・嘉手納便をもって終了しました。
私たちはこのテロ特措法期限切れによるアメリカの侵略戦争への日本の支援中止を、心から歓迎します。そして、新たな派兵法の制定の中止とイラクからの撤退も、ここに強く要請します。
すでに浜松基地からは13期25派に及ぶイラクへの派兵がおこなわれてきました。この11月と12月には空自第14期第26派・27派の派兵も予定されています。このような派兵は浜松を再び戦争の拠点とすることであり、即時中止すべきです。またMD計画・PAC3の配備計画も中止すべきです。
いま政府が制定を狙う恒久派兵法は自衛隊の海外派兵を恒常化するものです。それは憲法9条に反し、自衛隊員の生命を米軍の戦争支援のために使い捨て、隊員をアジア等の民衆を殺戮する側に追いやるものです。私たちはその制定に断固として反対します。
この間、防衛省のスキャンダルが明らかになってきました。前政務次官が山田洋行からさまざまな接待を受け、GEとの次期輸送機エンジンの契約にあたって便宜供与したというものです。
政治家や官僚が利権や賄賂でアメリカに追随する政策を進め、GEや三菱などの戦争企業が利益をあげてきました。今回のスキャンダルはそのひとつです。利権を食い物にしてきたものたちは、グローバル戦争による戦時態勢をすすめ、テロ特措法やイラク支援をつくりました。防衛省職員・自衛隊員は戦争政策を担い、隊員が戦地に送られてきました。他方、前政務次官は200回以上のゴルフ接待を受け、料亭での飲み食いの生活をしてきたのです。
「美しい日本」などと語って、歴史を改ざんし、憲法改定を掲げた安倍政権は参議院選挙に敗北し崩壊しました。それにより、防衛省職員・自衛隊員のみなさんはアフガン戦争への支援から解放されました。今こそ、戦争支援法をすべて廃棄し、戦争ではない国際協力の政策をとるときです。私たちは皆さんがイラク戦争からも解放されることを心から望みます。自衛隊情報保全隊が監視すべきは政府の行動であり、自衛隊は米軍支援や民衆監視の実態を公開すべきです。
多くの血と涙を経て成立した憲法9条は今もあり、権力による歴史の改ざんを許さない声は大地の記憶とともにあります。民衆の反戦運動と第9条こそ、皆さんの生命を守るのです。
私たちは皆さんに要請します。
アフガンに続きイラクからの撤退をすすめること
自衛隊による米軍支援や民衆監視の実態を公開すること
新テロ特措法・恒久派兵法を制定しないこと
グローバル戦争への加担を中止すること
アジア民衆をはじめ兄弟姉妹を撃つな!殺すな!
(T)