日本国首相様 防衛省大臣様                 20071219
浜松基地司令様                        
                              
人権平和浜

    NOAWACS の会                      

 空自第14期イラク派兵(浜松第26派・27)に抗議し、

イラクからの撤兵と「ミサイル防衛」の中止を求める要請書 

 

 空自第14期イラク派兵によって、浜松基地から2007119日に9人、1214日には4人がイラクへと出発させられました。これらの派兵は浜松からの第26派・27派の派兵にあたり、今回は計13人というこれまでで最大の派兵人数です。2004年以来の浜松からのイラク派兵人数は100人ほどになります。わたしたちはこの派兵に強く抗議し、イラクからの撤兵を求めます。「イラク人道復興支援」などと形容していますが、それは嘘であり、アメリカ軍の物資・人員の輸送支援がその本質です。浜松を戦争の拠点にしてはなりません。

 1129日未明には習志野基地にPAC3が配備され、1218日にはハワイ沖でアメリカと共同して海自のイージス艦によるSM3発射実験がおこなわれました。これらは「ミサイル防衛計画」(MD)によるものです。SM3一発が20億円、SM3用イージス艦改修費が約400億円といいます。それらのほとんどがアメリカに支払われるというのです。

この実験がおこなわれている時期、薬害肝炎被害者の一括救済要求に対し政府が応じない姿や、このMDを日本で推進してきた前事務次官が汚職で再逮捕される状況が報じられています。この国が民衆の権利を実現するのではなく、軍事利権にまつわる者たちがアメリカに追随して利益をあげている姿が浮き彫りになっています。ミサイル一発の費用でどれだけ多くの民衆が救済されることでしょう。また、前事務次官の利権にはイラク派兵とMD推進があるとみられ、そこを明らかにすべきでしょう。

浜松基地にもPAC3ミサイルが配備されようとしています。浜松配備分の三菱重工へのPAC3関連契約額は05年度契約分で約540億円と巨額なものです。MDによって日米の共同作戦体制が強化され、集団的自衛権が行使されます。MDは憲法9条を破壊するものであり、憲法違反です。そのための武器の配備も同様です。配備は即中止すべきです。「ミサイル防衛」もまた嘘であり、アメリカの「先制攻撃」という名の殺戮と侵略行為の一部にほかなりません。

ハワイ沖での実験の際、米軍はカウアイ島ノヒリの砂丘にあるミサイル発射場から模擬弾を飛ばしました。ここは先住民族が聖なる場として墓地にしてきたところといいます。ミサイル訓練は先住民族の墓地を収奪しての基地建設と、大地と空を汚染しておこなわれているのです。アメリカは地球を支配し宇宙空間までをも戦場化し、MDをすすめていますが、そのような方向に人類の未来はありません。先住民族の精神世界から学ぶ姿勢こそ求められています。軍事中心の志向性を根本から見直すべきでしょう。

首相、大臣、基地司令においては、イラクからの撤兵とMDの中止をすすめる行動をとることを、ここに要請します。