岐阜・武山・東京からの報告20081〜2
 
PAC3をめぐる動き
 

 

08127岐阜要請行動 岐阜基地と川崎重工へ

各務原にある岐阜基地と川崎重工への申し入れ行動が約30人でおこなわれた。午後からは、「核とミサイル防衛にNO!キャンペーン」の杉原浩司さんを招いて集会を持った。岐阜基地へは09年度にPAC3が配備される予定だ。隣接する川崎重工では、次期輸送機CXの開発が進んでいる。

岐阜基地への申し入れ書(08127日不戦へのネットワーク、127岐阜行動参加者一同)の要約。   

2002年に川崎重工を主契約者として選定し、基地に隣接する川崎重工の工場で開発した輸送機CXCXはC130にくらべ積載能力、航続距離、速度とも格段に上まわります。開発には1兆円近くかかっています。 GE社からのエンジン購入にあたって守屋前事務次官とGEの代理店日本ミライズとの癒着が明らかになっています。この CXの「12t積載時に8900キロメートルの航続距離」という能力は必要ない。」

1218日に海上自衛隊のイージス艦「こんごう」がハワイで海上配備型ミサイル(SM3 による弾道ミサイル迎撃実験をおこないました。ミサイル防衛(MD)は当面導入する システムだけで1兆円、将来的には6兆円かかるといわれています。SM3の開発には三菱重工やIHIも参加しています。PAC308年配備分からは三菱重工がライセンス生産し、受注額500億円規模と言われています。三菱重工には公的助成も検討されているとのことです。MD導入は、国民に安心を与えるものではなく、新たな軍拡と軍事的緊張そして莫大な利権を生みだすものと考えます。ミサイル防衛は先制攻撃とセットで考えられており、防衛のためのシステムというより攻撃のためのシステムと言えます。また迎撃ミサイルは命中率が低いといわれていますが、将来的な軍拡、技術競争も考慮すると、MDは永遠の利権となります。」

「ワーキングプアに象徴される貧困の問題や医療崩壊など、この国には「人命軽視」があふれています。MDの導入はけっして平和や安心をもたらすものではなく、あまりにも大きな無駄遣いです。また宇宙の軍事的利用や、集団的自衛権行使、武器輸出三原則の見直しなど大きな問題をふくんでいます。私たちは空中給油機の配備にも反対ですが、岐阜基地に関わる次のことを申し入れします。CXの開発、配備をやめること、PAC3の配備をやめること」


 川崎重工への申し入れ書「川崎重工各務原工場工場長および従業員の皆様へ」(不戦へのネットワーク、127岐阜行動参加者一同)要約

「一「武器輸出三原則の見直し」の流れに協力しないでください。昨年、1225日、参議院外交委員会で日本経団連の防衛生産委員会は、生産した武器や技術を輸出できるよう三原則の見直しを要求しました。専守防衛を旨とした防衛生産方針という貴社の方針が、破られようとしています。こうした武器輸出論議に加わらないでください。」
「二 海外派兵恒久法づくりに反対してください。イラクでのC130輸送機が、占領軍である米兵や軍需物資を輸送することで戦争に協力し、事実上参戦しているように、皆様が生産を予定しているCX次期輸送機40機も同じように戦闘に使われてしまいます。皆様の持っている技術を世界中の人々から喜ばれる生産物へと活用できる、社会的政治的条件をしっかりと作るためにも、派兵恒久法づくりの流れに反対してください。」
「三 武器生産の拡大ではなく、縮小を要求してください。武器生産の役割を縮小する方向を選択してください。完全に「死の商人」の仲間入りをする前に、皆様も声を上げてください。AWACSや空中給油機の補修・点検もやがて戦争協力業務になってしまいます。自衛隊員が一人も殺されず、一人も殺していない今こそ、全社あげて真剣に議論してくださることを強く要求致します。」             (名古屋の報告記事から編集)


08.1.30
武山(横須賀)PAC-3搬入抗議行動
  

PAC-3130日、午前330分、自衛隊武山基地に配備された。当初、19日と言われていたのだが、遅れた。武山は、敗戦から1959年の返還まで米陸軍が駐屯(「キャンプ・マクギル」)、今では航空自衛隊第2高射隊、陸上自衛隊武山駐屯地・第一普通科連隊・第一教育団・少年工科学校、海上自衛隊横須賀教育隊などの部隊が駐屯する約100ヘクタールの広大な基地だ。

  市民グループ非核市民宣言運動ヨコスカが午前2時ごろから抗議行動を開始。すでに、右翼団体30名ほどが正面ゲートで「歓迎行動」、県警機動隊が基地南門に向おうとする市民を阻んだが、市民は門に近づいていった。門の反対方面からの横須賀地区労や平和運動センターが、右翼団体から蹴られる暴行をうけた。抗議行動の参加者は50名ほど、機動隊員・制服私服警官はそれぞれ100人・50人前後。
 午前3時半ごろにPAC-3の架台用車輌を積んだトレーラなどの車列が到着した。市民・労働組合の抗議のシュプレヒコールの中、基地の中に運ばれていった。ミサイルそのものは後日配備。武山基地への配備は「横須賀基地を守るためだけのものだ」という強い怒りの声があがった。午前4時に抗議行動は終了した。  (神奈川の報告記事から編集)

 

08.2.3  「MDとPAC3に反対する防衛省デモ」

23日、PAC3ミサイルの「移動展開訓練」の中止と「ミサイル防衛」からの撤退を求める防衛省デモが行われた。降りしきる雪に加えて、出発地点の市ヶ谷外濠公園そばには右翼団体の街宣車が乗りつけて中傷、デモコースにも侵入し妨害。集会参加者は埼玉、千葉、神奈川、茨城など各地から約60人が集まった。

デモ出発前の集会では、横須賀から「ヨコスカ平和船団」が130日未明の武山基地へのPAC3配備抗議行動、千葉の「パトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委」の反対運動、入間で活動してきた「平和の声・行動ネットワーク(入間)」の活動、「戦争協力させない東京ネットワーク」による「移動展開訓練」に反対しての東京都交渉などの報告、さらに「核とミサイル防衛にNO!キャンペーン」の順に発言を受けた。

「先制攻撃に道ひらくPAC3配備反対」「STOP MD」などの横断幕を先頭にデモをおこない、「軍拡競争をもたらすミサイル防衛反対!」「宇宙軍拡につながるミサイル防衛反対!」「公園でミサイル訓練をするな!」「防衛省も自衛隊もいらない!」などと声を響かせながら防衛省正門前に到着した。防衛省に対し「核とミサイル防衛にNO!キャンペーン」、「パトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委」「市民ネットワーク千葉県」の3通の要請書を読み上げ、手渡した。
 解散地点では、関西共同行動、辺野古への基地建設を許さない実行委員会、霞ヶ浦基地へのPAC3配備に反対する茨城の仲間から発言を受けた。最後に、展開候補地となっている公園や駐屯地のある自治体への働きかけを強めることなどを確認した。

25日、石原都知事は防衛省で講演し、PAC3の展開先を「まず皇居前でやりなさい。皇居を守り、(近くに)日本の経済中枢があるわけだから。あそこで装備を見せることで国民の自覚、危機感が出てくる」と語ったという(時事通信)。また防衛省に対し「目立つようにやってくれ」と全面協力する方針を伝えたことも明らかされた。防衛省と東京都への抗議が必要だ。                 (東京からの報告記事から作成)