2008年5月3日憲法記念日のつどい
5月3日(土) 10時開会 浜松市・地域情報センター
主催:浜松・憲法九条の会
「考えよう、憲法九条からみた今の自衛隊」内藤 功
(弁護士、元長沼ナイキ訴訟弁護団)


 200853日、浜松・静岡の憲法集会

 

浜松市では、浜松・憲法9条の会の主催で講演会がもたれ、内藤功さんが「考えよう、憲法9条からみた今の自衛隊」の題で講演した。参加は210人。

内藤さんは、2008年の名古屋高裁でのイラク派兵裁判の判決について、空自のバグダッド空輸が憲法9条第1項違反であると認めたこと、平和的生存権を戦争から国民を守るための具体的権利として認めたこと、イラク派兵による原告の精神的苦痛を認めたことの3点にまとめた。続いて、砂川・恵庭・長沼・百里の裁判での教訓を紹介し、裁判で負けても運動で勝つことの意義を述べ、今回の違憲判決が全国11地裁でのイラク派兵違憲訴訟のたたかいの共通の勝利であるとした。

また、憲法9条の改悪の背景を指摘し、自衛隊と米軍の一体化の現状を批判、軍備拡大の背後には商略があり、兵器生産で儲けようとする者たちの存在を示した。ミサイル防衛の問題についても触れ、防空構想の虚構、先制攻撃を前提としての配備、軍事力による防空が成り立たないこと、守れるように偽っていること、軍産複合体が血税を吸っていることなどを指摘した。そして、9条による国づくりと外交が大切であるとし、恒久派兵法制定の動きを批判し、訓練の強化の中で自殺や病気が増加する自衛隊員の現状をふまえ、自衛隊員の生命や家族の救援の視点をも示した。

40年を超える憲法擁護の弁護活動をふまえての講演は充実したものであった。

 

静岡市では、しずおか憲法9条を擁護し実現する会の集会が持たれ、上杉聡さんが「歴史認識と憲法」の題で講演した。参加は350人。

  

上杉さんは53日が東京裁判の開廷日であることを紹介し、裁判での不徹底な戦争責任追及について触れ、不十分な追及で生き残ったものたちが戦後の支配体制の一角を占めてきたことを指摘した。また、沖縄集団自決問題での教科書検定での「旧軍人グループ」の動きについて紹介し、それが「つくる会」らの日本軍強制記述の削除につながったことを示した。

さらに、右派の復古的宗教団体と元軍人団体などで構成される日本会議の動きを紹介し、その核に「生長の家」元学生部グループがあることを指摘、右派安倍政権の実態とその崩壊の経過を分析した。そして、自民党内部のリベラルとタカ派の勢力構造、右派の新党構想の危険性、平和憲法を根底から崩そうとする動きとその背後にある右派組織の実態を見たうえで、憲法を変えようとする動きを封じ込めることを呼びかけた。

集会では最後に、中国残留者が残留孤児となった経過を話し「日本が再び軍国主義の道に行かないように」と呼びかけた。

 

袋井市では、憲法記念日袋井市民のつどいの主催で集会がもたれ、大澤豊さんが「平和憲法は世界の宝」と題して講演した。参加は200人。

大澤さんは戦争体験をふまえ、「日本の青空」製作と日本国憲法に組み込まれた民権思想について紹介した。                            
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