イラクからの空自の即時撤兵を求める要請書
2004年初めからの空自の派兵はすでに15期に及び、浜松基地からはこの4年間でイラクへと100人を超える隊員が派兵されました。各地からの空自の派兵人数はのべ2500人になり、空自の現地での輸送は700回ほどとなっています。とくに、2006年7月以後はバグダッドへの米軍輸送が中心となり、この2年弱で2万人もの米兵を輸送したといいます。派兵されるC130は浜松基地で空色に塗装され、浜松南方の遠州灘沖でも飛行訓練をしています。浜松はイラク戦争への派兵拠点となっています。私たちはこの現実に抗議し、即時の撤兵を求めます。
2008年4月17日には、名古屋高裁がイラクでの空自の活動を違憲とする判決を出しました。判決では、空自のバグダッド空輸を憲法9条第1項違反であると認め、平和的生存権を戦争から国民を守るための具体的権利として認めました。政府はこの判決に従うべきです。また政府はC130による米軍輸送の全貌を明らかにすべきです。
4月14日には、2005年に浜松基地で自殺した隊員の遺族が、自殺が隊内での暴言・暴行などの人権侵害によるものと、損害賠償を求める裁判を起こしました。自殺した隊員はイラク派兵によりクウェートへと派兵された隊員のひとりです。派兵による人員不足も人権侵害の一因とされ、帰国すると人権侵害はさらにひどくなったといいます。自衛隊は人権侵害の実態の真相を明らかにすべきです。イラク派兵などの海外派兵を中止することがこのような人権侵害と自殺を減らすことになります。
4月の日米共同の空中給油訓練では、浜松のAWACSの管制指揮の下で、米軍嘉手納基地の米軍空中給油機が日本の千歳基地のF15に給油する訓練をしています。このような訓練は対外侵攻につながるものであり、中止すべきです。また「ミサイル防衛」計画による浜松基地へのPAC3の配備計画も撤回すべきであり、宇宙の軍事化をすすめる「宇宙基本法」の制定も断念すべきです。
以上要請します。