日本国首相様 2008年10月23日
NO!AWACSの会 人権平和浜松
新テロ対策特措法改定案の廃案とインド洋からの即時撤退を求める要請書
政府はインド洋での米艦などへの給油を継続するために新テロ対策特措法改定案の審議をすすめ、衆議院での可決を経て近日には参議院での採決がおこなわれようとしています。私たちはアメリカのアフガン戦争を支援するこの法案の廃案とインド洋からの自衛隊の撤退をここに強く要請します。
8月末にアフガニスタンで農業支援をおこなっていた伊藤和也さんが殺害されました。伊藤さんは私たちの会員も居住する掛川の出身であり、地元の農業高校と農林短大で学び、アメリカでの農業体験を経て、2003年末からペシャワール会での現地活動に参加してきました。ご両親や友人は悲しみをこらえ、「和也はアフガニスタンの星になった」とかれの志を讃えています。お通夜には多くの人々が参列し、私たちも悲しみを分かちました。
伊藤さんのご遺族はいいます。「私たちは決してアフガニスタンを憎んでいません。」「和也は私たちが無くしていたもの、忘れていたものを教えてくれました。思いやり・人の心の暖かさ・そして急ぐ事無くゆっくりでも少しずつ積み上げていく事の大切さ、道徳の心を」と。
憎しみを煽って空爆を繰り返すこと、その空爆ためのガソリンを給油することは冷酷な行為であり、「思いやり」のない殺人行為です。日本政府はアメリカのグローバル戦争の支援ではなく、民生支援につながる方向へと政策を転換し、平和の道を「ゆっくりでも少しずつ積み上げ」ていくべきです。
アフガニスタンでの治安の悪化はアメリカによる戦争政策にあります。その米軍を支援する日本を、アフガニスタンの人々は真の友人としてみなさなくなってきました。軍事中心の政府の対応が、農業支援をおこなう若い青年の生命を奪うことにつながったとみるべきです。まず、新テロ特措法による給油活動を中止し、農業や医療などの民間支援活動がおこなえるような条件を整備すべきです。インド洋からは即時撤退すべきです。