2009.4.1 ミサイル防衛発動に抗議する防衛省要請行動 

「『迎撃』名目のミサイル防衛発動を許すな!4・1防衛省行動実行委員会」の呼びかけで防衛省前に50人が集まった。実行委員会はパトリオットミサイルはいらない!習志野基地行動実行委員会、平和の声・行動ネットワーク・入間、核とミサイル防衛にNO!キャンペーン、横須賀平和船団などで構成されている。浜松からも参加して、PAC3配備の状況とグローバルな平和・軍縮について話した。右翼団体の宣伝カーが妨害を繰り返す中での要請行動だった。日本山妙法寺や神戸のグループからも要請書が渡された。


 

防衛省大臣様                                       2009年4月1日

日本国首相様                                     NO!AWACSの会

                                                 人権平和・浜松

「破壊措置命令」の撤回と浜松基地のPAC3の秋田・岩手からの撤退を求める要請書

麻生政権は、327日、朝鮮による「衛星」発射準備を利用して「破壊措置命令」を出し、「ミサイル防衛」を発動させました。それにより、部隊を実戦配備し、戦争の開始につながる態勢をとろうとしています。それは排外主義を煽り、外交努力ではなく軍事的威嚇を行使するものであり、このような動きに、私たちは強く抗議し、その撤回と部隊の撤退を求めます。

この命令によって首都圏では、市ヶ谷を中心に朝霞・習志野にPAC3が配置され、佐世保のSM3を持つイージス艦「ちょうかい」「こんごう」なども配備されています。

浜松基地のPAC3は浜松を29日の朝に出発しました。迷彩服姿の自衛隊員が実戦を想定して北門に立って警備し、一般車両は警察に規制され、迷彩服を着用した隊員を乗せた47台・4基分のPAC3の軍用車両が基地を出て行きました。それは軍事的大移動でした。

部隊は東名高速から清水港で民間船第1有明丸に乗り込んで仙台に移動し、さらに東北道を使い秋田・岩手に展開するというものでした。ここでは民間の有事動員もおこなわれたのです。

PAC3部隊は秋田の空自加茂分屯地や陸自秋田駐屯地に指揮・通信関係を置く形で、秋田の新屋演習場、岩手山演習場に配備されました。すでに浜松基地からは「破壊措置命令」の発令を前提に、発令前の319日付での特殊車両の通行予告が静岡・秋田・岩手などに通知されています。わたしたちはこのようなPAC3の展開に抗議し、その撤退をここに求めます。

 この間、わたしたちはMD導入とPAC3の配備の中止を求めてきました。その理由は、MDやPAC3は新たな米軍の戦争システムへと浜松基地を統合することになり、政治的には憲法を破壊し、日米共同作戦により集団的自衛権が行使され、経済的には数兆円の軍需企業の利権を生み、社会的には基地機能を強化し、宇宙の軍事化とアジアでのミサイル軍拡をさらにすすめるからです。

今回の「破壊措置命令」とPAC3の展開によって、私たちが指摘してきたことが実際に起きようとしています。それは戦後初めての「破壊措置」命令による実戦配備であり、その軍事行動によって、憲法第9条が最初に破壊されることになります。戦力の不保持も武力の威嚇・行使の禁止も交戦権の否認も、実際の軍事行動によって無きものにされます。その運用は米軍からの情報と日米の共同作戦司令部の判断によることになり、浜松基地のAWACSもこのシステムに組み込まれていきます。

今からでも遅くはありません。「破壊措置命令」の撤回とPAC3の撤退をすすめ、ミサイル防衛政策自体を中止すべきです。

麻生政権は、首相のホテル・料亭での接待政治、泥酔大臣の金融対策、金のばら撒きとセフティネットの破壊、大臣の人権侵害の放言、過去の戦争への歴史的責任なき対応など信義なき政権とみなされ、内外の評価は低下する一方です。このような危機にある内閣が、国家防衛を煽動し、未完成のシステムの戦闘配置することで、憲法の破壊をすすめています。「愛国心は悪党の最後の逃げ場」といいますが、このような政策はまさに悪党の所業です。

現在の危機を招いている原因は、朝鮮戦争が未終結であることと21世紀に入っての宇宙覇権によるグローバル戦争の拡大です。今こそ、平和協定の締結につながる政策をとり、グローバルな戦争政策を中止し、国交の正常化をすすめ、アジアでの非核化とミサイル軍縮といった外交努力をおこなうべきです。 以上、要請します。