「あきらめない 続・君が代不起立」4・29浜松上映会

 

2009429日「あきらめない 続・君が代不起立」の上映会を浜松でもち、不起立者である根津公子さんの話を聞いた。参加は26人。

映画は2007年度の東京での君が代をめぐっての不起立者のたたかいを追ったものである。

君が代強制の圧力のなかで教師も生徒も起立する状況がつくられていき、圧力を加える側に立つものをあらわれる。抵抗するものを職務命令違反にして処分の対象にする。労働組合も抵抗する方針を示さずに、被処分者を排除する。自己を偽って生きることが日常化する。他者を処分しても動じない顔をした人間がつくられていく。テープレコダーのような行政の対応がすすむこの国の本質に天皇制があり、その前で民主主義が消える。

そのようななかで、人間の顔を回復しようとする人々が仮面のままの顔で生きる人間を問い詰める。一度しかない大切な人生を国家の暴力は破壊しようとする。しかし、そのなかで「まっすぐに生きたい。わたしは命ある人間です」の声がこだまする。言い表すことのできない怒りを感じ、異議をあげた声は踏みつぶされない。人間として、心に自由を、その心を示す行動の権利を、自分を怖がらずにたたかおう、屈しない、と存在をかけた闘いがはじまる。

「『あなたに会えてよかった。ありがとう。さようなら。』の歌を歌いました。」「人が好きです。」「解雇させかったぞ」という言葉が映画の最後に語られる。

心の自由、行動することの権利、それを支える人々の姿で構成された映像が示すものは、人は美しく生きることができるということであり、そのような人間の方向性である。

映画のあと、根津さんが2008年の攻防について話した。現状是認のなかで抵抗する力は包囲されているが、大勢の人が全国で声を上げ、2008年の処分も停職6か月であり、解雇は阻止した。根津さんは「こどもたちに事実を見てほしい。泣き寝入りしなくていい。言えるし、行動できるんだ」と想いを語った。

講演ののち、浜松で09春闘ストライキをおこなった郵政、君が代不起立を続ける教員の仲間からの連帯のあいさつを受け、NO!NO!BANDの歌で集会は終わった。

 

以下、映画のアンケートから(要約)。

○闘いをありがとう。しなやかに負けずに自分の意見をいえることは当たり前だけどとても難しい。職場でしなやかに自分の思いを伝えていこうと思いました。

○大変な苦労をしながら頑張っている姿には心動かされるものがありました。私にはあそこまで自分を貫く勇気はありませんが、できる範囲でできることをしていこうと思います。都教委のやっていることは冷静に見れば行きすぎです(高校教員)。

○映画を見ていろいろ考えさせられました。私はクビが怖くて不起立できなかった意気地無しですが先生の行動を高く評価し尊敬しています。頑張ってください。

○先生の行動は平和を守る道であると市民として思います。生の声を聞けてうれしく思いました。

○人権を重んじる教育現場で少数の意見がひどいやり方で抑えられることには抵抗を強く感じます。もっと世論を盛り上げが必要で人間にとって根本的な問題です。できることを協力したいと思いました。

○しなやかなほど強いと思います。自然体でしなやかな闘いに教えられることが数多くありました。高校での卒業式の前に、生徒に不起立を伝えその理由を話してきましたが、小中では100パーセント近くが起立しています。高校では数十人が不起立とみられますが、教委は無視しています。これからも不起立です。

○ユニオンのメンバーで、市場で働いています。教員だったら不起立を選択したでしょうが、当事者として自信はありません。根津さんの勇気と支援者、とくに子ども・お母さんの言葉に感動しました。

○高校で美術を教えています。小田実、岡本太郎、ボイス、シュタイナーなども教材にしています。学校図書館に先生の本も置きます。頑張ってください。

20052月に解雇を告げられ、ユニオンで交渉して撤回しました。現在も積極的に仕事が指示されることはなく、正社員との差別もありますから、平素から社の動きに敏感になります。ストレスはユニオンの皆さんに受けとめてもらっています。日ごろユニオンに相談に来る人たちの職場の状況は根津さんの状況そのものです。彼らとともに団交したり裁判に参加して、このような社会の状況に一片の楔を打ちたいと思います。機会があれば根津さんの傍らに立ちたいと思います。

○根津さんの行動から若い人たちが学ぶことは多く、生き方に与える影響も大きいと思います。大変な闘いだと思いますが、頑張ってください。私もこの事実を伝え、反対行動の輪を広げたいと思います。

○存在を持って闘う根津さんと、それを支える人々の熱い思い、行動や発言を見ていて、ぐっとこみあげるものがあった。

○力まず、免職も恐れず、信念を持って闘う。闘っているひとの気持は100パーセントは理解できませんが、50パーセントくらいは理解できるよう共闘を自分に誓います。

○職場から自由のものが言えるように、がんばりましょう(郵政ユニオン)。

○停職6か月は良かったなんて言うとおかしいけれどよかったね。不起立の人がもっともっと増えればいいと思う。