5・10「1・2号機廃炉歓迎、6号機増設などトンデモナイ」
                            はまおか集会報告

 

2009510日、「12号機廃炉歓迎、6号機増設などトンデモナイ」はまおか集会がもたれ、200人が参加した。集会には、山口、新潟、石川、東京など全国各地からも参加した。

集会では、福島大学の清水修二さんが「原発に頼らない地域の再生」の題で講演した。講演の内容をまとめると次のようになる。

原子力発電の立地問題とは、電力の生産と消費が空間的に分離していることである。「自分の裏庭には迷惑なものをつくらない」という「NIMBY(ニンビイ)シンドローム」があり、遠い場所につくってお金で解決しようとすることに問題がある。

では原子力発電で地域が発展するだろうか。福島県の状況を分析した資料には、財政が電力会社依存型、財政支出依存型になり、若者の定着や人口流出の問題は解決していない、とある。道路や体育施設などの社会資本は整備されるが、地域が発電所に依存し、経済的な自立はなく、「発展なき成長」である。雇用も原発に依存し、財政も発電所の固定資産税に依存し、減価償却が進むにつれ増設を求めるようになる。原発と地域が一蓮托生の関係となっていく。

原発は地域的な産業関連を持たない孤絶的な事業所であり、地域経済を内発的に発展させるものではない。電源3法は発電所の立地の促進に向けてつくられた法であり、地域社会の発展のためのものではない。1990年代になると「電源地域の振興」へと目的を転換してきた。税は原発の迷惑料として電気料金と込みで徴収されている。利益誘導が構造化された法律である。

大切なことは地域経済の内発的発展であり、地域の資源を活用し、地域内経済の循環をつくっていくことである。未来を見つめながら、原発に頼る豊かさを問い直し、原発に頼らない地域の再生をすすめていくことが求められる。(以上要約)

朝日新聞2008720日付けの地域経済と原発の特集記事を見ると、浜岡原発での固定資産税などの原発関連税収は669千万円、一般会計に占める関連税収の割合は384%であり、原発の交付金・補助金などの累計額は376億円に及ぶ。札束で人々の生活を蹂躙している実態がわかる。

集会では、浜岡原発裁判の弁護団が裁判であらたに2人の証人申請を行ったこと、現地での地盤調査をおこない6号機の敷地近くに断層を発見したことなどを紹介した。

全国各地からは、刈羽、志賀、祝島などでの反原発の取り組みの報告があった。祝島のように、海底から真水がわき、たくさんの魚介類がとれる、そのような宝の海を守り、一流の田舎をつくって原発に頼らない生活していこうとする方向にこそ、未来があると思う。

また、プルサーマルについて97パーセントの再利用と宣伝されているが、実際には1パーセントのみであり、使用済みMOX燃料は再利用が全くできず、そのゴミの捨て場がないことも報告された。

すでに浜岡用のMOX燃料が日本に向かっているが、いまプルサーマルを行う予定の浜岡4号機は事故で停止している。4号機を動かすことなくプルサーマルを止め、浜岡砂丘から原発を一掃したい。                     (Y