2009・5・3山田朗浜松講演
「田母神問題の真相と自衛隊の変容」9条の会
5月3日、浜松9条の会の主催で山田朗浜松講演「田母神問題の真相と自衛隊の変容」がもたれ、230人が参加した。
山田さんは「田母神論文」を検証し、それが侵略戦争や植民地支配をを合法化し美化するものであり、また
アメリカで冷戦期に宣伝されたコミンテルン陰謀史観を焼きなおしたものに過ぎず、歴史論としては破綻したものであるとまとめた。さらにこの論文の背景には自衛隊の本格的な軍隊化をもとめる政治的な意図があるとし、現行の自衛隊・安保体制を攻撃するものでもあるとした。
続いて山田さんはソマリア派兵の問題点を示し、自衛隊がアメリカの戦略によって輸送補給能力を強化し,艦艇の大型化やミサイル防衛を進める現状を紹介し、それにともなって自衛隊内で軍隊としての伝統が強調され隊内で歴史修正主義が蔓延してきた状態を批判した。
そして、山田さんはMDをめぐる現状についても話し、多大な軍事費の投資をするなかで、外国基地の先制攻撃の主張へと転化していく動きについても注意を喚起した。「言論の自由」をいう田母神自身が隊員に対してはイラクでの実際の活動に対して言論を封じてきたことにもふれた。
さいごに山田さんは市民の課題を挙げ、対外展開型の軍隊として自衛隊が存在するようになったいまこそ、海外での活動実態をあきらかにすること、戦争の歴史を知り市民が軍事を監視しコントロールする力を持つこと、アジアでの軍拡の連鎖を断ち切ることの重要性を語った。