浜松基地自衛官人権裁判 第9回口頭弁論報告

 

 2009年831日地裁浜松支部で第9回の口頭弁論がもたれ、50人ほどが傍聴して支援した。今回の弁論では、冒頭で原告側が横浜のたちかぜ裁判で国側の代理人席に代理人ではないものが座っていたことふまえ、今回の代理人にその資格があるか否かを確認した。

 弁論では、自衛隊内で自殺に追い込まれたHさんのショップ長、係長、課長についての記録の提示を求めた上で、同じショップで勤務していたTさんの陳述書についてその内容を示した。

 陳述書ではHさんの整理能力には問題がなかったこと、自殺に追い込んだNの行為に問題があったこと、Tさん自身も被害を受けたことが記されている。この陳述書によって、自衛隊側は自殺の理由がHさん自身の性格や生い立ちにあるとしているが、Nによるいじめのなかで、精神的の追い込まれていったことがあきらかになった。

 今後の追求によって、ショップの上司の安全配慮義務違反を明らかにし、さらなるいじめの実態を示す陳述書の提示を含めて、事件の全体像があきらかにされるだろう。

 裁判後の集会では原告が、親として本人を助けることができなかった悔みは今も強いが、裁判をやめれば新たな被害者を生むことになる、歯をくいしばって頑張りたいという強い決意が示された。また、若い自衛官が裁判で堂々と本当のことを言いたいと発言するようになった、それが民主主義の基本であり、本当のことをいって仕事ができるような職場であってほしいという、職場の民主化への強い期待が示された。

 1年の間、職場でのいじめをみてきた同僚のその実態を示す陳述書が出たことの意義は大きい。力を合わせて裁判の勝利に向かおう。

 次回の口頭弁論は112日の1110分から地裁浜松支部でおこなわれる。参加を。                                     (T