9.12富士を撃つな!行動報告
2010年9月12日、9回目の104訓練に反対して、富士を撃つな行動がもたれた。集会では、三島、静岡、浜松の仲間が訓練の中止と米軍の撤退を訴えた。市内のデモ行進もおこなった。その後、滝が原のキャンプ富士に行き、防衛局に要請書を手渡し、キャンプ富士の海兵隊に対しても、要請書を読みあげた。この日は実弾訓練がおこなわれていた。キャンプ富士内を見ると米軍用施設が新設されていることがわかった.(T)
沖縄米海兵隊の東富士実弾演習に抗議する
9月10日から9月23日まで、静岡県の東富士演習場で、沖縄の米海兵隊による実弾射撃訓練が行われた。1996年以降、[沖縄の負担軽減」を口実に本土内で分散して訓練を行っているもので、東富士では2006年以来で、今回9回目となるという。
これに対し県内の市民グループで、8月下旬に県に訓練中止の申し入れをし、9月12日には御殿場市で抗議集会とデモを行った。ジリジリと照りつける日差しの下、それでも元気に市内をデモ行進した後、陸上自衛隊滝ヶ原駐屯地と、米軍の「キャンプ富士」に、訓練中止の要請書を手渡すために、数台の車に分乗し20人ほどで現地に向かった。
そこで肝を冷やす光景が目に入る。米軍基地に隣接する空き地(県有地とのこと)に、県警のものものしい大型バスが3台!金網で覆われた窓のカーテンは全て閉められていてとても不気味だ。他にも数台の警察車両と、目の鋭い男性たち。ものすごい威圧感だ。
事前に、自衛隊に要請書を渡したい旨連絡をした時点では、その空き地に駐車してもよいとのことだったにもかかわらず、入り口は車で塞がれて入れない。4年前に同様の申し入れをした際には、それでも自衛隊駐屯地の門前で対応したが、今回は「この空き地の入り口で(門から道路を隔てて50メートル以上も離れている)受け取ります。」と自衛隊の人が言う。押し問答の末、車の通る道ばたで大声で要請文を読み上げ手渡すことになった。背後に多くの巨大な警察を配備しなければ、怖くて受け取れないか?こちらは丸腰の市民。80歳の老人や女性、草履履きのひともいるたった20人の市民だ。あまりの過剰な対応に、心底呆れると同時に底知れない怖さも味わった。
その後「キャンプ富士」の入り口へ移動。3メートル近い頑丈な門はぴったりと閉ざされ、その向こうに巨大なコンクリートブロック。そこに兵士が2人立つ。門の外から何度も英語で「要請文を渡したい。ここに来て」と呼びかけるが、無表情のまま無視。仕方なくここでも要請書を読み上げ、門の下の地面に置いてくる。その時遠くでドドドーンと地響きがした。一瞬(花火の音?)いやここは基地だ、実弾射撃の音だと気づく。平和ボケの私。
車に戻る途中の道で、見たこともない形の大きな自衛隊の車両が走っていた。まるでカブト虫の背中を鋭く三角形に尖らせたような形。これは米軍が実弾を撃った後の片付けのために出動しているのだという。「日米同盟」は、「同盟」などではなく「主従関係」であり、それを象徴しているかのような光景だ。
1996年から、[沖縄の負担軽減」のためという大儀のもと本土各地の演習場で実弾射撃訓練が繰り返されているが、本当に負担が軽減しているのか?軽減どころかむしろよりいっそうの米軍の訓練強化、日米軍事共同訓練の強化のほうに成果を上げているとしか思えない。(S)
以下要請書
USA大統領様 2010年9月12日
日本国首相様 富士を撃つな!実行委員会
東富士での104訓練の中止を求める要請書
私たちは静岡県内で反戦・平和の運動をすすめる市民団体や労働組合による富士を撃つな!実行委員会です。
2010年9月10日から、東富士演習場で、沖縄県道104号線越え実弾射撃訓練の本土分散訓練(104訓練)がはじまりました。私たちはこの第12海兵連隊第3大隊の約390人、車両約90両、155ミリ榴弾砲12門による訓練に反対し、その訓練の中止を求めます。
東富士での米海兵隊の訓練は2006年9月以来であり、今回で9回目になります。この訓練はアメリカがグローバルな戦争をすすめるための強襲訓練の一環であり、アジアを始め、各地の民衆を殺戮することにつながっています。実際、米海兵隊はイラク・アフガンでの戦闘に参加し、死傷率も高い部隊です。
東富士演習場ではすでに通常の実弾訓練もおこなわれ、この104訓練により、米軍の軍事訓練は一段と増加することになります。この104訓練は「沖縄の負担軽減」を口実にしてはじまりましたが、それは米軍のグローバルな再編のために日本全土を訓練場とするものです。この訓練の移転によって、米軍は民間輸送機関を動員し、夜間訓練を増加させ、訓練規模を拡大し、日米の軍事的共同をいっそうすすめました。また、訓練は当初は中隊規模でしたが、大隊規模でおこなわれるなど拡大されています。静岡県は「キャンプ富士」の全面返還を求めています。軍事訓練は富士山麓での重金属汚染を拡大します。富士山は世界遺産にあたるといわれる山です。これ以上、「富士を撃つ」という環境破壊はやめるべきです。
米海兵隊によるグローバルな戦争の訓練は中止すべきであり、米軍はグローバルな戦争を中止し、本国へ撤退すべきです。私たちは、沖縄を始め世界各地での平和を求め、基地を撤去する動きに共感します。そして静岡県内での軍事基地の撤去を求め、東富士での104訓練の中止をここに要請します。
富士を撃つな!実行委員会
“Don’t
September 12, 2010
A Petition to Stop
the 104 Drill
Dear Mr.
President of the
We are a group called the “Don’t Shoot Mt. Fuji” Executive Committee,
which is comprised of citizens’ organizations and labor unions based in
We are resolutely against the Drill, which involves the 3rd Battalion 12th
Marine (numbering about 390), tanks and 12 155mm cannons being used at
the base of
This is the 9th time the Marine Corp has carried out drills at Higashi-Fuji.
The last time drills were conducted was in September, 2006. This
operation is part of the assault training for the
The US Marine use of
Yours Sincerely,
“Don’t
静岡県知事様 2010年8月25日
富士を撃つな!実行委員会
静岡県知事による104訓練中止の意思表示を求める要請書
2010年9月10日から9月23日にかけて、東富士演習場で沖縄県道104号線越え実弾射撃本土分散訓練(104訓練)がおこなわれようとしています。9月はじめには沖縄から米海兵隊の訓練部隊がキャンプ富士にきます。その部隊は第12海兵連隊第3大隊約390人(車両約90両・155ミリ榴弾砲12門)です。私たちはこの訓練に反対し、静岡県知事による訓練中止の意思表示を求めます。
東富士での米海兵隊の訓練は2006年9月以来であり、今回で9回目になりますが、この訓練はアメリカがグローバルな戦争をすすめるための強襲訓練の一環です。それは、アジアを始め、各地の民衆を殺戮することにつながっています。たとえば、沖縄の海兵隊はイラク・ファルージャの戦闘などに投入され、多くのイラクの人々を殺害しました。
私たちは静岡県内で反戦・平和をもとめる市民グループの実行委員会です。このような米海兵隊の戦争の訓練は中止すべきであり、米軍は本国へ撤退すべきと考えます。私たちは沖縄での米軍基地撤去の想いに共感します。そして、静岡での軍事基地の撤去を求めます。米軍基地の返還は静岡県の県是です。ぜひ県知事は104訓練の中止を意思表示してください。
以下参考にこの訓練の問題点をあげます。
一 「沖縄の負担軽減」を口実として訓練がおこなわれるようになりましたが、移転訓練は米軍の世界的な再編のなかでおこなわれ、日本全土の訓練場化となっています。「負担軽減」ではありません。
一 訓練の移転によって、米軍は民間輸送機関を動員し、夜間訓練を増加させ、訓練規模を拡大し、自衛隊との共同をすすめてきました。訓練により日米の軍事的共同がすすんでいます。
一 訓練は当初は中隊規模でしたが、大隊規模でおこなわれるようになりました。これは訓練の強化であり、アフガン・イラク戦争と対応して訓練がおこなわれてきました。
一 東富士への移動日は直前にならないと明らかにしないようになりました。移動計画をはっきりさせるべきです。市民の中止の意思をきちんと受け止めるべきです。
一 すでに富士では日米共同訓練や通常の実弾訓練もおこなわれています。104訓練により、この東富士演習場での米軍の軍事訓練は一段と増加しています。
一 富士の陸上自衛隊を中心とするイラクへの派兵が2006年2月におこなわれ、北富士ではサマワ基地を想定した訓練場や東富士には都市型ゲリラ戦訓練場が建設されるなど海外派兵を想定しての訓練も強化されてきました。富士は派兵の拠点になっています。
一 キャンプ富士の全面返還を求める県是を尊重すべきです。軍事訓練は富士山麓での重金属汚染を拡大します。富士山は世界有数の美しい山であり、世界遺産を語るのであるならば、これ以上、富士を撃つような行為はやめさせるべきです。